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雑談

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2022年2月の記事一覧

前庭リハビリテーションの介入戦略

前庭リハビリテーションの介入戦略

①適応

頭部の動きなどの刺激に対し、小脳をはじめとする中枢と末梢前庭機能の神経反応変化や可塑性を促進して、視線安定性、バランス、めまいの改善を目的とする。

例 Gaze stability exercises

②慣れ

めまい症状を誘発する特定の動作や視覚刺激の繰り返しの曝露により、引き起こされるめまい症状やふらつきを軽減することを目的とそる。

例 Habituation exercise

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眩暈に対する評価と基本的戦略

眩暈に対する評価と基本的戦略


評価①DHI
めまいやふらつきによる日常生活活動の障害の程度を評価する事ができる自己記入式の評価

②DGI
歩行中における課題に対してのバランス修正能力を評価

③FGA
歩行中における課題に対してのバランス修正能力を評価

前庭リハビリテーション運動主体のリハビリテーションが主流

①視線安定性の促進を目的とするgaze stability exercise

前庭眼反射の適応と代償を目的と

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臨床推論~先輩PTからの教え~⑩おわりに

臨床推論~先輩PTからの教え~⑩おわりに

最後に実際の経験を交えお話します。

僕の担当患者さんにTさん、70代女性の方がいました。

右視床出血で麻痺は上下肢とも重度。感覚は重度鈍麻しており、半側空間無視やプッシャー現象が強くみられていました。

本人、家族ともに杖歩行以上での自宅退院を希望されていました。

介入当初は端座位保持をするのがやっと。歩行は長下肢装具を使用しなんとか、、というレベルでした。

基本動作も当然重度介助。

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臨床推論〜先輩PTの教え〜⑨良くなったら患者のおかげ

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑨良くなったら患者のおかげ

結果としてPDCAサイクルをかなり速いスピードで繰り返してることになる。

理論上学習を常に繰り返しているため、問題分析、プログラムに問題がなければ確実にゴールは近づいていく。

しかし、それでも良くならない患者はいる。学習機能や認知機能の問題、拒否や精神的問題以外にも問題は無数にある。

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑧ADLを上げよう

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑧ADLを上げよう

退院の最終判断は医師が決める。

どれだけリハ中に良くなっていても、ADLが変わっていなかったり、医師に情報伝達していないと退院させることができない。

よってリハビリの効果をADL動作まで波及させることが重要となる。

ADLの自立判断は看護師が決める。自立度を変更するためには、実際に動作を見せたり、説明する等のプレゼン力が求められるのである。

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑦治療の実施

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑦治療の実施

治療中の評価が重要となる。

治療前と後で変化が見つけられることである。

治療中に動作は変容するため、その小さな変化に気付けるかどうかの観察力が求められる。

この監察が出来れば、治療中にプログラムの正誤を判断することができる。

ポイントとしては、慣れないうちは治療中に対象とする問題点は一つの方が良い。

対象の問題点を増やし過ぎると治療によってどの問題が良くなったのか、どの治療が効果的だった

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臨床推論〜先輩PTの教え〜⑥治療プログラムの立案

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑥治療プログラムの立案

問題となる動作を、介入中にできるようにしなければならない。

そのため問題となる動作を簡略化、細分化、環境設定、補助具使用、介助量調整していき、出来る状態を作っていく。

この手段が多いほど、治療のバリエーションが多いということになる。

どういった治療、運動方法を選ぶかは個々の自由である。

注意点として、運動の難易度は人によって異なる。

例えば歩行に比べ立ち上がりの方が簡単とは限らない。

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臨床推論〜先輩PTの教え〜⑤治療に入る前に

臨床推論〜先輩PTの教え〜⑤治療に入る前に

治療の前提として運動学習推論に基づく。

学習は行った動作しか学習されない。

患者は自己での誤差学習が困難であるため、PTが介入して、できない動作をできるように修正(介助)する必要がある。

これが教師あり学習である。

学習の成立には報酬が必要。

そのため、治療時に褒めることや達成感を持たせることを忘れてはいけない。

臨床推論〜先輩PTの教え〜④問題点の抽出

臨床推論〜先輩PTの教え〜④問題点の抽出

それは本当に必要か??

動作分析時の介助から、不足している機能を推察する。

ここで問題点の抽出は自由。

ただし、問題点抽出の前にもう一度ゴールを確認する。

本当にその動作が必要か、家族の協力や環境設定で解決可能か再確認する。

これを行わないと本人、家族の求めていないものをPTが目指すこととなり、いわゆる自己満PTになってしまうのである。

臨床推論~先輩PTからの教え~③動作分析

臨床推論~先輩PTからの教え~③動作分析

結局、できるかできないか

ゴールは動作である事が多いため、動作分析から開始していく。リスクを考えると背臥位から順に確認し、どこまでできるかを見ていく。

どの運動で問題が生じるのかを確認する。ここではふらついて危ない等の曖昧な観察ではなく、転倒する直前まで遂行可能かを確認する必要がある。

大切なのは、正常動作と比べないこと。

正常と比べると異常ばかりになってしまう。

分析したいのは異常点で

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臨床推論~先輩PTからの教え~②評価

臨床推論~先輩PTからの教え~②評価

足りているものを見つけるゴールの達成のために足りているもの、足りていないものを見つける。

足りないものとは正常から逸脱した異常点ではなく、その人なりの動きでもできない部分のこと。

足りているものとはICFで言う肯定因子。ただし、社会的因子だけでなく身体機能での肯定的因子まで把握する必要がある。

僕たちはこの肯定的因子を見つけるのが苦手だそう。。

常に問題点を見つけ出そうとしてしまうみたい、

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臨床推論~先輩PTからの教え~①問診

臨床推論~先輩PTからの教え~①問診

院内の勉強会にて回復期リハビリの一例を通して、どのようにリハビリを進めていくかを教えて頂いたのでアウトプットしていきます。

まずは問診。

問診から本人・家族HOPE(ゴール)を聴取することから始まる。

HOPEは高い目標となることが多いため、最終的には実現可能なNEEDがゴールとなることが多い。

ゴールは身体状況や家族協力などで常に変化しうる。

悩んだ時などは定期的にゴールを確認する必要

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