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青年

どうしようもない夜に
思い浮かんだのは君だった

過ぎた時間は戻らないのに
僕の手元には何もない

今まで生きた印が
今までやってきた印が

何一つ見えてこない
絶望と 焦燥と 諦念の

そんな夜に
思い浮かんだのは君だった

君のことはよく知らない
君が誰なのか思い出せない

ずっとそばにいたような
そんな気がする たった一人の君を

忘れてしまいたいと思った
消してしまいたいと思った

でも、
思い出すのはいつだって 
君だった

君だけだった

どうしようもない夜に
思い浮かんだのは君だった

どうしようもない僕を
見つめるのは君だった

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