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20240614「千切ったページ」

1枚千切って
また千切って
ばらばらになって
もうさよなら
なのに
また繋ぎ合わせて
半透明のテープで押さえ
指でなぞる
ごめんと言って
裏まで貼って
もう1度挟む
膨らんだから
また思い出せる
継ぎ接ぎだらけだけれども
思い出の何かは
積み重なっている

別のそれらは
どこに挟んでたのだろうと
本棚前に立って
次々に捲る
どれもが一瞬に過ぎて
捉えきれないそれらの含み
活字が染み込み
わたしのどこかに移されて
それはただそう思ってるだけ
預けたのはわたしの方
何度も読み返したら
童話のように
定着するのだろうけれど
出来事の仕業で
端を折っては
また膨らんでいる

確か在ったはずのを
探せないくらいに抱え
選べないように
思い出せないまま
別の記憶をも持ってしまう
でもいいでしょ
違うけれど
いいと思っていれば
きっとふくよか
きっとどこかで
出会っていて
わたしのどこか
あなたのどこかで
再会するかもしれない
全くもって
また開く

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