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糖液中へのラベンダー色素の保存実験。

こんちはこんちは。
ほぼ毎日なにかしらのラベンダーに関する実験・開発をやっていますエフゲニーマエダと申します。
白衣は着ていませんが、やってることが完璧に科学者のそれです。

えーとですね、昨日とある小実験を検証していたのです。

上記ツイート添付画像にある通り、
左からグラニュー糖液上白糖液水道水ラベンダーシュガー液同液レモン汁添加と並んでいます。
ようはそれぞれ溶液に濃紫ラベンダー粉末の色を抜き出したものです。

ひょっとして、砂糖など溶かした溶媒にラベンダー色素を落とし込んだら、退色しないんじゃね?と思ったのです。

まぁ時間の経過とともにどの糖分溶液も水道水と同じように色あせてしまった!というのが昨日の検証結果なのですが…


なぜこんな事をやりはじめたかというと、今年上半期ちょこちょこ登場していたラベンダーシュガーでとある発見があったからなんです。
ラベンダーバター記事の末巻トーストにぶっかけていた紫色の粉ですね(笑)

通称ラベンダーシュガー、製法は"ポプリとグラニュー糖を共々ミキサーにかけて細かくしただけのもの"なんですが、実は退色しづらい特性を持ってるんです。

こればかりはなぜなんだかまったくわからず。。。

似たような事例として、夏間に製作したラベンダーシロップ⤴︎⤴︎
こちらも製作してから今までまったく色が変わっていないんです。
いまだに当時の色味を保ったまま冷蔵庫に残っています。

以下、過去の色素実験です。


そこで!

本日は大掛かりに、
砂糖へ色素を溶かし出し、さらに色をつけて再び固形砂糖へと戻してしまおう!
という検証を思いつきました!

では、実験の様相をみて行きましょう〜!

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用意されたのは色抜き用ラベンダー粉末。
そして右に上白糖70gを2回分。

上白糖を使用するのは、精製精度が高いグラニュー糖だと再結晶化しづらいだろうとの見立てで、あえて精度の低い上白糖を選んでいます。

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使用する粉末の量はすりきり大さじ1。15グラム分ですね。

さて!

ここからが実験方法の分かれ道となります。

①番目は、上白糖の入ったカップに、水道水で色抜きしたエキスを注ぎ、砂糖を混ぜて溶かします。

②番目は、色素を混ぜ合わせるタイミングを変えます。
①の水と合わせるのではなく、直接砂糖水に色素を抜き出します。

具体的に、[水で抽出する] か [糖液で抽出する] かの違いとなります。

では①の実験開始。

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①の実験溶液を用意する段階。
底に上白糖70gが溜まっています。これらが全て溶けきるまで混合します。

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アルミホイルを敷いているのは、再結晶したときガビガビに鍋にこびりつくので、砂糖のロスを減らすために利用しています。
この方が多分取り出しやすい…だろうと。

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溶液に砂糖が溶けきったら、蒸発鍋を用意し注ぎ込みます。

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で、加温開始。
薄く伸びてるので温度が高くなりすぎてカラメル化しないように気をつけます。再び白い砂糖として取り出す事が目標です!

というか、加熱した段階ですごい変色……嫌な予感がします。

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さらに煮詰めていくと、水かさは減るものの、お茶みたいな色になってしまっています。
①はこの時点で色素の保存という目標へのアプローチに失敗しています…

このまま加熱しているとカラメルシュガーになる気がしたので、直火ではなくストーブ加温に切り替えました。

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結果的に、固形砂糖へ戻せずラベンダーの香りが強いべっこう飴になってしまいました。

続けて②の実験開始。

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平たい鍋が使えなかったので止むを得ずフライパンで。
再結晶化のところまで持っていった場面の写真です。

再結晶化のタイミングはいきなりやってきます。
ぶわっと沸騰し上がったと思えば、表面が急激に固まり始め、徐々にガリガリになっていきます。
この間わずか1分もないくらいの反応でした。

やはり②の実験でも加熱時間が長いせいか①同様に色褪せが起こってしまいました。
結果として、茶色い砂糖が生まれてしまうことに。

そこでもう一方の発展実験を思いつきました。

③番目
透明な砂糖水を加熱蒸発させつつ、結晶化の手前でラベンダー色素を加え、色が褪せてしまう前に再結晶化まで持って行こう!

という内容です!
これで深い紫色の砂糖ができるかな〜〜〜と楽しみに実験開始!

まぁ順序は②と同じく、再結晶化の一歩手前となったところで、水出ししたラベンダーエキスを加える。

ですがこれも問題を孕んでいました…

ということなんですよね(笑)
水分率が元に戻るだけで、加熱時間が間延びする結果に。
加えて、再結晶化手前の砂糖溶液の温度は100℃より高く熱い。
なのでアツアツ鍋に紫色のエキスを加えた途端、グレーに変色してしまいました…

結果、できたラベンダー砂糖。

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①の平鍋で乾燥を目指していた溶液はべっこう飴になってしまったということで、ロストです!

で②以降の成果物を一覧としました。

②はだいぶ茶色い砂糖の塊になってしまいましたね〜。
エキスを長時間煮詰めすぎると、ただのお茶のようになってしまうんでしょうかね?
とりあえずラベンダーの色素は熱に弱っぽそう…!


応用実験のでは、コゲに警戒しつつギリギリで再結晶化まで持って行ったので、コゲ付き色は最小限のはずです。加熱時間も。
でグレーだった溶液からは微妙なくらい薄紫色の砂糖が出来上がりました。

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特にポプリxグラニュー粉砕だけのラベンダーシュガーと応用実験での成果物の色味比較です。
応用実験のものは青っぽさがなくなってしまっていますね…。

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②の成果物を再び水に戻してみた様子です。
グレーだった色味そのものがどこかへいってしまっています。
もはやお茶のような色味しか出てきませんね…

【結果】
●どーやらラベンダー色素は加熱に弱いんじゃないかという特性が今回の実験でみられた気がします。
ラベンダーシュガーは色素を溶媒に溶かしてこそいないものの、温度変化を伴わない方法で生成されているので、色がしっかり出るのも一理あります。

そして、砂糖水を使おうが使うまいが、色素は退色するという結果に!

【反省】
次なる目標として、1.固形物としての色素保存2.溶媒に抽出した色素の変退色を防ぐ という目標を掲げて検証を考えたいと思います。

しっかし、上記の結果を踏まえてもラベンダーシロップは不思議でたまりませんね〜。
色素保存が成功しているのは、どういうワケなんだろう。


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P.S.
ラベンダー糖液を煮詰め再結晶までの運び30分ほど放置していたラベンダーシュガー液。やはり色が変化していませんでした…。
どちらかというと青っぽさを醸しています。

謎は続く…END

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。