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エッセイ

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自分のルーツに想いを馳せる

自分のルーツに想いを馳せる

私の友達や知り合いには、ちょっと変わった子が多い。

物に宿る声だとか、人間のオーラだとか、“どこかから”のメッセージとか、そういうものが見えたり聞こえたりする。私はそんな彼女たちをファンタジーのフィルターを掛けて見ている部分がある。が、信じていないわけではなくて、うまくいえないけれど、自分が見えていないからと言って見えている人を否定するのはあまりにも乱暴だと思って生きている。

さて、私が生まれ

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悪癖は一日にしてならず

悪癖は一日にしてならず

つい、考えなしに余計なことを言ってしまう。

人手不足で駆り出されて、家業の手伝いをしていた若い頃の話。正直、イヤイヤやっていたので、仕事の合間には従業員だった女の子を相手にだらだらと取り留めのないお喋りをしていた。店の中にはお客さんが数人いた。
何も考えず、「○○のラーメンは美味しくないんだよね。うどんはすごく美味しいよね」と口にした。完全に、友達との雑談モードである。女の子が「あっ」という表情

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信じるか信じないかは私次第

信じるか信じないかは私次第

「#私の不思議体験」です。

ひとつめは私が高校生の頃、祖父の葬儀での出来事でした。

私にとって祖父の死は、初めて直面した「身近な死」でした。
ただ、悲しい。
ただ、寂しい。

葬儀には遠方から、これまで一度も会ったことのない祖父の兄弟たちが来ていました。私は隅の方からぼんやりと、祖父の兄弟を眺めていました。
ーーあの人は、おじいちゃんにそっくりだなあ
ーーあの人は、少ししか似てない
ーーあの人

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ここ数日誰とも喋ってなかったと気づいた出来事

ここ数日誰とも喋ってなかったと気づいた出来事

正確には、猫とは喋っていた。
猫が会話の相手になるのか、と言われると自信はないけれど。

夕方、ようやく重い腰を上げた。

昨日も一昨日もその前の日も、新聞を取りに行っただけで外に出ていないし、今日はいよいよ買い物にいく必要があった。“ステイホーム”をしているとウイルスとは無関係に外に出ることが怖くなる自分を発見しつつ、億劫さを連れてスーパーへと歩いた。車も自転車も、散歩中の人も、工事や整備の作業

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大同小異

大同小異

何を書こうかなとぼんやり斜めに見上げたら、左側を見ていた。
左側にあるものは「過去」。私は過去に意識が向いているんだなと気づいて右、斜め上に視線を向ける。なにか書きたいことはないかと考えていると、ベランダの先からがささがさががさ、とすごい音がした。今日は強風で、確かに洗濯物がよく乾いた。そんなことはどうでもいいんだけど、がささがさががさ、の犯人はマンションのお隣さん。ベランダに置いてあるビニール袋

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