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マーケティング施策の大きな一手「リブランディング」で、創業15年のベンチャーがやったこと、意識したこと。
ナイルでは、7/13にコーポレートアイデンティティの刷新(ロゴリニューアル)のリリースをだし、7/20にコーポレートサイトのリニューアルを行いました。
私が昨年9/16に入社してまもなくから動き出したプロジェクトで、10ヶ月近くこの準備に取り組んできました。公開から1ヶ月が経って、ようやく落ち着いてきたこともあり、今回のリブランディングで行ったことと自分の方で意識してきたことを簡単にまとめておこうと思います。
コーポレートリブランディングに至った背景
今回のリリースをしたことで、入社してすぐリブランディングに取り組んだんですか?とか入社前から決まってたんですか?などの質問も何人からか貰いました。
実際のところ入社前にはそんな話は全くしていませんでした。
ただ、入社前に社長や取締役から話を聞く中で、ナイルが描く未来にはワクワクする展開も多く、熱い想いも持っているのに、飲みの場で直接話を聞くまではあまりそういった要素を感じなかったなとは自身の転職体験の中で感じており、もう少しブランディングの打ち出し方は工夫の余地はあるなと感じての入社ではありました。
そんな中で、前回の入社エントリー記事にも書いたのですが、入社後1ヶ月で100名の社員と話したり、そこでヒアリングしたことを社長や上長と擦り合わせていたりする中で、リブランディングの必要性を強く感じて、社長に相談し、何度も擦り合せを行い、経営会議に提案したという流れになります。
最近入社したばかりのやつが、入社時のオファーミッションでもないのに、いきなりコーポレートのリブランディングを提案したわけで、未知数なことも多く不安(リスク)もあったとは思いますが、ここを任せてくださったことにはとても感謝しています。
一方で自分としては、まだ新鮮なうちに、一定の第三者的な俯瞰した目線も持ちつつで、市場に対して新たなナイルのブランドイメージを伝えていくべく動けたこのタイミングは非常に良かったなと思っています。
ブランドDNA・ブランドエレメントの作成
単にロゴを変えて見た目だけ新しくなっても何の意味もなく、しっかりと5年10年先までナイルを牽引してくれるコーポレートブランドのベースを設計しようと考え、準備を進めていきました。
現状の自社の理解と未来のありたい姿の擦り合せを行っていくなかで、『ブランディング 7つの原則』などを参考にしつつ、「ブランドDNA」を作っていき、10以上の項目を1つずつ定義していきました。
あわせて、オリジナルのブランドシートを作成し、打ち出していくメッセージにズレがないようにしていきました。ブランドイメージを擦り合わせていく中で、こういった工程はやはり重要だなと再認識しています。
1つピックアップして紹介すると、ブランドを1人の人間に例えたらどんな人物像なのかを表すブランド・パーソナリティでは、俳優の鈴木亮平さんを(勝手に)イメージしています。
キーワードとして上がったワードは、「誠実さ」「努力家」「しぶとさ」「ストイックさ」「プロフェッショナル」「優しさ」「強さ」「本質的」などです。下積み時代が長くあり、腐らず己を磨き続けてブレイクなところも近いものを感じています。
ブランドの骨子を検討していく中で意識したことは、これまでの15年間で関わった多くの方が継ぎ足し培われてきたナイルのカルチャーを理解し、良いところをより尖らせながら、未来に向けて足りない要素を補い導く設計をしていくことです。前職からずっと企業カルチャーと向き合ってる中で、まずここを起点にブランド設計をしていかないと、社内からの納得度が低いものになってしまい、中長期でのブランド構築が難しくなると思っています。また、真似しても真似しきれないカルチャーを起点にすることで、結果的にコーポレートブランドにもより強いオリジナリティが生まれてくると思っています。
今回は、並行してVALUEの刷新プロジェクトも動いていたので、社員アンケートなどを実施して、現状のナイルの強みや課題を洗い出し言語化できていて、それをこちらにも反映できたのは良かったなと思います。
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新ロゴ決定における意思決定プロセス
実際に新しいロゴを制作するにあたり、社内のデザイナーで制作することも検討しましたが、リソースの問題もありなかなか調整が難しかった。そこで外部からの客観的な視点で捉え整理し、新たな気づきを与えてもらえることも期待して、ロゴとコーポレートサイトの制作をお願いするパートナーを探しました。そして、STAND FOUNDATION(以下、SF)さんに依頼をさせていただきました。
複数社さんにお声がけさせていただいたのですが、最も現状の課題に共感してもらい、自分と近い感覚で一緒に良いものを楽しく作っていけそうな気がしたのがSFさんでした。
上記のブランドDNAやブランドシートを共有して、現状のナイルの強みや特性、中長期での目指すべきあり姿をお伝えし、SFさんからもたくさん質問をもらい、また社長へのヒアリングも行って、根掘り葉掘り深掘ってもらいました。
その後、SFさんからロゴを複数案ご提案いただき、MGR陣へのアンケートなども実施する中で、選定、いくつかの修正依頼をさせてもらって、新たなロゴがFIXしました。最終決定に至る過程で印象的だったのが、『新しいロゴは未来へ導くものだから、いい意味で違和感がある方が良い』という考えです。これはSFさんから言われてその通りだなと思って心に留め、その後自分も多用しました(笑)。
実際にキーカラーのHope Green(ナイルではそう名付けている)は、自分が作ったら選べない色だなと思うし、これまでのナイルから考えると違和感はあるなと思いますが、目指すべき未来を見据えると、これからのナイルの希望の光となる最適な色だなと、今では思えています。
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コーポレートサイトを考える
ロゴ変更に伴うコーポレートサイトのリニューアルも並行して進めていきました。
コーポレートサイトに関しては、本当にカルチャーデザイン室のチームメンバーが頑張って対応してくれました。情報設計やテキスト制作を進めつつ、ロゴが確定してからはロゴのデザインエレメントを入れ込んだ形で、SFさんがデザイン制作を進めてくださいました。コーポレートサイトにロゴのデザインエレメントが反映されているのはとても大事だなと思っています。ブランドを構築していく上で不可欠な一貫性に繋がっていくからです。
今回のコーポレートサイトのリニューアルではデザイン変更だけでなく、サスティナビリティページを新たに追加するなど、これまでには出せていなかったコンテンツも拡充できたは非常に良かったなと思っています。(※今回はこの辺の話は割愛しますが…)
サイト内に掲載される写真も社内で撮影を行いましたが、本当にナイルのオフィスか?と思えるような写真を生み出し、切り撮ってもらいました。写真の力と面白さを改めて感じさせてもらいました。
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リリースに向けて
新たなロゴとコーポレートサイトをリリースするにあたって、どう認知をするか、届け方をどうするかを考えていきました。
新しいナイルのコーポレートアイデンティティを伝えるため、プレスリリースは発信するのですが、それだけではインパクトが少なく、拡散性や話題性は少ないなと思い、新たなロゴのブランド特設サイトとブランドムービーを作ることにしました。
ブランドサイトでは、コーポレートサイトでは打ち出しにくいより尖ったメッセージ性のあるコンテンツを用意していきました。『「DX」を死語にする。』というコピーをはじめ、十数名の社員を巻き込んで、私が変えたいことを表明する『ARROWS(=変革の意思)』を用意したりと、新たなロゴのもと、未来に向かって進むナイルの想いや覚悟を盛り込みました。これらによって、ナイルが今回どう変わっていこうとしているのかをより強くしっかりと伝えられたかなと思っています。
細かい部分では、TOOLSの中にスケボーやテントを入れ込むことで、この遊び心に反応してくれた方も結構いて、嬉しい仕込みでした。
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ブランドムービーに関しては、めちゃくちゃ短時間でクオリティ高いものを作っていただき、SFさんに感謝しかなく、私自身もとても気に入っています。細かい動きがそれぞれ違った展開をしていて見ていて楽しいのはもちろん、オリジナルの音源が動きと連動しているので、気持ちの良い仕上がりです。(実はこのサウンドは第一線で活躍されてるスゴイ方が作ってくれています。)
オフィスエントランスでループ再生させる前提で作っているため、動画の最後から自然と最初につながるように工夫されています。
また、動画の最後の部分は切り取ることで今後モーションロゴとしても使えるようにしており、様々な映像クリエイティブでも活用していこうと考えています。
その他の様々なタッチポイントの切り替え
新ロゴのプレスリリースを出してから、コーポレートサイトをリニューアルする間の3連休で、エントランスのサインを新しいロゴに切り替えました。
また、コーポレートのリニューアルをした週の金曜日に、社内アワードを新たに開催し、リアル開催の会場ではロゴ入りのノベルティやTシャツを配布。アワードトロフィーもHope Greenのオリジナルトロフィーを制作しています。
7月13日から7月22日までの10日間で一気にリリースをし、タッチポイントを複数用意することで社内的にもお祭り感を出しながら切り替えを行っていました。
またブランド特設サイトのTOOLSのところにもありますが、名刺や封筒に関しては、Hope Greenの色味が紙で出力するとかなり色揺れがあることから、印刷会社さんにお願いして独自に色を融合し、印刷しても色揺れがないように調整を行っています。
その他では、資料テンプレートやZoom背景も複数パターンを用意して社内展開しております。
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最後に
今回コーポレートアイデンティティの刷新ということで、色々考え、いろんな仕込みを一気に行い、社内外多くの方々を巻き込んで形にしていったのですが、やはり初めて社内に新しいロゴを発表するときは、どういうリアクションになるのか、受け入れられるか不安はありました。
Qに1度行われている全社のオンラインMTGで社長から背景を含めてで発表をしてもらったのですが、最後に自分から新しいロゴにちなんだナイルポーズをノリで紹介しました。チームメンバーと雑談している中で不意に生まれたナイルポーズですが、これがちょい難で癖になるのか、その後の社内飲みなどで写真を撮る際に、社内の皆さんがやってくださり、お決まりのポーズとして定着しつつあります。
想定外の展開でしたが、こういう変化球も含めてで楽しみながら、新たなロゴがみんなに愛されて、これからのブランド構築に繋がっていくようであればとても嬉しいと思っています。
まだまだナイルの認知度は低いですし、理想と現実のギャップは大きくまだこれからという話ですが、今後も色々考えてコーポレートブランドの向上に取り組んでいきたいと思っています。
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