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【企業インタビュー】製造業で深刻化する人手不足。この解決に向け、副業人材と共に工場の生産性向上を目指す

全国有数のボートコースがあり「ボート王国かわべ」として知られる、岐阜県の川辺町(かわべちょう)。この地で長きに渡って建築用鉄骨の製造・加工を担っているのが、佐伯鐵巧(さえきてっこう)株式会社です。

製造業である同社が直面している大きな課題が、人手不足です。こうした中、生産業務の効率化や省人化が急務となっています。そこで同社は生産現場の自動化を目指し、副業人材の活用を決断しました。今回は副業人材を採用するまでの経緯や採用後の取り組みについて、同社の常務である佐伯宏暁さんにお話を伺いました。


―御社の事業内容と、副業人材を活用しようと思われた背景を伺えますか?

岐阜県加茂郡の川辺町というところで、建築用鉄骨の製造と加工を行っています。1953年創業ですので、70年以上の歴史のある会社です。

弊社は、設計から加工まで内製化できるところが強みです。また鉄骨製作工場の認定制度において、最も高いレベル「Hグレード」の認定を国土交通大臣から受けています。「Hグレード」を受けているところは、岐阜県内でも7社しかありません。大手ゼネコンと直接取引をしていますので、大型商業施設や公共施設など、地域のランドマークとなる建物にも弊社の鉄骨が使われています。

弊社もそうですが、製造業全体として今大きな問題となっているのが、やはり人手不足ですね。さらに最近は、長時間労働への対策も必要になってきています。こういった事情から、生産現場の業務を効率化して、生産性を高めていく必要があると感じていました。そこで生産工場の自動化に取り組もうと考えたわけです。

そんな時、弊社の社長から「副業人材を活用してみてはどうか」という話がありました。社長は地元商工会の会長をしていて、グループ会社でかつて副業人材の活用に取り組んだ経験があります。社長からの進言がきっかけで、Skill Shiftを通じて副業人材を募集してみたという感じですね。

―副業人材を募集するにあたって、どのような人材をイメージしていましたか? 

募集の時点では、やはり工場の自動化に関するノウハウをお持ちの方というイメージでした。ただ必ずしも製造業の方というこだわりはなく、他の業界の方ならそれはそれで新しい視点でアドバイスをもらえるのではという期待もありました。

Skill Shiftで募集をかけたところ、4名の方から応募がありました。いろいろな方のお話を聞いてみたいと思いましたので、4名全員と面接させていただきました。

―採用人数と、採用の決め手になったポイントを教えていただけますか?

4名と面接した結果、1名の方を採用しました。この方は製造業ではないものの、普段もコンサルタントとして、岐阜県内をはじめさまざまな企業の案件に関わった実績があるということでした。あと決め手になったのは、年齢が弊社の従業員と近い40代だったことと、お住まいが岐阜県内で弊社と近かったことですね。

またパソコンやIT関連に詳しく、他社の案件でもそういったサポートをしているとお聞きしたんです。弊社も自動化するにあたってITへの対応は必要ですので、この方にお願いすることにしました。

―副業人材の方に、どのような業務を依頼していますか?

最初に一度副業人材の方に弊社までお越しいただき、生産現場を見ていただきました。その後お話した結果、工場の自動化はハードルが高いため、まず弊社で使っている生産管理システムの改善から着手することになりました。

弊社では3年前に生産管理システムを導入したものの、担当者もいない状態で、十分に使いこなせていない状態でした。そこで生産工程の見える化ができるよう、副業人材の方に生産管理システムをカスタマイズしていただくことになりました。

なお2023年4月に契約しましたので、もうすぐ1年経過するところです。副業人材の方とのやり取りとしては、工場長と月に数回ミーティングを行ってもらっています。あとは月2回行われている社内の生産会議にも、参加していただいています。

生産管理ソフトのカスタマイズについては、副業人材の方の自宅PCに作業環境を整えていただいたので、随時進めているという感じです。

―副業人材を活用した成果について、教えていただけますか?

やはり工場長や班長といった管理職は、副業人材と話すことで生産性向上に対する意識が高まってきていると感じます。これがさらに社内に浸透して、現場の作業員の意識向上につながっていけばいいなと思っています。

生産管理システムのカスタマイズについては進めてはいるものの、システムの製造元に確認することも多いとのことで、まだ途中という段階です。

―最後に、副業人材を活用したご感想と、今後の展開について教えていただけますか?

実際に副業人材の方とやり取りしてみると、やはり依頼する側の姿勢も大切だなと感じました。当然ですが依頼する側が丸投げして終わり、というものではありませんから。進捗確認なども含めて、副業人材の方とコミュニケーションを密に取りながら、進めていきたいと思います。

まず取り掛かっている生産管理システムのカスタマイズを、今年度には終わらせたいですね。副業人材の方とは契約をもう1年延長して、引き続き取り組んでいく予定です。生産業務の見える化が実現すれば、現場の作業員でも作業の無駄なところを確認できるようになります。これが生産性の向上につながるのではないかと、期待をしています。

将来はさらに社内のコミュニケーションツールをIT化するなど、いろいろな部分で社内の業務効率化を図っていきたいと考えています。

COMPANY PROFILE

佐伯鐡巧 株式会社
〒509-0302 岐阜県加茂郡川辺町上川辺1678番地


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