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【私の職務経歴書~ABCash Technologies時代~】(2022年3月~2024年4月)

日本最大級のゲームメディアを運営する株式会社GameWithを1月末に退職することにした私は、2月からの新しい職場捜しを始めました。

そして転職活動初日となる2月2日、まずは渋谷の懇意の会社や取引先への挨拶などをすることにしました。

午前中に1社訪問し、お昼からGameWith社のIPOに共に取り組んだ東 陽亮さんと合流しました。

東さんは、IPOや内部統制のコンサルティング業で独立しており、2022年には既に複数の取引先がありました。
ABCash社はそんな会社の一つで、東さんはその非常勤監査役も務めていました。



ABCash社との出会い

私がABCash社と出会ったのは2021年まで遡ります。
当時 ABCash社のオフィスは渋谷のWeWorkに入っており、私は東さんに誘われてオフィスに遊びに行かせてもらったのが最初の出会いでした。

【株式会社ABCash Technologies】
代表者:代表取締役社長 辻侑吾
本社:東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号

ABCash社は、専属のパーソナルコンサルタントが金融知識・ノウハウ提供、資産管理・運用サポートを行うお金のトレーニングサービスを提供しています。

私がABCash社を紹介された2021年は、いま以上に日本ではまだ金融教育が一般的ではなく、ずいぶんと社会性・公共性の高い事業を行っている会社だと思ったのが第一印象です。

事前情報としても「ローラさんがアンバサダーをやっている会社(当時)」と、「東さんが監査役をやっている会社」程度でした。

当日は、共同創業者である児玉 隆洋さん(当時 代表取締役社長)と辻 侑吾さん(現 代表取締役社長)が迎えてくれました。

お二人から会社概要や事業内容をお聞きし、課題感などをお聞きしながら他愛もない話をし、ランチをご一緒しました。

その後、辻さんとは半年に一度程度、管理部門の運営等に関するお話をする程度で1年が経過しました。

そして初対面から約1年が経過した2022年2月2日に再びABCash社を訪問した際には、事業も拡充しており、オフィスもシェアオフィスから渋谷のランドマークのひとつであるマークシティに移転していました。

駅直結の便利な立地というだけでなく、金融教育を提供する会社らしくとてもとてもきれいなオフィスでした。

ただ、その日は少し違和感がありました。
それは児玉さんと辻さんの服装でした。

「今日はどうしたんですか?」
いつもラフな格好で、社員の皆さんも緩めのビジネスカジュアルな会社なはずが、この日は全員がスーツを着用していました。

「今日は創立記念日なんですよ。」
「そうなんですね、おめでとうございます。私も転職活動をちょうど始めたところなんですよ!」

きっかけはこんな感じですが、これも"ご縁"だと思いました。
もちろんその後いくつかの会社もまわり、いろいろなオファーを頂きました。
主にIPOを目指す会社が多かったですが、中には上場している会社のIR責任者やCFO案件もありました。

頂いたオファーは魅力的なものが多かったですが、最終的にABCash社を選んだのは、辻さんが熱心に誘ってくれたからでした。

実は入社後も、児玉さんと2人だけでゆっくりと話をしたことはあまりありません。
これは児玉さんは社長として渉外を担当し、辻さんは社内や事業全般を担当していたからです。
2人はサイバーエージェント社の同期ということもあり非常に息が合ったコンビで、会社が急成長していたのには役割分担がされていたからだと思います。

私は転職先候補をいくつか絞ったのち、実際にオフィスにお邪魔し業務のお手伝いをさせてもらいました。
これは、私は投資業務も担当していますが、実行する際には必ず投資先を訪問し、代表者たちだけでなく、実際に働いている方たちがいきいきと働いているかなどを拝見してから意思決定をするためです。
その観点からもABCash社は今後も大きく成長する確信がありました。

以上のことから、2ヶ月ほどの転職活動期間を経て、5社目の会社として「株式会社ABCash Technologies」にお世話になることにしました。


入社後のギャップ

ABCash社に入社後の私の主な業務は以下のものです。

(主な業務)
管理部門の再構築からIPOのロードマップを策定し、その取りまとめ役を担う。
・主幹事選定並びに対応
・監査法人対応
・上場準備資料作成
・資本政策の立案、株式移動の取りまとめ
・利益計画、要員計画の立案及び取りまとめ
・投資計画の立案(資金使途との調整含む)
・証券会社対応
・外部株主(大株主・ベンチャーキャピタル)対応
・証券印刷選定並びに対応
・証券代行(信託銀行)選定並びに対応
・新株予約権発行業務取りまとめ
・株主総会運営
・取締役会運営
・監査役会運営補助
・規程制定及び整備
・法務関連業務
・弁護士事務所選定並びに対応
・司法書士事務所選定並びに対応
・特許事務所選定並びに対応
・内部監査
・管理部門(当時 経営管理部、財務経理部)の再構築
・内部統制補助
・月次決算補助

私が入社した時点で、ABCash社は従業員数65名でした。
監査法人は既に決まっており、主幹事契約も完了。あとはIPOに向けて動くだけだと思ったらいくつかの誤算がありました。


誤算(1)管理部門の再構築

まず一つは管理部門の体制です。

管理部は既にあり、部長以下、財務経理チーム 2名、総務法務チーム 3名(法務担当は私と同時期に入社)と規模に比してそれなりの人数を割いていました。

ところがIPO経験者はおらず、業務の品質が悪く期日を守らない、そして誰も怒らないと、良く解釈すると和気あいあい、悪く解釈するとなれ合いな印象がありました。

管理部門の構築には時間がかかります。
ただ、一気に進めなければとても短期間に上場準備会社の管理部門にはなりません。

そこで全員とお話をさせて頂き、現在は当時いらっしゃった方は全員退職または異動して頂き、現在はIPO経験はないですが優秀な経理スキルを持つ管理部長と経理担当2名、労務担当1名、2023年12月からは庶務担当が1名異動し、計4名という体制に作り直しました。

また、私も経営企画室長として実務を担当しますが、広報や法務を担当するメンバーを1名採用し、現在は予算実績管理などを教えています。

ABCash社は、2024年1月時点で従業員数は100名をこえていますが、管理部門については人数が減っています。

私が入社した2022年12月期(ABCash社は12月決算)に比べて売上高も大幅に伸び、業務量は格段に増えています。

これに対応すべく、システム化を進めることで業務効率を改善、勤勉で学習意欲が高いメンバーを採用し、月次の人事面談等を通じて目的意識を持って働いてもらえるように改革をしました。

スタートアップの管理部門は、制度が整っていないこともあり様々な問題が発生します。

これらの問題を早急に把握し、対応するためには意識を高く持つしかありません。

その観点から見るとABCash社の管理部門は短期間で良い体制になったと思っています。


誤算(2)社内体制

IPOに向けての2つ目の誤算は社内体制です。
試行錯誤を繰り返すスタートアップにおいて、必ず発生する組織課題が2つあります。
一つは「頻繁な組織変更」、もう一つは「若手管理職の育成」です。

組織課題①「頻繁な組織変更」
「頻繁な組織変更」については、組織の成長に伴う組織変更に社内の意識がついていかないことです。

スタートアップでは、理想の組織体制を経営陣で模索しながら変更しますが、会社の成長とともにその姿は目まぐるしく変わります。

ただし、これは経営陣の目線であって、従業員の目線ではありません。

"組織をガチャガチャ変わる"、"せっかく慣れた業務やメンバーなのにまた変更される"といった不満がでるのは、私も一般社員だった時代があったのでわかりますし、急激な変更を行う会社に不満を持ったことがあります。

この解決方法は2つあると思っています。

一つ目の解決方法は、「組織変更により成果を感じてもらえること」だと思います。

組織課題に限らず、多くの問題は良い結果が出れば概ね解決します。

二つ目の解決方法は、「組織変更の意図を正しく伝えること」だと思います。

懇切丁寧に説明をしても、経営陣と一般社員の間には距離感があり、同じ視点で考えることはできません。

これはそれぞれが持っている情報の違いによるものです。
30名程度の組織であれば"経営陣と一般社員の間には距離感"はそれほど感じないのですが、「100名の壁」と言われる従業員数100名を超えて会社が組織的な動きを求められ始めるときには摩擦も起こりやすくなります。

一般社員にとっては僅かな変更もストレスに感じます。

経営陣はそれを知っているので変更を指示する際に適切な"説明"をすることで、そのストレスや不満は解決しませんが和らげることはできると思います。

組織課題②「若手管理職の育成」
「若手管理職の育成」については、会社が組織的に動く際の最も重要な要因だと思っています。

多くのスタートアップが、経営陣もメンバーも優秀なのに成長が鈍化するのはその間を繋ぐ"管理職の不在"によることが多い気がします。

経営陣が発する経営の意思決定は、さまざまな手段で発信していると思います。

しかし、メンバーにはほとんど伝わっていないと思ったほうが良いです。
これは情報格差や接触頻度、担当する業務など様々な要因があると思います。
会社の規模が大きくなれば、こうした差は更に大きくなります。
そこで重要になってくるのが「若手管理職の育成」です。

トップダウンの指示の出し方は、即効性もあり有効なことが多いです。
しかし、時間が経つにつれその真意は失われていきます。

"迅速な意思決定"と"朝令暮改"は紙一重であり、受け手の意識次第です。
その受け手であるメンバーへ理解を促し、経営陣の替わりの"身近な経営メンバー"として対話をし続けてくれるのが若手管理職になります。

これはメンバーから経営陣への伝達においても同様です。

どんなに風通しがよい会社でも、会社が大きくなるとメンバーは経営陣に本心を話しません。

その要因の言及はしませんが、経営者の皆さんは社員の皆さんが全てにおいて本音で話してくれていると思わないほうが良いです。(私も可能な限り話しやすい雰囲気を作り、耳を傾けているつもりですが・・)

そんな私たちに貴重なメンバーの意見をインプットしてくれるのが管理職の皆さんです。

どんな要望があるのか、どんな不満やトラブルが発生しているのか、報告するまでもないと思われていたインシデントの中に重要な事項がないか・・。私は内部監査を担当することも多いので、こうした事項を把握する必要がありました。

ここには経営課題や業務改善のネタがたくさんあります。
こうした情報を臆さず教えてくれる層がどれだけ厚いかは、その組織の強さにも直結すると思います。


ABCashは、私が入社してからは児玉さん、辻さん、私のトップダウンで業績を伸ばしました。
組織体制も急速に固めることができたのも児玉さんと辻さんが私に管理部門の全権を任せてくれたからだと思います。

そして2023年8月、社長交代があり、ABCashは大きな転機を迎えました。
新社長となった辻さんは、それまでのトップダウンを改め、部長職以上で構成される執行部の合議制に体制を変更しました。
また、これに伴い組織規模に応じて課題となっていた若手管理職を抜擢し、社内はより明るく、より大きく飛躍しようとしています。
まだ変革は道半ばですが、2024年は更なる飛躍をしてくれることを信じています!

(関連リンク)
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