2022年2月の記事一覧
臨床推論~先輩PTからの教え~⑩おわりに
最後に実際の経験を交えお話します。
僕の担当患者さんにTさん、70代女性の方がいました。
右視床出血で麻痺は上下肢とも重度。感覚は重度鈍麻しており、半側空間無視やプッシャー現象が強くみられていました。
本人、家族ともに杖歩行以上での自宅退院を希望されていました。
介入当初は端座位保持をするのがやっと。歩行は長下肢装具を使用しなんとか、、というレベルでした。
基本動作も当然重度介助。
や
臨床推論〜先輩PTの教え〜⑨良くなったら患者のおかげ
結果としてPDCAサイクルをかなり速いスピードで繰り返してることになる。
理論上学習を常に繰り返しているため、問題分析、プログラムに問題がなければ確実にゴールは近づいていく。
しかし、それでも良くならない患者はいる。学習機能や認知機能の問題、拒否や精神的問題以外にも問題は無数にある。
臨床推論〜先輩PTの教え〜⑧ADLを上げよう
退院の最終判断は医師が決める。
どれだけリハ中に良くなっていても、ADLが変わっていなかったり、医師に情報伝達していないと退院させることができない。
よってリハビリの効果をADL動作まで波及させることが重要となる。
ADLの自立判断は看護師が決める。自立度を変更するためには、実際に動作を見せたり、説明する等のプレゼン力が求められるのである。
臨床推論〜先輩PTの教え〜⑥治療プログラムの立案
問題となる動作を、介入中にできるようにしなければならない。
そのため問題となる動作を簡略化、細分化、環境設定、補助具使用、介助量調整していき、出来る状態を作っていく。
この手段が多いほど、治療のバリエーションが多いということになる。
どういった治療、運動方法を選ぶかは個々の自由である。
注意点として、運動の難易度は人によって異なる。
例えば歩行に比べ立ち上がりの方が簡単とは限らない。
臨床推論〜先輩PTの教え〜⑤治療に入る前に
治療の前提として運動学習推論に基づく。
学習は行った動作しか学習されない。
患者は自己での誤差学習が困難であるため、PTが介入して、できない動作をできるように修正(介助)する必要がある。
これが教師あり学習である。
学習の成立には報酬が必要。
そのため、治療時に褒めることや達成感を持たせることを忘れてはいけない。
臨床推論〜先輩PTの教え〜④問題点の抽出
それは本当に必要か??
動作分析時の介助から、不足している機能を推察する。
ここで問題点の抽出は自由。
ただし、問題点抽出の前にもう一度ゴールを確認する。
本当にその動作が必要か、家族の協力や環境設定で解決可能か再確認する。
これを行わないと本人、家族の求めていないものをPTが目指すこととなり、いわゆる自己満PTになってしまうのである。
臨床推論~先輩PTからの教え~③動作分析
結局、できるかできないか
ゴールは動作である事が多いため、動作分析から開始していく。リスクを考えると背臥位から順に確認し、どこまでできるかを見ていく。
どの運動で問題が生じるのかを確認する。ここではふらついて危ない等の曖昧な観察ではなく、転倒する直前まで遂行可能かを確認する必要がある。
大切なのは、正常動作と比べないこと。
正常と比べると異常ばかりになってしまう。
分析したいのは異常点で
臨床推論~先輩PTからの教え~②評価
足りているものを見つけるゴールの達成のために足りているもの、足りていないものを見つける。
足りないものとは正常から逸脱した異常点ではなく、その人なりの動きでもできない部分のこと。
足りているものとはICFで言う肯定因子。ただし、社会的因子だけでなく身体機能での肯定的因子まで把握する必要がある。
僕たちはこの肯定的因子を見つけるのが苦手だそう。。
常に問題点を見つけ出そうとしてしまうみたい、
臨床推論~先輩PTからの教え~①問診
院内の勉強会にて回復期リハビリの一例を通して、どのようにリハビリを進めていくかを教えて頂いたのでアウトプットしていきます。
まずは問診。
問診から本人・家族HOPE(ゴール)を聴取することから始まる。
HOPEは高い目標となることが多いため、最終的には実現可能なNEEDがゴールとなることが多い。
ゴールは身体状況や家族協力などで常に変化しうる。
悩んだ時などは定期的にゴールを確認する必要