20240526「不知を付け足す」

知らないことばかりだが
そのひとつひとつ
紐解いて
また結ぶ
誰かの知恵を借りて
自分経由でまた返す
どれが当たりなのかは
わからないのだから
それぞれの工夫で
当てはめる価値を試みる
昨日は今日
今日は明日
明日は既にあるのかもしれない
絡めた術を駆使して
柔らかく統べよう
きっと合致する所がある
未だその先があるのだろうから

四隅を突っつき
角を摘んで
包めておく
溢れるかもしれないが
誰かが拾う
見つけようとすることが
気づきの合図
誰かの空腹と
誰かの欠乏
それらを充たし
徐々に溢れ出したら
次の誰かが
それらを繋ぐ
順繰りの最中での出来事
偶然の必然
偶に恩恵
然すれば跡形を忘れる

不足を足して
わずかに零す
その瞬間に放ち
また付与する意味を取り込み
消化しつつ会中を得る
流れの中のひとことの有り様
にわかに動き出す
それぞれの態度
しばらく佇み
また次を続けている
雲間から行間を覗き
手に足をとる
循環の一節で
交換されつつ
未だ残っていることを
残響の中で
譫言を言っている