見出し画像

20240706「余白知」

箱から1枚
静かに出して
書き始める
1文字1文字書くたびに
汚れては落ちないくらいに
まだ余白は残っている
どれだけ書いたって
思いの丈を示す事はないのだろう
けれども
何かを書かずにはいられないのなら
出まかせでもいいし
千切ってもいい
黒く赤く
ブルーブラックで
書けば書くほど
白さは磨かれている

声にならない声と
意味が通じない意味とを
電線の上で鳴いている
よくよく調べてみれば
それもわかるかもしれない
しばらくすると
飛んで行って
そこに在ったものが
今はそこに居ない
さっきまでのの余韻で
印象だけが残ってはいるが
どれもが落っこちて
また拾いに行ってしまう
かっさらう気持ちの趣きで
どれもが笊網だと思ってもいる
感覚の匂いを混ぜるとする

湿度の滞留で
皮膚に汗が滲む
風が吹けばいい
てんで知らない物ごとを言い当て
それが偶然なのか必然なのかは
誰も知り得ない
だからと言って
ここを離れても
どこかに通じている
見知らぬ場所でも生きて行けるのなら
どこまでも地上を這いつくばろう
歩ける所まで歩いて
飛べる所まで飛んで
疲れたら休んでもいい
追憶の彼方までなら
既にここに在る事を示している

読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁