さくらうめ

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委員会の会議中にふと あれ、自分てなんで生きてるんだっけてなって 電車はそこそこ人がいて 揺れるたびに肩が当たるおじさんの服が香りで ああこの人の家庭の香りなんだなあなんて考えたら、急に虚しくなっちゃって 直立してたら内側を向いちゃう私の右足に、心の中で外向けよって言ってみたり 今日は音楽聴きたいから、1つ前の駅で降りたのに ホームに足がついた瞬間に やっぱ早く帰ればよかったなあって後悔したり 目の前を手繋いで歩いてるカップル遅くてうざいなあって思いながら追い越して

    • 要らない「普通」

       今思えば、この出会いは必然だったのだろう。中学の図書館でぱらぱら見ていると、友達に勧められた。しかし、なんとなく読む気にならなかった。後に芥川賞受賞作品となるが、その頃には私の記憶からは薄れていた。それから三年がった今年の夏休み、妹が中学の図書館から借りてきたという本が、机の上に置かれていた。「コンビニ人間」私があの時手に取ったものと同じだった。 「ちょっと読んでもいい?」 と、やはり少し興味を惹かれたのである。  この小説の主人公は、三十六歳未婚女性の古倉恵子である。「

      • 私の内側

         私の中には、別の私がいる。そいつが私を惑わせ、私を悩ませる。十六歳になり、そう感じることが多くなった。「個性的だね」「変わっている」「何考えているのかわからない」私がよく言われる“褒め言葉”である。  みんなと同じじゃないと変だ、と、人間は無意識にも決めつける。だが、その「概念」はどこからきたのだろう。不思議アタマの私は考える。  元々内気な性格の私は、「人に合わせる」ことが当たり前だった。人に合わせた方が楽だし、変な目で見られることはない。自分の考えなど、全く無視して

        •  もうここまできたか。考えごとをしていると早いもんだな。  私は、周りから見たらどんな風に歩いているのだろう。ちゃんと歩けているのだろうか。  バス停の前の信号にかかった。目の前なのに辿り着けない。何か不思議な気持ちになった。  そこで、今日は金曜日だと気づいた。あ、今日か。中学校の、部活動の夏季大会は。後輩たち、頑張ってね。応援に行きたいけどな。  バスが来た。少しほっとする。あれ、これ、私の日常なのに。  窓から見る風景は、いつもとは違う。 今日は少しだけ、私が