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Eat my hat =#100%, #命賭けたる #マカロニ【新生・物語のある英語vol.37】

こんにちは!語学の裏設定のSlovarです。

今日はしばらく連載が止まっていた「物語のある英語」シリーズを扱っていきます。

初めてこのシリーズに触れるという人向けに、概略を。

単語は人によって作られた、だからその裏には物語がある。そんな物語の裏話をハッシュタグ3つで表し、なぜそのタグがつくかを解説していく連載です。英語表現の裏側の物語を知ると、英語に深みが出るので、よりネイティブと共感できる英会話を楽しむことができるのです。

ということで、今日は「Eat my hat」という表現の裏側を覗いて、ネイティブを超える理解を得ていきましょう。


1.まず意味と使い方

「絶対確信を持っている。だから賭けてやってもいいぞ」と、自信満々の時に使う表現です。

If we don't win this game by 30 points, I’ll eat my hat.
(もしも私達が30点差で勝たなかったら、私の首をくれてやるよ。)

ただ、今どき「首をくれてあげる」という古風な表現はしないので、現代風に直したら「誓って~ないさ」というところに落ち着くでしょう。

If she actually marries him I'll eat my hat.
(彼女が結婚するようなことは誓って無いさ!)

と、

このように絶対的な自信を持っている時に使う表現です。

しかし、、、

外れたら帽子を食べないといけないのですよ、帽子を!それなりに無理のある表現じゃないかとついつい思ってしまいます。そんなわけで、この英語表現には次のようなメッセージが込められている気がするのです。

「できない約束はするな」、と考えてしまうのは私だけでしょうか。あのナポレオンさんが見事に解説してくれました。

「約束を守る最上の方法は、決して約束しないことだ。」

そんなわけで、意味と使い方がわかっていても、信頼的な意味で使用頻度には少し注意しましょう。


2.「#100%, #命賭けたる #マカロニ 」が付く理由


初めてこのフレーズが使われたのは1797年にThomas Brydgesの著作の中だそうですが、

この表現の裏話の面白いところはまさにそこなのです!

当時の帽子事情と今の帽子事情の差がこの表現に味を与えています。

現代なら野球帽サイズのまぁ食べようと思えば食べられる帽子(!?)もあるのですが、当時の帽子は大きさが違ったのです。

彼の著作では「I’ll eat Old Rowley’s hat」と書かれていて、このOld Rowleyというのが 当時のイングランド王「チャールズ2世」。下の写真の通り、

帽子大きすぎ!

こんな帽子食べられない!命賭けてもお腹の中に入らない。。。

しかし、

この程度の大きさの帽子ならまだマシな方で、当時はもっと大きな帽子もありました。

写真のように「食べられる、食べられない」の議論の域を超えた帽子があったので、I'll eat my hatと言うのがいかに軽々しく口にできない言葉だと想像がつきますよね。だから、自信が#100%#命をかける、というタグがついたのです。

少し脱線します。当時イタリアで流行していたファッションを積極的に取り入れる人たちのことを皮肉って「マカロニ」と言われていたのです。そもそもパスタのマカロニはなぜマカロニなのか?と言うと、16世紀にマルコポーロが中国から持ち帰った小麦粉で作ったパスタを方法に献上したら(Ma Caroni!!)マッケローニ!! = 素晴らしい、と言われたのが始まりだそうです。

本来マカロニは褒め言葉だったのです。

それが、奇抜なファッションを皮肉るために用いられ、更に、ムリな約束をする人を指すために、もう一度ひねったら「eat my hat」という表現が出来上がったのです。

まるで、ねじりにねじったパスタです。

そんなわけで「#マカロニ」が付きました。


3.実際に帽子を食べた人がいる

Paddy Ashdownというイギリスの政治家が、選挙の結果をテレビの前で予想して「もし私の予想が違っていたら I'll eat my hat」と宣言したところ、見事に外したので、帽子を食べなくてはならない羽目になったのです。

罰ゲームということで、公の前で帽子の形をしたケーキを食べさせられたのですが、世の中は甘いものだなと。

前半に登場させたナポレオンの言葉にもう一度出てきてほしいと思ったので、繰り返します。

「約束を守る最上の方法は、決して約束しないことだ。」


帽子を食べてはいけない。。ということは幼稚園で習ったと思うが、それは嘘をついてはいけない、の裏返しであったと私は思うのです。


いかがでしたか、辞書や単語帳で意味を丸暗記していただけでは決して知りうることのなかった英語表現の裏話。このような深い理解がチリのように積もって、ネイティブと共感し合えるくらいの確かなる英語力を形成していくのだと思っています。


この記事が皆さんの英語学習の糧になったことを祈って。

それでは、また!



いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。