さくらうめ

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meaning

委員会の会議中にふと あれ、自分てなんで生きてるんだっけてなって 電車はそこそこ人がいて 揺れるたびに肩が当たるおじさんの服が香りで ああこの人の家庭の香りなんだ…

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要らない「普通」

 今思えば、この出会いは必然だったのだろう。中学の図書館でぱらぱら見ていると、友達に勧められた。しかし、なんとなく読む気にならなかった。後に芥川賞受賞作品となる…

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私の内側

 私の中には、別の私がいる。そいつが私を惑わせ、私を悩ませる。十六歳になり、そう感じることが多くなった。「個性的だね」「変わっている」「何考えているのかわからな…

 もうここまできたか。考えごとをしていると早いもんだな。  私は、周りから見たらどんな風に歩いているのだろう。ちゃんと歩けているのだろうか。  バス停の前の信号…

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meaning

委員会の会議中にふと あれ、自分てなんで生きてるんだっけてなって

電車はそこそこ人がいて 揺れるたびに肩が当たるおじさんの服が香りで ああこの人の家庭の香りなんだなあなんて考えたら、急に虚しくなっちゃって

直立してたら内側を向いちゃう私の右足に、心の中で外向けよって言ってみたり

今日は音楽聴きたいから、1つ前の駅で降りたのに ホームに足がついた瞬間に やっぱ早く帰ればよかったなあって後悔し

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要らない「普通」

 今思えば、この出会いは必然だったのだろう。中学の図書館でぱらぱら見ていると、友達に勧められた。しかし、なんとなく読む気にならなかった。後に芥川賞受賞作品となるが、その頃には私の記憶からは薄れていた。それから三年がった今年の夏休み、妹が中学の図書館から借りてきたという本が、机の上に置かれていた。「コンビニ人間」私があの時手に取ったものと同じだった。
「ちょっと読んでもいい?」
と、やはり少し興味を

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私の内側

 私の中には、別の私がいる。そいつが私を惑わせ、私を悩ませる。十六歳になり、そう感じることが多くなった。「個性的だね」「変わっている」「何考えているのかわからない」私がよく言われる“褒め言葉”である。

 みんなと同じじゃないと変だ、と、人間は無意識にも決めつける。だが、その「概念」はどこからきたのだろう。不思議アタマの私は考える。

 元々内気な性格の私は、「人に合わせる」ことが当たり前だった。

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縁

 もうここまできたか。考えごとをしていると早いもんだな。

 私は、周りから見たらどんな風に歩いているのだろう。ちゃんと歩けているのだろうか。

 バス停の前の信号にかかった。目の前なのに辿り着けない。何か不思議な気持ちになった。

 そこで、今日は金曜日だと気づいた。あ、今日か。中学校の、部活動の夏季大会は。後輩たち、頑張ってね。応援に行きたいけどな。

 バスが来た。少しほっとする。あれ、これ

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