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20231123「生存社会」

それぞれが与えられたとして
生を全うする
どんな境遇で
どんな環境で
成長し育まれ
獲得しながら
今の今日にさよならしている
戻れはしないけれども
これからのことは
きっと違うのだろう
生存社会での
強さと弱さを掛け合わせ
君臨しつつその手を離れる
蔑ろにした背中にも
骨の形が薄っすらと見える
動物だったかもしれない
それでいて違う存在として
再度情報を募らせて
わたしたちは何かに立ち向かう

既に危機の最中
だとしても未だに以前の記憶をなぞらい
出来事の匙をそっと掬う
転んだ穴を埋めて
道の平坦さを乗り越えながら
進むその道中は
どんな景色を与えるのだろう
少し立ち止まってもいいし
甘いものを含んでもいい
暫しそこに居て
そしてそこを離れることになる
共すがら交わした交換を入れ違い
わたしたちはそれを受け入れては
手放しつつ進んで行ってしまう
さよならさえ言えずに涙を抱え
わたしに残った何かを抱いて
その意味を回想している
今回の出番は揃ってるのなら
集いつつ後退しながら進もう

或いは転換の最中
戻れない過程
はっきりしない決断だとしても
それが次の結果を出す
靴を取り替えて
新しいそれもまた古くなるから
交換の都度に足先の方向もまた
包まれる条件の内で
催促の知らせを既に受け入れている
時計を回し季節を萌やし
月日を稼ぐ
何回かを繰り返し
手にした何かを渡し
生まれたばかりの老人さえ
泣きながら涙を枯らす
干上がった上昇を跳ね返し
集う雲間に胎嚢が蓄積され
事あるごとに情報を降らすだろう
それに打たれつつ心皮は洗われる

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