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今日この頃のラベンダーたち〜 イギリス&フランス品種編!

ウチには50種を超えるラベンダー品種を栽培しているのですが、その品種たちが生まれた、作出された地域を国ごとにソートするとおもしろい特徴が見えてきたりするんですよ〜!

先に上がったのはウチにいる日本品種たちでしたが、お次ははるかアジアを飛び出してラベンダーの故郷たるヨーロッパ編です!


英国品種(English Lavender)

大英帝国の歴史とともに、全地球レベルでラベンダーを世界各国に広めたイギリス品種です。
性質としては香料生産目的というよりも見た目・鑑賞性など園芸目的に特化したラベンダー栽培品種が目立ちます。

ロイヤルパープル

2023年のガーデン内では最も花穂の成熟が早い(ように見える)

ロイヤルパープルは、名前からエリザベス女王の鮮やかなパープルドレスカラーを想像しますが、実際は薄色系のラベンダーのよう。(調査中)
日本品種の4号丘紫のように割と大型化し、花穂も長めの生育旺盛な品種です。

歴史としては、1944年にNorfolk Gardenにて作出されたようです。
噂によるとヤードリーロンドンが生産する英国発・世界初の香水「イングリッシュラベンダー」のラベンダー香原料として使用されているそうです。

ミスキャサリン

世界で最も有名なピンク花ラベンダーのミスキャサリン

ミスキャサリンは1992年に上記ロイヤルパープルと同じNorfolk Gardenにて作出された園芸品種ラベンダーです。
王立園芸協会(RHS)の植栽トライアルアワードにて2002年に入賞しています。
日本で手に入るピンク花ラベンダー品種の中でおそらく最も大型化するラベンダーです。
まだ花穂が未成熟なこの段階でも花穂の穂先がやや桃色に染まってきているのがわかりますね。

フォルゲイト

我がラベンダー研究園では見た目姿が日本品種の3号濃紫とソックリな英国品種ラベンダーで、歴史的には1933年に作出されたようです。
フォルゲイトは青さが際立つ品種として有名で、ドライにするとより青みが強く出るようです。
また、香りも各国で高く評価されるほど美しいとされます。

フォルゲイトは園芸品種をまとめるRHSの園芸植物図鑑にまとめられているコモンラベンダー品種ですが、海外ではこの品種を精油生産品種として大規模栽培している例がよく見受けられます。
(ロンドンのMayfield Lavender、シアトル近郊ウィドビー島Lavender firldなど)

我が園では過去4年間栽培する中で植えていた土壌の問題により本来のサイズに育てることができていませんでしたが、本来は75cmほどまで大型化する品種のようです。

マンステッド

英国品種の中では歴史深い園芸品種マンステッド

マンステッドはなんとラベンダーの香料生産を目的とした商業栽培が始まる前から英国にて1916年に作出されている園芸品種です。

特徴としては中柄・花穂が短いグループの中での薄色ラベンダーといった位置付けの品種でしょうか。
ロイヤルパープルと同じ薄色系ラベンダーなので花穂が白っぽいのが特徴でしょう。

スパイカナナ

英国品種の中では花穂がかなり長くなる品種。が、品種名に矮小を表すNanaがついている通り、株サイズ自体はロイヤルパープルなどのようにそこまで大型化しないようです。

穂が長いためか中咲き傾向をとるようです。
写真を見ての通り、比較的花穂が未熟なのがわかります。

ビーチウッドブルー

1920年に作出された英国品種ラベンダー「ビーチウッドブルー」

日本国内ではあまり名を聞かないマイナーな英国品種ですが、歴史は古く1920年に作出されているようです。

花穂の色付きが他の品種に比べて深いので、おそらくかなり早咲き傾向のある品種なんじゃないかとみています。

フランス品種

コモンラベンダーおよびラバンジンラベンダーなど、多くのラベンダー属植物の生まれ故郷であるフランスの品種です。
性質としては園芸目的というよりも精油の生産量や香り品質に特化したラベンダー栽培品種が目立ちます。
日本は北海道に存在する品種はフランスの高原由来であることが有名です。

トルーラベンダー

コモンラベンダーの原種に近いため典型品種とみなされているLavender ’True'

エフゲニーマエダのラベンダー研究園ではラヴァンデュラ属見本エリアの花壇に4株配置しています。
トルーの作出国籍は不明ですが、コモンラベンダー原産地とされるフランスにソートしています。

典型的なコモンラベンダーとされますが、ラベンダーパープルというよりは薄色系の花穂となる品種のようです。
花穂の成熟状況から早咲き系に分類されるようです。

マイエット

なぜか日本に存在しているMaillette

フランスのラベンダー精油生産の第一線で1970年代より活躍を続けるラベンダー・マイエット。
品種の属性が園芸品種ではないのですが、日本にも苗が存在していました。
ですが見た目がさほど美しくないためか、流通量が減って苗木の入手難度が年々増している感じがする品種です。

'Maillette'をそのまま直読みするとメイレットになるのですが、これは三流の呼び方。
識者はメイエットと読むのですがこれも二流。
フランス語に堪能な方に教わると、Toilette→トイレのようにtteは発音せず、llも発音しないため、正しくのフランス語発音は「マイエ」になるようです。
フランス語って不思議ですね。C'est si bon!!

ラバンダン・グロブリュ

我がラベンダー研究園では最も最後に開花し9月までシーズンが持続する

流通名はラバンジン・グロスブルーなのですが、品種名の綴りがフランス語のBleu(ブリュ)となっています。
なの通り、我がラベンダー研究園にあるラバンジン品種のなかで正真正銘最も花穂の色が濃い品種です。

これまたフランス語ではラバンジン-Lavandinをラバンダンと発音するようで、ブリュ-Bleuと合わせるとラバンダン・グロブリュとなります。

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。