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「キーエンス解剖」by 西岡 杏
今や高収益、社員の高額年収で有名なキーエンスは、どのようにして高収入を稼いでいるのか興味があるビジネスパーソンがこの本を手に取るのかもしれない。その結果、現在ベストセラーになっている。
売上総利益率が8割、営業利益率が55%と驚異的な数字を叩き出しているが、販売、商品開発等のキーエンスならではの特徴が具体的に説明されており、「基本的なことを徹底的に、仕組み・システムとして確立して、それを愚直そし
「リスキリングは経営課題」by 小林祐児
著者は、3月19日のNHK「日曜討論」のリスキリングについての番組に出演していたため、最近出版されたこの本を読んでみた。
今流行りの「リスキリング」は、ややもすると個人のキャリア形成の中で、個人における活動という解釈が多い気がするが、著者は逆に個人に任せているだけでは、結局長続きせず、ブームに終わってしまう可能性が高いと言っている。
現在の人事施策のやり方を見直し仕組みとして、個人がリスキリン
「選択できる未来をつくる」by 松岡陽子
著者は、現在パナソニック・ホールディングスの執行役員で、Hohana(株)のCEOである。15歳のときに、プロテニスプレーヤーになるべく渡米し、UCバークレーに進学したものの、ケガのためテニスプレーヤーの道を断念した。
この本は、その後ロボット工学の世界で大学教授、グーグル社員、スタートアップのCEO等、様々な職を経験する中で、彼女がその時々にどう判断し選択してきたかを基礎に、我々にも何が大切か
「地銀と中小企業の運命」by 橋本卓典
現在経営が厳しいと言われている地方の金融機関が今後生き残るにはどうすればいいのかという観点から、具体的な事例を示しながら様々なアイデアを紹介している。
そういう厳しい状況にあって、若手行員の多くが辞めているということからも、経営戦略を抜本的に再構築しなければならないということである。
これまでの銀行は予算目標達成のため、自社目線での営業スタイルであったが、金融商品において他行との差別化が難しい
「営業の正解」by 山田和裕
自分自身はあまり営業力がある人間だと思っていないので、少しでも営業力をつけるにはどうしたらいいかということで、この本を読んでみた。
著者は、本の表題にも書かれているように、1000人のトップセールスをデータ分析した結果、「営業はプロセスが全てである」とわかったとのことである。そして、その分析を基にこの本を書いたとのこと。
営業で重要なプロセスを見える化・標準化し、そのプロセス毎に必要な対応・対
「出世 7つの法則」by ジェフリー・フェファー
著者は、スタンフォード大学ビジネス・スクールの教授で、以前ここで読書感想を書いた「権力を握る人の法則」と著者と同じ人である。
この本を読むと、出世(成功)している人は、普通我々が考えている条件を満たしている人ではなく、実は戦略的に少しダークな基準を満たしている人だと述べている。具体的に挙げられている事例はほとんどがアメリカ人のため、日本人の自分には少しピンとこない面はなくはないが...。
例え
「霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界」by 霞 いちか
著者は民間から出向するという形で官庁で働いた後、正式に国家公務員となってどこかの官庁の職員になった人である。元々民間にいたこともあり、官庁での働き方に関して、違和感やすばらしさを冷静に見られるのだと思う。
最近こういう内幕物の本も多く、この前はメガバンク(みずほ)の行員の内幕物を読んで、読書感想をここに書いた。
この本を読んで、官庁職員は大変だなあと思ったのは、国会での議員先生の質問に対する答
「人事ガチャの秘密」by 藤井 薫
人事における裏事情がわかるのかなあと思って読んでみた。人事というのは、各企業の状況によって、統一的に捉えるのはなかなか難しいが、そうした中で、共通する内容を紹介している。
内容としては、「そういうシステムになっているのか」といったような驚くものはそれほど数多くはなかった。そもそも人事にそういう極秘事項は少ないのかもしれない。
その点では、新鮮だと感じたことは、多くの企業で「幹部候補者リスト」な
「60代を自由に生きるためのお金と仕事の話」by 榊原 正幸
著者は、元大学教授(東北大学→青山学院大学)で、教授の定年が69歳の青学を60歳になる直前で退職し、これまでの副業である株式投資とそのセミナーを行いながら自由で楽しい生活を送っているらしい。
著者もこの本の中で書いているが、大学教授としてそれなりの年収を得ながら、それを上回る投資からの利益があったため、自主的に定年前に退職してもリスクを感じなかったとのことである。
著者の言う自由な老後の「3本
「ノーサイド・ゲーム」by 池井戸潤
2019年TBSで大泉洋主演でドラマ化されたが、どういう訳かそのドラマを見ていなかったので、この小説のストーリーは全く知らずにこの本を読んだ。
池井戸潤さんの小説はエンターテイメント性に優れているので、読み易く最後はハッピーエンドに終わるので、安心してストーリーに没入できる。
単なるラグビーというスポーツ物語というより、企業小説で、そこで働くビジネスパーソンに勇気を与える内容となっている。小説
「1位思考」by 猿渡 歩
アンカー・ジャパンのCEOである著者の初めての著書で、後発でも圧倒的速さで成長できる秘訣を書いた本とのことであるが、書かれている内容は意外と基本的なことだった。
著者は、元々コンサルタント会社で働いていたこともあり、コンサルタントの思考方法を活用していると感じた。特に「因数分解の習慣」の章では、因数分解による課題の分解(売上=販売単価x販売数量といったようなこと)をフレームワークを使って行うこと
「75歳からの生き方ノート」 by 楠木 新
ベストセラーの「定年後」を書いた著者が75歳からの生き方について書いた本である。著者は現在68歳なので、まだ75歳まで多少の時間があるが、それまでに75歳以降の人生を想定しながら準備していこうという意味で、この本を書いたのかなあと思った。
シニアの生き方として、65歳以降と75歳以降は、基本的に変わりはなく、「社会との係わり」を持ち続けることが大切だということを著者は言いたいのだと理解した。
「イノベーションの考え方」by 清水 洋
イノベーションとは何か、イノベーションを産むための組織は何か、どのようにイノベーションを産むか、等イノベーションに関する事項をわかりやすく、コンパクトにまとめている本である。
イノベーションもいろいろな形があって、これをボストンコンサルティンググループが開発したPPMのフレームワークを使って、説明している。
「金のなる木」の事業では、漸進的なイノベーションを連続して行うことの重要性を、そして「