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業種別のEBITDAマージンをまとめてみた。

EBITDA(イービット・ディーエー)という会計指標があります。

これは、企業が本業から生み出すキャッシュフローを簡易的に表した指標です。キャッシュベースに指標なのでコーポレートファイナンスと相性が良く、M&Aを積極的に行う企業の評価に使用されるケースも増えています。

今回はこのEBITDAを売上高で割ったEBITDAマージンを業種別にまとめました。

そもそもEBITDAマージンとは?

EBITDAは「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略称です。あえて日本語に訳すとすれば「金利、税金、償却前利益」となります。

EBITDAの簡易的な計算式は「営業利益+減価償却費」です。キャッシュアウトを伴わない減価償却費を足し戻すことにより、キャッシュベースでの儲けを算出することが可能になります。

このEBITDAを売上高で割ると「EBITDAマージン」という会計指標になります。企業がキャッシュベースでどのくらい儲かっているか、を示します。

業種別のEBITDAマージン(2020年度)

業種別のEBITDAマージン(2020年度)17業種

上記は、東証上場企業(東証一部・二部・JASDAQ)の業種別EBITDAマージンをグラフ化したものです。業種の分類は東証の17業種区分に従っています。

損益計算書の営業利益とキャッシュフロー計算書に記載されている減価償却費をそれぞれ売上高で割った比率をもとに算出しています。

EBITDAマージンのトップ3は、医薬品銀行情報通信・サービスその他が占めています。全体の平均値は11.7%ですから、これら3業種のEBITDAマージンは出色の高さになっています。

次にこれらを33業種に細分化してみます。

情報・通信業のキャッシュ創出力の高さ

業種別のEBITDAマージン(2020年度)33業種

東証33業種の分類に従ってEBITDAマージンを見ると、情報・通信業がトップになりました。キャッシュを生み出す力が最も高い業種です。この業種にはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信3大キャリア等が含まれています。

一方で、情報・通信業は売上高に対する減価償却費率が12.1%と非常に高い水準にあることが分かります。これは、例えば通信事業に多額の設備投資が必要であることを示唆しています。

キャッシュ創出力は非常に高いものの、多額の初期投資が必要になるわけです。2020年に携帯事業を開始した楽天も、基地局整備を中心に10年間で5000億円の設備投資を計画しており、黒字化は早くて2023年と言われています。

今回は以上です。

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