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29歳転職失敗、拾われる。 【episode16】


29歳夏。店を辞める前に製菓衛生士という国家資格を取った。

専門学校には2年通っていたものの、

#製菓衛生士  の受験資格はなく。

#食品衛生責任者  の資格しか持っていなかった。

ただ、このパン屋で5年ほど働いていたので受験資格はあった。

(実務経験が2年以上あれば受験資格がある)

食品衛生責任者があれば店を運営することは可能。

なので絶対的に必要な資格ではない。

けれど、

この店を辞めれば何も残らない。(雇われの現実)という気持ちがあった。

だから一つでも自分に頑張ってきた証拠と、自信を付けたい気持ちで。

働きながら勉強し、受験することにした。

受験科目は

衛生法規、

公衆衛生学、

栄養学、

食品学、

食品衛生学、

製菓理論及び実技、、、。

仕事し、帰宅して家事育児を終わらせ夜中が唯一の勉強時間。

試験を受けよう!と思ったのは試験の約半年前で。

正直、日常の店で働く上ではあまり使わない事ばかり。

眠い目をこすらせ、それでもだからこそ「絶対、受かってやる!!」と久しぶりの勉強は楽しかった。

しかし、だ。

もともと、暗記と言うものが苦手で。

なぜこんな名前なのか?

なぜこの効能があるのか?

なぜこの法律があるのか?等、

いちいち理解しないと頭に入らない体質。

なので理解するのには苦労したけれど、

店でただ働いているだけではわからない、食品衛生責任者だけでは得られない知識を得ることが出来て、勉強していると段々と自信にも繋がっていった。


そしてその夏、無事に製菓衛生士の資格を得ることが出来た。

なんだかサラッと書いているけれど、

その当時(3年前)は合格通知が届いた瞬間、嬉しくて玄関前で号泣した事を覚えている。

中学受験よりも

高校受験よりも

大学受験よりも

なによりも嬉しかった、合格通知。


それが小さな出来事であっても。

世間体では大してすごくない事でも。

本当に自分がやりたい事で、それを達成した時って、

よく生きた!!!と心から想える。

やっぱり、自分の直感で感じたことは全力でやるべきだ。

それは

約5年間お世話になった、このパン屋でも全力でやってきて感じる事だった。

その後

「もうこれ以上やる事はない!全てここではやって来た!!」と、とても清々しくこのお店を去ることができた。


さて、辞めてからは

本当は菓子の仕事から離れようと思っていた。

それは製菓衛生士の勉強をしていた時、栄養学を学ぶ上で

「お菓子は本当に人(の身体)を幸せにすることが出来るんだろうか?」と疑問に思った。

製菓衛生士の勉強をしながら(したから?)

#食  について詳しく知りたくなりさらに勉強していた。

(↓その時の想いを綴った記事が残っていました。↓)

菓子から一回離れてみよう、と思い。

パン屋の退職後は自然食品のレストランで内定をもらってた。

そこでは無農薬のご飯(身体を作るもの)を提供する仕事が主で、そのお店のビジョンに触れそこで食について勉強させてもらおう。

だったのですが、、

物は言いようで。表向きと裏は違う事はどの店でもあるのかな。。。。(多いよね)

自然食品、無農薬を使うにしてもスタッフの管理や食品の管理が雑で。(保存方法とか)蓋を開ければ、またまた、どんぶり勘定問題。

いくら身体に良いと言われている無農薬、有機栽培、、、でも。

イキイキとしている食材を使っている“だけ”で、その子達の管理は最悪だった。。

スタッフに対しても管理がめちゃくちゃで。上のミスを一人のスタッフに押し付けていたり、お客さんの対応もめちゃくちゃで、、。

スタッフも無農薬の素材も、ただのコマ扱いだった。

どうしても、その、それぞれの行為はそれがお客さんの為にはならないし、スタッフの為にも店の為にならない。と思った。そしてその表と裏の行動の違和感に私自身が納得できなかった。。

入社2日目でその想いを店長と話し合い。

辞めることにした。

私自身が、わがままなのかもしれない。

けれども

私が思う素材や、お客さん、店。。そして自分の働くという行為。への向き合い方と、価値観がその店の裏側の思考とは合わなかった。

若い時のように、啖呵をきって辞めてはいないよ(笑)

ちゃんと話し合って辞めた。

結局、どんな店も表向きは良い言葉を並べるから、入ってみなくちゃわからない。

(もちろん良い店もある)

人間関係と一緒で深く知らないと、その人の本質なんてわからない。

そこが人生を歩む中で面白い所、なのかもしれないけれど

やっぱり絶望感はあるよね。

雇う側も、

雇われる側も、

そしてお客さんも、

表向きの価値観ではなく「本当に持っている価値観」が違えば尚の事。

だから

自分の価値観はどこなのか?

心の琴線に出来事が触れるたびに再確認していたい。

その当時の事を今(2020.5月)思い出しながら

自分の価値観を確認し発信する大切さを感じています。

だから、私はこうして足跡ブログ(自己紹介)を記載している。

自分の価値観を客観視する為に。

そこに共鳴してくれる人を探すために。


少し話がそれましたが、

さて

転職に失敗したものの、アテもなく。

そんな中。

前職で菓子を卸していたカフェで

#お菓子教室  を開催し、そこのオーナーに菓子を教える日がやって来た。

詳しくは前回の記事で。

このカフェのオーナーは何店舗かある美容室の経営者さん。

飲食店の経営は初めての方のカフェでした。

菓子を卸して欲しい、と言うくらいのカフェのオーナーなので、全くの素人さんです。

そして他ではもう卸も頼まないと。自分達で焼く。という事で。

そんな全くの素人の方にお菓子を教えるのは初めて。

でも、楽しんでくれ。

素人さんだし、

本業は美容室の経営者さんなのに

それでもお菓子作りに真剣に向き合ってくれた。

そしてスタッフさんとも楽し気にしており。

仕事はお休みの日なのにも関わらず、店の雰囲気がとても心地よく流れていた。

素敵なお店で菓子作りを託すことが出来て幸せだなぁ。。と

出来る限り、菓子の素材の発注方法、原価の事等伝え、お菓子教室を終了した。

そしたら

「これ気持ちだから。」と一万円のお給料を頂いた。

ビックリして。

今でも何度かお菓子を教えたことはあったけれど

こんな気持ちを受け取ることはなかった。

お金の値段とかではなく。

私は、菓子の卸が勝手に終了してしまい償いの気持ちだったから尚更。


けれど、

このオーナーさんは

『どこに価値があるのか?考えてくれているんだなぁ。』と、

とてもとても、有難く思い。

こんな人になりたい。

自分でしっかり稼いで価値あるものはここだ!と

自分が考える価値にちゃんとお金を払えるようになれる人でありたい。


と、感動し、誓いました。


で、その時、

『ここで働かせてくれたら食を扱う前の、その前の土台、人として学ぶことがあるかもしれない。』

そんな事を思い。

『ここで雇ってくれませんか?』

と、後日お願いしにいきました。

ここだったら

【菓子を焼く】という事で店にも貢献できる。

『食』について学びたい想いよりも

誰かに貢献したい、そしてもっと広く社会を見て、

働く本質とは何なのか?探ってみたい。

そんな気持ちもありました。


有難いことに、カフェは働くことをすぐにOKしてくれて。

菓子から離れるはずが

結局、

専属パティシエという名前で菓子を焼きながらそのカフェで深く関わる事になりました。

(その当時の心境を綴る記事です↓)

美容室が主となるカフェなので、

本当にたくさん、【魅せる】という事や

美容室独特の【接客】について学ばさせて頂きました。

絶対に飲食だけ働いていたらわからない、大切な事、たくさん、たくさん。

【人】と【人】を土台とした、その根本があって商売がある。

そんなことを。

ここではメンターなる人とも出会うことが出来ました。

これから先もずっとずっと、尊敬し続ける人だと思います。

そんな人。

この店では私が一番、菓子について知っていて菓子の仕事が出来ました。

(当たり前ですが、、)

けれど、

そんなものよりも、大切なものが流れていました。

そこをひたすらに学ばさせて頂きました。

そんな土台は

今の

#焼き菓子屋そぼくな 。を営む上での土台となっている。

リピーターさんやレビューをたくさん頂けていたのも、

ここで学んだことが大きいと思います。

そんな学び、歩んできた道のりを次回は書いて行きます。



読んでくれてありがとう!

焼き菓子屋そぼくな。

ゆ季


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