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【蒸留日記vol.16】カラマツ木材から精油を抽出してみる!

カラマツ木材(折れた枝)からの、精油抽出編!

えー、前回記事は蒸留→精油抽出まで至っていませんが、蒸留素材の調達回ということで今回その完全続編です!

本州で生産が盛んなスギ精油ヒノキ精油(木屑から抽出されてるらしい)のように、いよいよカラマツ(Larix kaempferi)でも試してみます!


とはいえ、超ざっくりと概要を説明してみると、、、
ここ最近精油の新たな領域開発を目論んで、水蒸気蒸留に使う植物素材を部位ごとに分けて試しているんです。

おおざっぱに針葉樹をどれだけ抽出部位ごと分けてるか?というと
1.葉っぱ
2.松ぼっくり
3.木材、削り粉

という分別ができます。
さらに季節別という要素も付け加えるとx4種類のパターンに膨れ上がります。

一つの針葉樹からも、3部位x4シーズン別となると最大12バリエーションが生み出せてしまう奥深さが精油産業にはあるんですね。すごすごる。

エフゲニーマエダの主張3/13

えーちなみにカラマツ蒸留も1度実施していて、前回はというと、、、

細い枝と若干の松ぼっくりを蒸留していました。
結果的に2mLほどのごくわずかな黄色い精油が得られたんですよ。


■カラマツ蒸留2度目の概要

えーーー、どういう運びでカラマツ木材を仕入れ、蒸留するに至ったかというと。。。

枝打ちされていないので下枝がかなり太め

近所の空き地に一本だけ野生のカラマツが生えています。
が、雪の重みでか地面に近い太い枝が折れていました!
このまま放置すると土に戻り、ネズミの餌にもなります。

蒸気を丸太に当てるだけでは内部成分が出ないので輪切りする

木材も中身に松ヤニ=精油成分を含んでいるだろう!と踏んで、
薄切り/輪切りにし、削りクズもしっかり回収します。
これら各素材から余さず精油を抜き出してこそSDGsです!

意外と重量がある

が、青いゴム手袋とノコギリの大きさから勘案して、
このゴツいカラマツ丸太を1,2センチの厚みに輪切りカットしていくのですが、完了したのは4、5時間後のことでした。。。

そして釜に輪切りカラマツと削りクズを充填するところから作業は再開します。。。

■いざ蒸留してみる!

蒸気がしっかり木材に当たって排出されるよう幾何学で積んでいく

前回記事で切り出したカラマツ輪切りを、いよいよ蒸留釜に詰めていきます。

木材は葉っぱよりも肉厚なのでなかなか精油成分が抜け出ないだろうと想定し、下から湧き上がる蒸気がしっかり木材に当たって冷却管へ入るよう材料を積んでいきます。

蒸気が逃げにくい積み方をすると良いんじゃないかなーという例です⤴︎⤴︎

木屑は蒸気が通りにくいので穴を開けて蒸気が通りやすくしておく

そして溢さず取っておいた木屑もしっかりザルに入れて蒸留釜へセット!

削り粉は真下の蒸気用貯水に入っちゃうと蒸留終了間際にコゲ付きの元となるので、一番上の蒸気吐き出し口付近にセットします。

この場所だと冷却管へ入る蒸気がしっかり触れてくれるので、木屑からも精油成分が抜け出てくれるだろう!という算段です。


あとは今回蒸留相手が肉厚な木材相手なので、普段の2時間よりさらに長尺をとって3時間としました!

3時間も蒸しあげれば、木材内部まで蒸気が通って精油成分が揮発するハズです!


■得られた精油は、、、!?

何かの結晶っぽいものが分液器に浮かぶ…

はじめの抽出ペース・出だしは好調だったんです。
しかしあまりにドロドロすぎん?とも、"違和感"は感じ取っていました。

精油が採れないことはなかったのですが、はじめ30分で溜まった量からさほど変化はなく。。。

3時間回してもさほど精油は抽出されず…仕事量ッ!!

アレレレレレレレ!!!?!?

3時間経つとこのような色に変化していました。

精油量は開始直後よりさして変わらず、カラマツの木材からは
精油はそれほどの歩留まりは得られないもよう。。。

3/13カラマツ蒸留レポート

そしてセパレータから漂う、明らかなコゲ臭のようなもの。

どうやらこの色付きは精油由来の色ではなく、明らかにヤニのコゲのような、木酢液的な物体のようでした。
しかしなぜこんな色に?と思うたのも、蒸留釜のフタを開けてみればわかると。

そしてまさか、、、その疑念は真実となり。。。


■やっちまった。予想だにしなかった大失敗。

釜底の蒸発水分を考えないとこのような失敗を招く

ご覧の通り、蒸気のもとである水が蒸発し切ってしまい、鍋底がコゲついてしまいました。。。

せっかく抽出できた精油にも見事にコゲ臭が移ってしまい、カラマツ精油サンプルが台無しに。。。

-木材を蒸留すると材料にも水分を吸われる!-

敗因は、前回書いていた「牛スジ煮込み感覚」で蒸留時間を設定(3時間)したからでしょう。

さらに木材が相手だったので、あらぬことか材料に水を吸われてしまい、出てきた芳香蒸留水の量と予測に狂いが生じていたのが敗因みたいです。

木材蒸留は初めての経験だったので、加水するなり警戒しておくべきでしたっ!


■材料再活用!&あとがき

蒸留後の湿った輪切りは窓際で乾かしておく

素材をムダにはしたくないなぁーというかそれが里山利用のモットーだよねという感覚で、蒸留後のカラマツ輪切りはまた再活路を目指したいと思います。

一応100℃で3時間蒸しあげたあとなので、ヤニを抜き出しててサラサラのベタつかないハズです。
なので1、2ヶ月ほど乾燥させたのち、販売してみようかと思います。

カラマツは年輪模様とかハッキリしていてキレイですしね。

今回蒸留に使ったカラマツ輪切り。
内装材とか、手工芸なんかに使いたいーってコメントいただければ、
先取り置きしておこうかと思います。

なければ2ヶ月後にメルカリ放出とかかな?

こういうのとか、、、

バーカウンターのデザイン

こんな利用法なんかいかがでしょう?

という活用法もどうかな〜とか思ってるおいらです。

今回木材精油のサンプルを得るのに失敗したので、また近いうち同じ方法で蒸留やると思います。
なので輪切りの枚数もまた増えると思うので、気になればコメントやTwitter等でお声がけくださいbb


ではでは!
結果として失敗しましたが、カラマツ木材からのエッセンシャルオイル抽出は、そんなに精油の歩留まりは高くなさそうだよ〜〜という実験報告回でした!

【前回】

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