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史乃
2021年4月2日 00:59
それは多くの人が知っている事実だが、大切な人を失うということが、どれほど悲しいのか、私は知らなかった。確実にこの世にあったはずの命が、本当はなかったんじゃないかと不安になるような気持ちを、私は知らなかった。2020年12月28日午前9時12分、最愛の父が永眠した。こんな歌があったことを、ふと数日前に思い出した。私は、最愛の父の墓の前で、泣かなかった。火葬前最後の別れの瞬間も、火葬中も、家に
2020年10月17日 12:41
父の胆管に末期の癌が見つかり、宣告された余命の1年が過ぎた。7月以降、2度目の入院となり、覚悟を決める時がきている。今回は、末期がん患者の家族として、1年間の心境の変化をここに記す。---------- 私はこの1年間の多くを、現実から遠く離れたところに身を置いて過ごしていたと思う。私が幼い頃から父は「100歳まで生きる」といつも言っていたし、私はそれを信じて疑わなかった。病気を知らさ