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治川の詩集

37
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#オリジナル

三秒間

三秒間

1.2.3で 息を吸って
4.5.6で 息を吐いて

簡単なこと
当たり前のこと 

それでも私は生きやすくなった
息がしやすくなった

どうしても 生きるのが辛くなったら
すこしだけ 生きるのを辞めればいい

1.2.3で 息を吸って
4.5.6で 息を止めて

3秒間だけ自殺する

青年

青年

どうしようもない夜に
思い浮かんだのは君だった

過ぎた時間は戻らないのに
僕の手元には何もない

今まで生きた印が
今までやってきた印が

何一つ見えてこない
絶望と 焦燥と 諦念の

そんな夜に
思い浮かんだのは君だった

君のことはよく知らない
君が誰なのか思い出せない

ずっとそばにいたような
そんな気がする たった一人の君を

忘れてしまいたいと思った
消してしまいたいと思った

でも、

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栗ご飯

栗ご飯

今日の晩御飯は栗ご飯
ほくほく あつあつの 栗ご飯

まだまだ都会は暑いけど
ツクツクボウシの鳴く声が
夏の終わりを告げている

今日の晩御飯は栗ご飯
ほくほく あつあつの 栗ご飯

白いお米を染め上げて
黄色の宝石で飾り付け

すぐに街中も染めていき
また季節が変わるでしょう

今日の晩御飯は栗ご飯
ほくほく あつあつの 栗ご飯

次はいつ食べれるかな

飴玉

飴玉

手の中に飴玉が一つ
昨日の帰りに買ったもの

電車の中で女の子が
お母さんにねだっていたもの

手の中に飴玉が一つ
私には簡単に手に入るもの

昨日出会った女の子は
嬉しそうに食べていた

手の中に飴玉が一つ
口に放って食べてみる

あの子が食べた飴玉は
もっと甘い香りがしていたのに

あの子が食べた飴玉と
いったい何が違うんだろう

口に広がるレモンの飴は
どこか懐かしい味がした

生き延ばし

生き延ばし

何をやってるんだろう 
何がしたいんだろう

わからない わからない 
わからない意味を捜し求めた

いつだって不公平で 終われは単純で
でもまた忘れた頃にひょっこりと 
憎いあいつが頭を出す

自分ってなんだろう 
他人ってなんだろう

埋まらない 埋まらない 
埋まらない距離を測り続けた

いつだって傲慢で
傷つくって分かってるのに
寂しい悲しい独りぼっちは
繋がりを求めて手を伸ばす

だから

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シキ

春夏秋冬
行先 暗い未来
産まれた木曜
雨が降る 潔めよ

左右 北 西 東
太陽 月が昇る
夢醒め よく似た景色
嫌い 嫌い 嫌いな顔

遠くへ たったったったったら
君はもういないのかい?
遠くへ たったったったったら
僕はまだ此処にいるよ

冬秋夏春
花枯れ 夕暮れ
ふかした煙が
ゆら ゆら 消えていく

遠くへ たったったったったら
君はもういったのかい?
遠くへ たったったったったら

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使い残し

使い残し

使い残した夜が明けても
きっとあの日は戻らないわ

使い古した時計の針が
今宵もチクタク鳴り響いてる

使い残した命を賭しても
きっとあなたは還らないわ

使い古した時計の鐘が
嘲笑うように鳴り響いている

はみ出しの色

はみ出しの色

塗り絵を1枚渡されて 色を塗っていた
枠からはみ出すクレヨンは 汚いと嫌われる
綺麗な色をしていても それはダメみたいだ

枠の中で生きていくなんて
そんな器用なこと出来ないよ
ひとりは寂しいなんて誰が言ったの
こんなに素敵な事は無いのに

だからもっと言ってよ 僕の陰口
それさえあれば生きてゆけるから
ちょっとだけ だけど 僕を見ててね
認められなくたっていいのさ

また色を塗ろう 今度は慎重に

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