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20240907「知らない所へ」

知らない所へ
そして懐かしい何処か
電車を待って
どこそこへと連れて行かれる
行きたい場所は
確かそこだったのだろうけれど
思いもよらない所へと着いてしまう
ふっと店に入ってみて
知らない言葉を聞いて
憶測しつつ
何がいいのか
そうでないのか
何を探して
何を見ていないのか
どれもが新鮮で
どれもが異和
それでいてそれが懐かしい

これから来るものであっても
まだ見ていないのだから
期待だけはしておこう
今の延長線上で起こる出来事さえ
もうその萌芽は綻び始めている
ただ見えないだけ
気づけないままに
流れ流され
在らぬ所へと行き着くのだろう
相席でもいいが
聞こえない声を聞きつつ
言いたいことを言って
通じていないはずでも
通じている態で顔を合わせている
何を食べているのかさえ
形容できないとしても
そこに居合わせたのはきっと僥倖の類い

ほんの少しを齧って
砕け散らかすこともなく
残滓の在り様をそのまま凝視する
睥睨の瞬きさえ
お誂えを頂戴して
その環境に馴染ませる
きっとわたしも反応して
あなたの企みもまた
横に逸れつつ軌道修正するのだろう
でたらめな態度だが
それはそれで理に叶ってるのかもしれない
本当の所は知り得ないけれども
それが当然として
成り行きに任せておく
さよならと言って
気にせず次へと向かう
それが何処なのかは知ってはいない

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