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ハッピーエンドと花束
他人の影響から、backnumberの曲をきくようになった。
カラオケで、“高嶺の花子さん”を初めてきいたのがきっかけで、登場人物の思考回路がまるで私の様だと感じたのを覚えている。
それからしばらくして、あるドラマで“ハッピーバースデー”という曲が主題歌になっているのをきいて、backnumberの歌の登場人物の情けなさや哀愁がとても気になり始めた。それから、気になるタイトルを1曲ずつ、丁寧にじ
zehitomoというサービス②
(zehitomoというマッチングサービスを利用した記録をまとめた2つめの記録です。ぜひ①からお読みください。有料エリアまで読むと、私がこのサービスをいくらでお願いしたのか、がわかります、というか有料エリアにはそれしか書いてないので興味ない人は読まなくて大丈夫ですよ。)
2人から、こちらの言い値でオファーをもらえるというラッキーに出会え、私は自分が選んだ女性のカメラマン、Aさんとメールアドレスを
zehitomoというサービス①
伊勢ヶ濱部屋への取材が決まった時、私はひとつ大きな壁にぶつかった。
卒業課題の6000字の原稿には、必要に応じていくつかの写真を挿入することを推奨されていた。
実際、雑誌に本文が掲載されるのは40人中たった1人。それも写真はモノクロで、小さく載るに過ぎないだろう。どんな写真でも構わないっちゃ構わない。しかし相撲部屋への取材、きちんと正規のルートで申込み、実現させた、最初で最後かもしれないこの機会
あとがき(6/26追記あり)
拙い記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
プロローグで書いたように、この記事は、編集ライター養成講座の卒業課題として取材して書いたものです。プロのライターではない私にとって、就業しながら取材記事を書くというだけで大分大きな課題だったのに、取材対象を照ノ富士にしたことで、さらに重い課題へと、自分で足枷を増やしてしまった気分でした。
わたしは、大相撲が好きです。わたしにとっての相撲
大関をたった14場所で陥落した男⑨最強のライバルは自分自身(終)
“モンゴルへ帰れ“と言われた時の気持ちを聞くと、
「めっちゃ淋しかったですよ」
そう、ぽつりと言った。
冒頭の「カラダぼろぼろ」発言以降は、ずっと強気で明るく、笑顔だった照ノ富士が、一瞬淋しそうな表情をみせた。
その表情に気付いた筆者は、満身創痍の状態にさらに塩を塗るように、嫌なことを思い出させてしまったことを小さく後悔した。
しかし、そんな私の心配をよそに、この三兄弟に悲壮感はない。決して能天
大関をたった14場所で陥落した男⑧見えない日本人ファースト
稀勢の里の優勝をテレビで観ていた筆者は、違和感を抱いていた。
千秋楽、稀勢の里は照ノ富士との一番で、立ち合い、豪快に「変化」した。にもかかわらず、観客も解説者も実況担当も、誰もそれを批判しなかったからだ。
前日、大関・照ノ富士の変化を残念だと感じた私は、稀勢の里のそれも同じくらい残念だった。どちらも、優勝がかかった大一番に、休場ギリギリの手負い状態。変化を選ばざるを得なかったということに変わりはな
大関をたった14場所で陥落した男⑦「変化」の駆け引き
「相手への声援が大きいと逆に燃えて気合いが入る。それで勝てると、どうだい! って。負けると恥ずかしいけどね」
土俵に上がれば、鬼の形相と豪快な取り口で観客を魅了。けれど普段はこんなに愛嬌がある感情豊かな青年だ。
そんな照ノ富士が、16年ぶりに誕生した日本人横綱・稀勢の里と優勝を争った2017年の春場所。千秋楽に直接対決を控えた14日目の琴奨菊戦で、レイシャルハラスメント※ と言えるブーイングを受
大関をたった14場所で陥落した男⑥大部屋からの脱出 付き人・駿馬の存在
とはいえ、入門3年目の照ノ富士は、大所帯の中では下っ端。
移籍直後の番付は幕下10枚目だが、「若い衆」でいる間は入門年がモノを言う。
30畳の大部屋に、20人程の力士が生活するこの部屋で、最初に与えられた寝床は、炊事場のすぐ横、最も居心地の悪いスペースだった。
「早く関取になって個室貰うぞ! そう思って頑張った」
有言実行の照ノ富士は、移籍直後の2場所を、いずれも6勝1敗の好成績で終え、9月には
大関をたった14場所で陥落した男⑤いざ、伊勢ヶ濱部屋へ
2013年、春場所終了とともに間垣部屋は閉鎖した。
正式に閉鎖の話を聞いたのは1月上旬。読売新聞の朝刊で報じられた日の夜に、親方から告げられた。
その後時間を空けず、移籍先が一門外の伊勢ヶ濱部屋に決まった。間垣親方と伊勢ヶ濱親方が同郷(青森県津軽地方)という縁もあったのかもしれないが、それは異例のことだった。
「横綱のいる部屋で関取衆も多い。大きな部屋ってこともあるけど、一番の不安は一門が違うこと
大関をたった14場所で陥落した男④わがまま末っ子の誕生
照ノ富士に、間垣部屋に入ったばかりの頃を尋ねると、「この二人めっちゃ厳しかったんですよ」といたずらっぽく笑った。
「いつも、なんでやねんって思ってた」
当時、間垣部屋の昼のちゃんこ当番は照矢の仕事だった。ある日、照矢から「魚のさばき方」を教えると言われた。魚は食べるのも嫌いな照ノ富士。一度教えてもらうと次からは毎回やらなくてはならない。それが嫌で逃げ回っていた。
勝手なもので、当の照矢は「そんな