おっちゃん

家族から「おっちゃん」と呼ばれています。所有資格は、中小企業診断士、全国通訳案内士(英…

おっちゃん

家族から「おっちゃん」と呼ばれています。所有資格は、中小企業診断士、全国通訳案内士(英語)、公認内部監査人(CIA)

最近の記事

「ニッチで稼ぐコンサルの教科書」by 林田佳代

著者が本の序章で、この本は「仕事も、家庭も、趣味も、楽しみながら人生を謳歌できる、ニッチな部分で稼ぐコンサルタントになる方法」を書いていると言っている。ネットでこの本の記事を見たとき、自分の強みを活かし、チョコっとコンサルをするための本かなあと思っていたが、少し違っていた。 書いている内容はかなりオーソドックスで、中小企業診断士の資格を取得した人が、副業又は独立するためにはどうしなければならないかという内容が書かれているレベルだと思った(著者は中小企業診断士用とは全く言って

    • 「アキラとあきら」by 池井戸潤

      池井戸さんの本はかなり読んでいて、この本もかなり前に買ったものの、なぜか積読状態で放置されていた。どうしてこれまで読んでいなかったのか理由はわからないが、今回ようやく読み終えた。 メインの舞台設定はメガバンクであるが、そこで働くまでの主人公2人の生い立ちを詳しく記述することで、物語に厚みを与えている。そして主人公2人が大きな危機に協力して立ち向かうストーリーをドラマチックに書いており、まさしく池井戸ワールドの展開を見せている。銀行における業務内容は作者の得意とするもので、併

      • 「傲慢と善良」by 辻村深月

        自分が買ったこの文庫本の帯には累計67万部突破と書かれているが、今のものは上記の通り累計100万部突破と出ている。いずれにしてもベストセラーというのは間違いない。これまで辻村さんの作品はあまり読んだことがなかったが、最近直木賞の選考委員に選ばれたことからも実力派の一人であることは明白だと思う。 この本は、30代男女の婚活が一つのテーマだと思うが、それは飽くまで設定の1つであって、真のテーマは今の若い男女の生き方や考え方について考察していることではないかと感じた。主人公の男性

        • 「あなたを待つ いくつもの部屋」by 角田光代

          この本は、帝国ホテルの会報誌「IMPERIAL」に11年間に亘って掲載されたショートストーリーを本にまとめたもの。小説の舞台を東京、大阪、上高地の帝国ホテルとして、様々なストーリーを展開している。全部で42編の小説となっている。 1つ1つのストーリーは、さすが角田さんの実力通りすばらしく、1編が5ページ足らずながら、それぞれ感動的な物語を作り出すことに改めて有名作家の力を感じた。 ストーリーにバライティはあるが、夫婦そろって帝国ホテルに泊まるという設定は少なくて、どちらか

        「ニッチで稼ぐコンサルの教科書」by 林田佳代

          「人生の扉をひらく鍵」by 中山祐次郎

          著者は、テレビドラマにもなったベストセラーの「泣くな研修医」シリーズを書いた外科医兼作家である。この本は著者の自伝のパートと自分の息子に伝えたいことのパートという構成になっている。 神奈川の名門中学・高校で落ちこぼれたが、医者になる意思は固く、2浪して後期で鹿児島大学医学部医学科に入ると経歴から、大学卒業、初期研修医、後期研修医、専門医と成長するそれぞれの過程で、様々な苦労や葛藤した内容をさらけ出しているので、興味をもって読ませてもらった。 自分の息子も1浪で地方の国立大

          「人生の扉をひらく鍵」by 中山祐次郎

          「雑用は上司の隣でやりなさい」by たこす

          著者のたこすさんは、「最短出世中・現役エリートメガバンクブロガー」らしい。自分のことをそこまで言えるのはなんなんだろうとちょっと思もわなくもない。ただ、この本の対象とする読者は、若い人だと思うので、自分のような年齢の人間が読むものではないのかもしれない。 自分のサラリーマン人生を振り返ると不器用に生きてきたなあと思う、もう少し賢く立ち回っていたら、違った経歴を辿ったかもしれないという気持ちがある。そういう意味で、この本で書かれていることはある程度正しいと思った。 本の内容

          「雑用は上司の隣でやりなさい」by たこす

          「Think Fast, Talk Smart」by マット・エイブラハムズ

          著者はスタンフォード・ビジネススクールの教授で、MBA生に対する講義内容をベースにこの本が書かれている。スタンフォードのビジネススクールに通う学生は人前で話すことに慣れているのではないかと思ったが、この本を読む限りそうでもないようである。 この本は、2つのパートで構成されていて、パート1は理論編、パート2は応用編となっている。パート1の理論編では、突然発言を促される場面で求められる即答力を鍛える6つのステップを紹介している。パート2の応用編では、①雑談、②祝辞・弔辞・紹介、

          「Think Fast, Talk Smart」by マット・エイブラハムズ

          「上流階級 其の四」by 高殿 円

          ついに「上流階級」シリーズも最終刊となった。この本は、文庫本書下ろしで2022年12月に発行されており、現在の経済・社会状況がよく反映されていると思った。 主人公は、百貨店の合併を経験し、自分の上司は合併相手から来たエリート女子社員というシチュエーションで、自分の予算達成はもちろんだが、部下の教育・指導にも奮闘する様子が描かれている。 百貨店を夜貸切って、一晩で1億円のお金を使い切るという信じられないようなシーンも描かれるが、全体的に極めて現実感のある話の内容と展開にいつ

          「上流階級 其の四」by 高殿 円

          「等身大の定年後」by 奥田祥子

          著者は現在、近畿大学の教授をされているようだが、それまでは読売新聞の記者をされていて、その記者時代に約20年間にわたってそれぞれの個人を取材した記録を基にこの本が書かれている。 本のタイトルにあるように「等身大」ということで、うまくいったケース、うまくいかなかったケースをそのままに紹介している。本の組立て方として、定年後の身の振り方に従って、①再雇用、②転職、③独立、④ボランティア、⑤女性のケース、に分けられている。 いずれの場合も、そう簡単に定年後の働き方は見つからない

          「等身大の定年後」by 奥田祥子

          「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」

          先日、辻静雄さんの自伝的小説「美味礼賛」を読んだこともあり、この映画を観たくて、23日に上映を開始したので、早速24日に梅田まで観に行った。 この映画は4時間という長時間のドキュメンタリーで、途中2時間が経過した時点で10分の休憩が入る。大きく3つのパートに分かれていて、1つ目はトロワグロ本店のランチ提供に関する状況、2つ目が次男がシェフを務める支店でのディナー提供に関する状況、そして3つ目が本店でのディナー提供に関する状況となっている。それらパートの合間に、素材を提供して

          「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」

          「定年後 自分らしく働く41の方法」by 髙橋伸典

          定年に関する本はこれまで何冊買って、読んだのだろう。自分自身はお陰様でまだ67歳になっても会社で働かせてもらっているが、60歳になった時に、自分が目指すモデルとなるような人が全くいなかったこともあり、定年後の人生に関する本はこれまで何冊も読んできた。 今回この本を大型書店で見つけたが、正直また同じような内容かなあとあまり期待していなかったが、まあ文庫本で高くないので買ってみた。この本は、三笠書房の本には珍しく文庫本オリジナルで、中身は全く目新しい内容という訳ではないが、これ

          「定年後 自分らしく働く41の方法」by 髙橋伸典

          「ふぞろいな合格答案17」by ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム編

          久し振りに「ふぞろい」を買ってみた。中小企業診断士2次試験の参考書としては定番中の定番であるが、既に診断士である自分にとって「今更」ではあるが、試験は診断士としての基本を思い出させてくれると思うので、改めてお盆の休みに読んでみた。読むに際して、事例1~3は一応問題を解いてみて、自分なりの解答を考えてから、「ふぞろい」を読んだ。 本の構成は基本的には従来と変わっていないと思うが、各年の特徴である第1章と第3章に関して、特に第3章の「80分間のドキュメントと合格者再現答案」につ

          「ふぞろいな合格答案17」by ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム編

          「岸惠子自伝」by 岸 惠子

          この本は、単行本が2021年6月に出版されて、自分は2022年7月に購入しているが、いつものように買っても直ぐに読まないのは自分の悪い癖だと思っている。そういう中、本屋で文庫本が出版されているのを見て、「ああ、もう文庫本も出たのか、そろそろ読まないといけないなあ」ということで、読みました。 著者は、2020年5月に日本経済新聞社の「私の履歴書」に自伝を書いていたことは覚えているが、その内容とこの本の内容が同じなのか、どうなのか全く覚えていないので、完全に新しい本として読んだ

          「岸惠子自伝」by 岸 惠子

          「地面師たち」by 新庄 耕

          Netflixのドラマを観る前に、原作を読んでおこうと思って、この本を読んだ。本の中心は、有名な積水ハウスが騙された事件であるが、その内容の記述が少し物足りないなあと思って読み終えた。 原作を読んだので、いよいよNetflixのドラマ7作を観ることになった。ドラマの方が、迫力があると同時に気持ち悪くなる場面も多かったが、小説より良くできているのではないかと思った。 小説の文庫本の最後の解説で、ドラマプロデュサーの大根 仁氏がこの本をドラマ化したいが、「内容的にテレビも映画

          「地面師たち」by 新庄 耕

          「アダルドグッズの文化史」by ハリー・リーバーマン

          会社で回覧されてくる週刊ダイヤモンドの書評欄で、佐藤 優氏がこの本を紹介していたので、読んでみた。 著者は人類学の学者で女性ということもあり、本のタイトルの通り「文化史」で、学術的な内容の本で、決して卑猥な内容ではない。 また、アダルトグッズといっても主に女性用のバイブレーターとディルドが話の中心で、それらのものは女性の自由解放と重なって使用状況が拡大してきたと説明されている。 この本を読むとアメリカという国はポルノを解禁して性に対して解放的なのかと思いきや、女性のアダル

          「アダルドグッズの文化史」by ハリー・リーバーマン

          「時ひらく」by 辻村深月、伊坂幸太郎、阿川佐和子、恩田陸、柚木麻子、東野圭吾

          三越創業350年の企画として、人気作家6人が三越百貨店のアンソロジーとして6つの物語を紡いでいる。本の表紙は、三越の包装紙のデザインを使っている。 6人の作家それぞれの文体も手法も違うのと、350年という歴史のため今と昔の時代を行き来するような内容も多くて、少しお酒をちゃんぽんして飲んだような酔った気分を味わった感じ。 関西にいると三越百貨店は、昔北浜にあったけれど撤退して、その後三越・伊勢丹として大阪駅ビルに出店したが、これまた撤退したこともあり、あまり馴染みがないデパ

          「時ひらく」by 辻村深月、伊坂幸太郎、阿川佐和子、恩田陸、柚木麻子、東野圭吾