見出し画像

今日この頃のラベンダーたち〜 日本品種編!

6月もいよいよ後半に差し掛かり、北海道のラベンダーたちは開花が早い品種ではもうすでに色づきが始まりました!
7月を迎えたところで本格的な開花シーズンが始まります。

まだまだシーズンとしては若いラベンダーたちですが、それぞれ品種の特徴・個性が現れはじめたのでこの頃のラベンダー研究園!としてようすを上げていこうと思いますー!

早い時期のラベンダーも品種を見比べるとしっかり違いあっておもしろいですよ!ではどぞッ!

日本品種(Japanese Lavender)

日本には産業レベルでのラベンダー栽培の歴史が1940〜1970年代まであり、その期間に作出されたラベンダー品種はみなフランスのプロバンス高原地域より5キログラムの種子として日本へやってきた歴史があります。

今日の富良野など北海道各地でみられるラベンダーのほとんどは、半世紀前にフランスからやってきたことが明らかなラベンダー品種たちなのです〜!
今もフランスの高原地域に、北海道ラベンダー品種の兄弟たちが育っていると思うと、ロマンが広がりますよね…!

1号ようてい

今年定植した1号ようてい

1号ようていは早咲きグループに分類される、北海道を代表するラベンダーです。ようていの名前の由来はニセコエリアのシンボル「羊蹄山」から。
4種ある北海道伝統品種のなかで、1号ようていが最も精油生産量が高いというデータが存在しています。
1号ようていのアロマは尖った特徴が特になく、最もバランスのとれた澄んだ香りといえる品種です。

この品種が作出されたのは1964年ですが、皮肉にもこの名前の由来となっているニセコエリアでは1964年にラベンダーの精油生産は幕を下ろしていたようです。
エフゲニーマエダがこの品種の遷都を画策しています。

2号はなもいわ

薄色品種なので花穂が白っぽい

2号はなもいわは中咲きグループに分類される、北海道を代表するラベンダーです。はなもいわの名前の由来は曽田香料札幌農場のあった南区の山「藻岩山」から。
4種ある北海道伝統品種のなかで、2号はなもいわが最も薄色の花穂をしており、開花すると最も鮮やかなパープルの花びらを咲かせます。

2号はなもいわのアロマは最もラベンダーらしく美しく上品で癒される香りといえる品種です。(エフゲニーマエダ最推し!)

3号濃紫

花穂の色が濃く、北海道で最も多く栽培される品種

3号濃紫は早咲きグループに分類される、北海道を代表するラベンダーです。
3号濃紫ラベンダーは4種ある北海道品種のなかで、最も開花が早い品種です。

歴史的には、3号濃紫は1960年代の精油生産のための優良品種選抜において選抜最終段階(10品種)まで残りましたが最終的には落選、品種名が付きませんでした。
しかし花の色が濃く美しいことから園芸品種としての価値が見出され、今日あらゆる地域で栽培される品種となっています。
3号濃紫は歴史的にはかなり後につけられた品種名のようです。

開花前から花穂の色が濃く出るので園芸品種としての気が強く、北海道の寒さにもしっかり耐えるので北海道で最も出回り、最も多く植えられるラベンダー品種です。

3号濃紫のアロマは甘み成分がかなり強く、香りの伸び・後半は特に焼き菓子のような濃厚な甘さが特徴で、洋菓子や焼き菓子などのエッセンスとしてオススメしている品種です。
富良野のファーム富田さんではオカムラサキのほかにこの3号濃紫のオイルも常時生産しています。

ナナ・ナリサワ

ナナ・ナリサワは、1990年代に3号濃紫の苗木生産をしていた成沢農園さんで花穂の長い変異品種が現れ、その枝をナナ・ナリサワとして作出した品種とされています。
花穂は3号濃紫より長いながらも、株サイズは4号丘紫のように大型化はしなかったので、矮小を表す'Nana'を付けたそうです。

4号丘紫

ファーム富田ではこの品種が主に栽培され見ることができる

富良野の一大ラベンダースポットであるファーム富田さんで精力的に栽培される、北海道・富良野を代表する品種4号オカムラサキ。
半世紀前のラベンダー精油生産史では、最も後に優良品種選抜された品種なので4号丘紫の名前が当てられています。
同年同期の品種に2号はなもいわがいます。

香りの性質は香りの後半に紅茶のようなアロマが伸びるのが特徴です。(エフゲニーマエダ官能)
フランスのラベンダーオイルコンペティション(品評会)において1991年に優勝を果たしている品種のようです。

丘紫ホワイト

ラベンダー属植物は色素の濃さで紫色、薄色、白色3タイプの花色の品種が生まれますが、4号丘紫が半世紀以上栽培される中でしっかり白色品種(アルビノ)が生まれたようです。

基本的には遺伝子のコピーエラーなどによって花色の変異種が生まれます。
白色変異品種は元となった紫花品種と比べて精油成分(香り)も大きく変化するのか?の解明されていない研究余地があったりします。
そのあたりの研究は、ウクライナとポーランドが最も研究が進んでいるようです。

バイオレットメモリー

このバイオレットメモリーは一説では、半世紀前に札幌南区で曽田香料が品種選抜を行なっていた試験品種群の中で、香気品質の選抜から落ちたものの特に濃い花をつける品種として目立ったので農場外で保存栽培され、南沢農場が閉鎖されるとともに小樽の高橋農園さんに引き取られたものだそうです。

あるいは、4号丘紫の濃色変異枝を切り分けて別品種として見出されたものがこのバイオレットメモリーとも。なので花穂が4号丘紫に似るようです。

小樽・高橋ホワイト

上記のバイオレットメモリーとともに”小樽ラベンダー”として名高いラベンダーのホワイト品種です。
明確な品種名がわからない(恐らくHidcote White?)ので、仮称で小樽高橋ホワイトと名付けています。

エフゲニーマエダがラベンダー栽培を始めた初年度から生育しているこのホワイトラベンダー4株ですが、矮小品種のためかこの株サイズから大きくならないようです。
園芸品種として都合がいいようでよく売れているようです。

ロングパープル

定植から4年目のロングパープル

山梨県の日野春ハーブガーデンさんで作出された、花穂が長く中・大型品種のコモンラベンダー。
他にはパープルマウンテンなど日野春オリジナル品種が存在していますが、当園では栽培していません。


では引き続き、英国品種編に続きます…!!

ラベンダー品種情報の発信SNS、オープン!

若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。