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日々のエッセイ

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2019年から湖畔暮らし。自然、ヤギ、トリ、仕事、考え事の日々。
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2021年2月の記事一覧

晩冬の堆肥づくり

晩冬の堆肥づくり

ヤギの糞尿が付いた稲わらは、混ぜて発酵させれば堆肥になるという。本にもそう書いてあるし、夫も同じことを言っている。

良く考えれば昔の日本では、人間の排泄物もこのようにして活用されていたのだから、材料がヤギの物になっても変わらず使えるんだろう。

「あしたまとめて仕込んでみようよ」

夫がそういうので、とりあえずOKの返事をした。ふたりで初めての堆肥作りが始まった。

***

ヤギから出る排泄物

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働くことの処方箋

働くことの処方箋

いま、期間限定で自治体の税務に関する業務をお手伝いしている。

性格が真面目な自分にとっては、税金や法律などアウトラインがくっきりと分かるものの方が付き合っていてラクなのだ。その点クリエイティブな事柄は自由すぎて、ときどき疲れてしまう。

短い間ではあるものの、ここでの仕事が久々に自分にハマっているようで、地方移住後に長らく抱え続けてきた仕事に対する「もんやりした霧」に一筋の光が差してきた。

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茜色に染まりて

茜色に染まりて

夕焼けが綺麗な日が続いている。

湖の彼方へ消えていく太陽は、リレーの選手かと思うくらいスピードが速い。特に運転している時に日の入りが重なると、その速さをありありと感じる。

車のアクセルを踏めば自分が前に進むのは当然だけれども、まるでその力が太陽にも伝わっているかのようだ。地平線の向こう側へと太陽をぐんぐん引っ張っていく。

「この町から見る夕日は本当に綺麗よねえ」

ご近所さん、近隣市町村に住

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拾われた落とし物

拾われた落とし物

いつもお米は玄米で購入している。

うちでは、玄米と白米のちょうど中間くらいに精米した「分づき米」を食べている。程よく胚芽が残り栄養価がアップするし、香りも強くなるのでお気に入りだ。

玄米から白米にするとき、お米屋さんがその場で精米してくれることもあるけれど、そうじゃないことの方が多い。専用の機械が置いてないから。

そんな理由でよく町の精米機を使う。その他にも、とある目的があって精米機を訪ねる

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