見出し画像

20231128「雨の朝のこと」

雨が降っている
まだ空けない夜に
白みを帯びる風景に
集められた水たちが降りて行く
飽和した空気をまばらに避けて
跳ね返る水しぶきで
分かれつつ
また同じような成分を含みながら
滔々と流れる
押して押されて
下へ下へ
溢るるそれを
わたしたちが利用して
わたしの中へも流れている
暫くしたら
また離れて行って
次の水の準備をしている
夜に見た夢の残滓をも
成分として含んでいるかもしれない

何か乗じて
含み損と含み益を洗い流し
乗算の倍数をその雨粒に掛けて
流れの浮き沈みを以て
現れつつ隠れ
わたしを忘れるのだろう
そんな事象だとすれば
取るに足りないことかもしれない
動もすると見逃すだろう
追いつけない速さで変化して
それをそれだとは表わせないとしても
現象はその精緻さを見せてくれる
解釈の檻から抜け出す様は
声に出した言葉の余韻と
ある程度の余白を含みつつ
それ以外さえも同時に抱えている
粒の中の振動で
震えるわたしたちと同調する
そのままを揺らいでおこう

彩度を落としている朝
雲が流れつつ同化している
わたしの無意識さえ感じられないし
あなたはいつものように
朝食の準備をしている
一匙を口に含み
身体を保つ
同化する音素さえ
奏でられるのなら
違うそれもわたしたちに作用されるだろう
浄化できないものたちさえも
本当の所は悪意もなくそれ自体に留まる
相互作用のやり取りで
別の歌詞を解釈して
海へと放つ
深く薄まり
わたしたちの領域はまだ空いているとして
ここに居ることができる
準備ができたら早速に動き出すだろう

この記事が参加している募集

朝のルーティーン

読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁