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20231120「数珠の隙間を解く」

非情な日常の揺れでも
ことあることに
縮こまりあるいは拡大して
埋められない穴を
せっせと埋めつつ
どこからか持って来たそれを
繰り返す
それこそがいつものことだが
疲れた鶴嘴を担いで
とぼとぼと家路に着く
帰る場所などないようなものの
休める少しの居場所さえあれば
違う夢を見れるだろうに
うなされつつも
次の場面では美味しそうな食卓までも
見ることないのなら
この下らない平穏さえ
糧として熟してやろう
そして小さな明かりを灯す

砕かれた瓦礫の山に登り
見晴らしは更に遠くへ導く
背負ったそれをなだらかに運び
埋められない空隙の情けなさ
確かに在ったはずの何ものかさえ
どこにあるのか探すことも儘まらない
とするならばその言い訳を反転して
靡く旗の風向を変えて行こう
煙はまだ絶えないが
雨さえ降れば雷鳴を呼び
稲光の轟音で気づくこともあるだろう
せめてもの絆の範疇を持って
各々の矜恃を震わせ
接触の切っ掛けを手にする
混ざり合った泥水の渦中で
浸透する微細な罅の隙間まで
つなぎ合わせようとするのは
何をもたらすのか
知られない現象までも待っている

合切を平らげつつ
平穏までの道のりでは
でこぼこな上げ下げの視線をもって
遠く振り返ったなら
更にこれからのことまでも
見通せるその高台まで赴こう
下した決断の優柔までも露わにさせ
見識の類いを開こう
似つかわしくないとしても
誰かが埋め合わせ
誰もがその役を受け取る
様々な問いを投げ入れつつ
問われる想像の先のことを
ひとつずつ開いて行く
困難は必須だとしても
複数の鍵でじゃらじゃらと鳴り
届く音階までも聞こえるだろう
遠く近く寄り添う調べ
琴線の撓みで虹彩が滲むとしても

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