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婚約破棄して旅に出たら金も帰る家もなくなったけどそれこそが旅でしたみたいなお話。








結婚2週間前、僕は彼女と別れた。








どうもこんにちは!!(急に)




櫻谷恒太(さくらやこうた)といいます。

主夫になるのが夢、ということで、主夫×さくらや=「シュフラヤTV」としてヌルッとジメッと活動しています。



僕は大学卒業まで生まれも育ちもメイドイン青森。
大学時代はリア充グループに馴染めず、学生食堂の最隅でPCを開き、当時大ブームだったアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』を貪り見る陰キャクソメガネでした。

嫁たちを尊ぶキラキラデイズ()


大卒、就職を経て、初めてリアルの彼女ができたのは28歳の冬。

俺史上待ちに待ったガールフレンドは、歳上の女性でした。

遠距離恋愛だったけど、交際がスタートして間もなく、月の半分を向こうの家で暮らす半同棲生活へと発展。
平日は公務員をしながら、絵描き、ブロガー、ラジオパーソナリティ、イベント主催など多才ぶりを発揮する、魅力にあふれた方でした。

※イメージです


二人で出かける時も1から10まで計画してくれました。
一日目はここ、二日目はここ、
ランチはここにして、泊まる旅館はここで…

僕は何も考えず、全てを彼女にお任せすればいいと思っていました。

でも。

トイレの電気をつけっぱなしにしないでほしい、
ケンカになったら声を荒げず話してほしい、
あなたが好きだからこそ、たまには一人の時間が欲しい…
楽しかった日々の裏で「怒られたくないから」と目を逸らしてきた我慢たちは、入籍2週間前という最高に空気の読めないタイミングで爆発。
そのまま別れました。いわゆる婚約破棄です。

もとより、交際前後10年に及ぶサラリーマン時代の多くは、会社⇔アパート⇔最寄りの飲食チェーン店 の決まりきった往復。
こんな人生何が面白いんだろう…
せっかくの交際中も、彼女と一緒にいない間はこんな憂鬱に逆戻りしていましたし。
こうして貯金&将来の夢無し・地方の30代独身男は、再び恋活婚活市場の売れ残りとなり、

やり場のない叫びと共に、荒れ野に放り出されたわけです。

かつての友人たちはみんな結婚し、守るべき家庭を持ちました。
僕もそうなるはずだったのに。
誰もこんな不良在庫品に構っている暇はない。
もう誰も僕の相手をしてくれない。

あ。俺、独りなんだ。


味わったことのない危機感でした。

でも、諦められない。
幸せになることを諦められない。
こんな人間はどうすればいいの…?



…た

旅。すっか。


お、おう………。

とはいえ、旅って一体何をすればいいのか1ミリも分かりませんでした。
旅程なんてすべて元彼女に丸投げだったから。
でも、何をすればいいのかは分からなくても、何かを「求めて」いました。
衝動のままに、青森から車で飛び出し、

知多半島の南端にあるゲストハウス、ほどほどにたどり着きました。

ここに吸い寄せられたのは、以前、このパンフレットを見てしまったから。

この筆文字の感じ。。直感しました。

あ。ここ絶対おもろい。

ゲストハウス好きな人ならお馴染みの、お客さんもスタッフさんも一緒に作り、一緒に食べ、一緒に語り合う「シェアご飯」を初めて体験。


いいですよ!俺が撮りますから!
と、記念写真におさまるのを恥ずかしがった一泊目も、


二泊目の夜は、みんな他人だったはずなのに、馴染んじゃったんですよ。

右から、僕、ななちゃん&こっすー(宿のオーナー夫婦)、そしてなんと俺と同じく、パートナーと別れて横浜から旅に出てきたという男性。

僕、彼女とこういうことがあって…
いや、俺も実はさ…
あっえっちょっいやっマジすか…
ツラかったっすよね…
うんうん…でも、似た経験をした人とこうして話ができて、気持ちが整理できたなあ…
そっすね…よく分からんけどなんとかなる気がしてきたです…
がんばろう…ありがとう皆さん…
一同(((せやなせやな)))

親友同士かのようなコミュニケーション。

再度確認ですが、ここで会うまではお互い他人でした。

一流企業の社長だろうが親のスネかじりニートだろうが、旅では肩書きは関係ない。
精神的に丸裸になって、人間対人間がフラットに語り合うことができる。
これがゲストハウスの力なんでしょうか。
人生崖っぷちだった気持ちが、ふっと軽くなった。

ゲストハウスおもろいやん。
人生っておもろいやん。

そう感じたんです。

―ただし、本文の最後にまた触れることですが、
僕にとっての旅とは、何かを求めて自分が
それに向かって移動するという物理的「行為」
であると思っていました。
一般的な「旅行」「旅」と同じ認識かと思います―


それ以来、僕はゲストハウス狂いとなった。


勢いが出始めたので、

10年続けたサラリーマン辞めました。

会社に言う前に↑のFacebook配信で宣言した。見切り発車サイコー()


勢いがややついてきたので、

日本一周女子大生・ゆずちゃんの旅についていきました。


・自宅⇔ゲストハウスをZOOMで繋ぎ、家にいながら仮想宿泊を体験できる「オンライン宿泊」で日本一周(47都道府県制覇)
・そのあとリアルに日本一周
・旅の資金としてクラウドファンディングで135万円を集め、飛び込み営業でDHC、mont-bell、coleman等の著名企業をスポンサーにつける…

経歴がバケモノすぎる現役女子大生。

彼女の旅について行き、沢山のことを教えてもらいました。

秋田の某道の駅にて、長崎から道の駅全国制覇の旅に来たというおじさんと。

旅は旅を惹き寄せ、人との繋がりの連鎖が生まれること。

ゆずちゃんの一つのルーツである国際交流の船旅「世界青年の船」の仲間達とも、道中でたくさん出会いました。
左端のイドケン君には人生相談までしてもらいました。
現役大学生に 生きるとは をご教授頂く33歳フリーター。()

ゆずちゃんと打ち解けすぎて、僕の車の後部座席で寝転がるまでに笑


ゆずちゃんの日本一周ブログ全108話のうち、俺は7~9、13~14、76~81、105~107話のなんと14回も出演するよ!おもろおもろいからぜひチェックしてくれよなっ!(105~107はエア出演です)


ゆずちゃんとの有意義な旅。勢いがさらに加速する中で来たのが、
岐阜県のゲストハウス「ホニャラノイエ」。

のオーナー、たけぽん↓

ホニャラノイエを出た後ゆずちゃんは沖縄へ飛び、「山形で大型車の免許合宿がある」というたけぽんと東北を目指す二人旅へと変化。
毎日が旅ってもうサイコー。
毎日がスペシャルでした。




しかし、彼と共に泊まる山形のゲストハウス「ミンタロハット」が僕の旅のラスト。
退職金を使い果たそうとしていた僕は、ミンタロハットをチェックアウトしたら青森の実家に帰り、就職活動を始めるつもりでした。

しかも、SNSの投稿を見られたのか、プラプラ旅をしてるのが実家にバレた。
別にバレたって気にすることないんだけど、世は新型コ◯ナ流行の真っただ中。

「こんなご時世にアンタは県外で何やってんの!!!!」

と怒り心頭の実家。
最終的に

「県外に出てたあなたがこのまま帰ってきたらコ◯ナうつるでしょ。青森帰るならどっかで自主隔離しなさい。」

とのお達しが来ちゃいました。



2週間も自主隔離する宿泊費もう無いんですけど………(この時点で残金10万円)
どうしよ……

それもあったけど、何より、自主隔離しなさいって言われたのがショックだった。
分かりますもちろん。このご時世ですから。
しかし。
ああ、あの家は俺を「そういう目」で見てるんだ
僕はその点を何よりも重大に捉えました。

その瞬間、実家に帰るという既定路線に、大きな「?」が付いた。

現実、金はない。
特別なスキルはないから、労働をしなければ収入を得られない。
一人暮らしの経済的余裕もない。支出を抑えるためには、実家で家族と共に暮らさなければやっていけない。

でも、帰りたくなかった。
たとえ「感染防止」という「正当な」言い分があるとしても、
自分をいち人間ではなくそういう目で見る環境で、僕は生活できますか?

答えは大きなモヤモヤ。

色んな意見があるのは承知してます。
しかしこれが僕にとって事実でした。





あーあ、でも最終的には帰らなきゃなあ。

一夜にしてテンションだだ下がりの櫻谷青年は、おセンチな胸の内をたけぽんに明かした。


センチメンタル青年

「じ、じつはこんなこと言われまして…」


すると


たけぽん
「そっかあ。

えっと櫻谷君いま無職だよね?

ミンタロハットで
スタッフやればいいじゃん!!


あっそっか~隔離にもなるしいい考えでs



僕は青森の実家に帰り就職活動を始めr


えっとぼく青森帰るんだよね、?
スタッフ、、?す、住み込み、、?
山形ってちょ待っ、、急展開ィ、、、


青年は狼狽した。(小説)


そこからは、自動車工場のライン作業のようにオートマティックに事は進む。

📞\プルルルル/

「こんにちはミンタロさん~たけぽんです~。

宿泊予約したくて~。
僕と、会社辞めて旅をしてるっていう青森の青年なんですが~

なんとこちらの青年がですね~

ミンタロさんのスタッフをやりたいと言ってるんですよ~



言 っ て ね ぇ  。


こうしてセンチメンタル櫻谷は、ゲストハウスミンタロハットのスタッフ・通称「さくちゃん」へと超転生を遂げたのである。俺本人には無許可で。






あれからおよそ200日。




ミンタロハットに住民票移しちゃいました。

はい、完全にノリノリでスタッフやってます。あはは。

こんな感じでミンタロの仕事をしつつ
(これで婚活して主夫になると宣言し立ち上げたYouTubeチャンネル。活動休止中だけどチャンネル登録よろしくね!笑笑)

ここで本格的に生活するために、掛け持ちのアルバイトも始めました。

ミンタロの看板猫・なっちゃんはかわいいし笑
や~~ゲストハウススタッフも悪くないじゃない~(馴染んじゃった感)

それに、ゲストハウスには色んな人が来ます。経歴、ライフスタイル、価値観、色んな人が。
旅の世界では今さら~、な当たり前のこと。
しかし、僕にとって大きなことに気付きました。

ゲストハウスのスタッフをやっていると、色んな人が、向こうから来てくれるんです。

彼女はミンタロで出会った16歳。

じ、じゅうろく。

ほとんどの場合は高校生のはずでは。。

その高校は、わずか3ヶ月で辞めたそう。

理由は

「朝決まった時間に起きるのがダルイから」

ロックスターみたいなこと言うやん。


若くしてレールから飛び出し、旅する人生を自ら選んだ彼女。


――こんな生き方があるんだ。

ゲストハウスのスタッフには、そんな「おもろいやん」に出会えるチャンスが日常的に転がってるんです。

これまでは、僕から会いに行っていた。
今は、僕はここに留まっていても「おもろいやん」の方から来てくれる。

ここにいても旅ができるんです。

つまり、
これまでも、旅。
この今も、旅。
じゃあ、これからもってこと…?

―旅とは、何かを求めて自分がそれに向かって
移動するという物理的「行為」であると思っていた―


そのイメージは変わった。

旅って
人生そのものかも。


行為というだけでなく、旅はもっと精神的なもので、一つの哲学ですらあるのではないか。


「お正月ハワイ旅行」「日本一周」「世界一周」
そんなスペシャルな行動ばかりが旅ではない。
楽しい時も辛い時もある人生だった。それを旅だと自認出来るその人の生きざま。これこそが旅じゃないか。

"Life is journey."
自らの直体験を通じて、そう思うんです。



最後に。
もし、少しでも僕と同じ気持ちを抱えていて、何か変えたいと感じる人がいるとして。
僕はどんな言葉を投げかけられるのか?

シンプルにもう


ゲストハウスなんてどうっすか。


え??
「僕は旅で人生変わりましたさぁ皆さんも!!」みたいなキラキラしたことゆ~て、ゲストハウスなんて山奥みたいな行きづらいとこにあるんじゃないんすかぁ~??

って??

()


たとえば会社員時代に住んでいた岩手・盛岡市のゲストハウス「ととと」。

盛岡は岩手の県庁所在地。2枚目の画像の通り周囲は山奥ではなくしっかり住宅地。まさかの湧き水もあります。新幹線も停まる盛岡駅から在来線で1駅→徒歩たったの13分。

あら!気軽に行けちゃう!(通販)

もうひとつ、僕が今スタッフをしているミンタロハット

山形市もこれまた県庁所在地。2枚目の画像の通りこれまた周囲はしっかり住宅地すぎます。湧き水はありませんが()、これまた例によって新幹線の停まる山形駅から徒歩た~ったの15分。近いかよ。


はい。


ゲストハウスって、皆さんの住んでる所にもフッツ~にあるんですよ!


たかたァ…()



僕はいつまで経っても諦められなかった。
「人生楽しみたい!てか恋愛でも友情でも一期一会でも何でもいい!
言うたら、愛が欲しい!」
という欲望たちを。


「愛が欲しいなら、旅をしなさい」
「そこで出会う人が、あなたに愛を与えてくれるかもしれないよ」







人生の迷子ちゃんな僕に、神様がそう教えてくれた気がします。


ここまで読んでくれた皆さんに、一つお願いがあります。
この記事はもうすぐ終わります。
読み終えた後は、地図アプリを開いて「ゲストハウス」で検索してみてくれませんか?

歩いて10分
車で1時間
新幹線で終点まで

でも長期休暇は必ずしも必要ありません。
いつものお休みで行ける範囲にきっと「それ」はあるはず。



ほらほら。ミンタロハットのテーブルにもあるんですよ。






ゲストハウスを通して、あなたの日常にコソッと隠れている「おもろいやん」が見つかっちゃいますように。



ゲストハウスミンタロハット
スタッフ 櫻谷恒太(さくらやこうた)



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この記事は、旅人と宿でつくる全国のゲストハウス応援プロジェクト「ゲストハウス思い出ノート」掲載のために作成したものです。

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