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博物館·美術館

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展示の感想。 みんな行きたくな〜れ。
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ラテンアメリカの民衆芸術@国立民族学博物館

ラテンアメリカの民衆芸術@国立民族学博物館

国立民族学博物館、通称みんぱくは、文化人類学の博物館であり研究所である。研究の成果を展示というかたちでわたしたちにみせてくれるこの博物館がわたしは大好きだ。
そして今回の特別展はわたしの好きな、いや愛しているといってもよい地域、ラテンアメリカをテーマに扱っている。間違いなく面白い。

期待を胸に、展示をみて感動した。
期待を上回る素晴らしい展示だった。

まずチラシから目を引く。A3を二つ折りにし

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毒展@大阪市立自然史博物館

毒展@大阪市立自然史博物館

東京の国立科学博物館でやっているときから気になっていた展示、毒展が、大阪にもやってきたー!!嬉しい!!!
そして、面白かった。
正直、東京でやっているときにホームページをみて、鷹の爪団やQuizKnock、BiSHなど、そんなにタイアップいる?お金有り余ってるんですか?と妬みもあり、歪んだ目でみてました。
いや、お金あるのは確かやろうけど、だからって無意味無作為でやっているわけではない。いや、正直

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ひまわり美術部展~WAKU WAKU ART~@奈良県立図書情報館2Fエントランス

ひまわり美術部展~WAKU WAKU ART~@奈良県立図書情報館2Fエントランス

4月2日の日曜日、妹と桜マルシェという図書館前の広場でやっている雑貨や食事、本が売っているマルシェに出かけた。
近鉄新大宮駅から奈良県立図書情報館へ向かう道中、佐保川沿いの桜がちょうど散り際で、とてもきれいだった。

この桜を見れただけで、来たかいがあったくらい、きれいな桜だった。
風が吹くと花びらが舞い散っている。
車が通って、巻き上げられる花びら。
桜の下で写真を撮っているランドセルをしょった

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佐伯祐三 自画像としての風景@東京ステーションギャラリー

佐伯祐三 自画像としての風景@東京ステーションギャラリー

エゴン・シーレ展のために、大阪から東京まで行ったので、せっかくなら他にも展示見れたら良いなぁということで、気になってた東京ステーションギャラリーにも行ってきた。前から面白そうな展示をしているなと目を付けていたのだ。加えて、好きな佐伯祐三の展示をしているタイミングだった。
今になって思うと、今回訪ねた2館は奇しくも早世の画家を扱った展示をしていたのだなぁ(エゴン・シーレ28歳没、佐伯祐三30歳没)。

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エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才@東京都美術館

エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才@東京都美術館

今、東京都美術館でやっているエゴン・シーレ展(2023.1.26 - 4.9)。大阪住まいだが、エゴン・シーレ展を見に行きたい。関西方面に巡回するか調べてみたが、巡回はしないようだ。関東の友人に会いに行くという予定を作り、なんとか重い腰をあげて東京に行ってきた。
夜行バスとカプセルホテルで安上がりにしたから、とっても疲れた。帰りは新幹線使ったが、それでも私にはしんどい。今回は、東京でしか見れなかっ

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ブラチスラバ世界絵本原画展「絵本でひらくアジアの扉」@東大阪市民美術センター

ブラチスラバ世界絵本原画展「絵本でひらくアジアの扉」@東大阪市民美術センター

ブラチスラバとは、スロバキア共和国の首都だ。ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB:Biennial of illustrations Bratislava)は、その名の通り、世界中の絵本原画のコンクールで、2年に1度おこなわれる。
その受賞作品の展覧会が、地元の東大阪市にもやってきた。

展示は全体として、韓国と日本のものが中心で、最後の章に国関係なく最新2021年の受賞作品の紹介があった。

まず

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海のくらしとアート展@国立民族学博物館

海のくらしとアート展@国立民族学博物館

びっくりした。
面白すぎて。

もともと、そんなに興味ある分野じゃないけど、まぁみんぱくの展示は見ておこう。そんな感じで訪れていたので、期待値はそんなに高くなかった。

もう、びっくりした。
浮き足立っちゃうくらい、楽しい。
マスクの下でニコニコしながらみた。

垂れ幕のイントロでスタート。

まず、第1章.海の民のくらしと歴史。
壁面パネルが実物貼り付け展示されている。地図上に実物を貼り付けちゃ

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しゃべるヒトーことばの不思議を科学する@国立民族学博物館

しゃべるヒトーことばの不思議を科学する@国立民族学博物館

「しゃべるヒト」展(2022.9.1-11.23)に行ってきた。

ろう者の写真家・齋藤陽道さんが少し関わっているらしい。『暮しの手帖』で連載されている「よっちぼっち 家族四人の四つの人生」で、文筆家としての齋藤さんのファンになったわたしとしては、気になるところだ。
しかも、ろう者の齋藤さんが関わっているということは、手話が結構メインになっているのだろうか?
展示のタイトルからは、特に手話がメイン

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特別展「華風到来」@大阪市立美術館

特別展「華風到来」@大阪市立美術館

電車の中で中吊り広告を見るたびに、行きたいなぁと思っていた大阪市美に行ってきた。
チラシも素敵すぎ。

今までの展示の感じから、中国との縁が深そうだとは思っていたが、本当に深いということが、概要説明に書かれていた。”国内屈指の中国美術コレクションを所蔵していることが特色”とのことだ。改めて特別展のタイトルを見返したら、副題は「チャイニーズアートセレクション」であった。デザインの素敵さに目を奪われ、

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「感覚の領域 今、経験するということ」@国立国際美術館

「感覚の領域 今、経験するということ」@国立国際美術館

大阪·中之島にある国立国際美術館(https://www.nmao.go.jp/)にて、開催中(2022.2.8.-5.22)の「感覚の領域 今、経験するということ」に行ってきた。
正直、現代美術はよくわからないと思っていたが、チラシが素敵だったので、直感的に行こう!と思った。

あと、タイトルが良い。「感覚の領域 今、経験するということ」。博物館や美術館は「見る」という視覚に特化したものではある

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「きのくに刀剣ワールド」と「疎密考」@和歌山県立博・美

「きのくに刀剣ワールド」と「疎密考」@和歌山県立博・美

和歌山県立博物館で、刀剣の特別展をやっていると知って、久しぶりにお出かけをした。はじめて和歌山県立博物館に来たが、ガラス張りの建物が素敵だ。特別展「きのくに刀剣ワールド」への期待も高まる。

タイトルの通り、きのくに(紀伊国)=和歌山で活躍した刀匠たちの刀が時系列で展示されていた。
前まで刀剣にはあまり興味がなく、美しさもよくわからなかったのだが、舞台刀剣乱舞を観て以来、刀への興味が湧き、雑誌「刀

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復興を支える地域の文化ー3.11から10年

復興を支える地域の文化ー3.11から10年

国立民族学博物館の特別展(2021.3.3-5.23)に友人と行ってきた。

副題の通り、今年で東日本大震災から10年が経つ。そんな節目に、これまでの復興の歩みを振り返るような展示だった。

プロローグは「津波石」という下道基行さんの映像作品だ。
津波石はその名のごとく、津波の力で打ち上げられた石のことで、この作品では沖縄の石というかもはや岩が、砂浜にぽつんとある。
スクリーンに映し出される津波石

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先住民の宝

大好きな国立民族学博物館、みんぱくの、春に予定されていた特別展が新型コロナウイルスの影響で延期になっていたのだが、結局12月15日の最終日に滑り込みでみることができた。

いやもう単純に、面白かった!
さまざまな地域の「先住民」と呼ばれる人たちの宝が展示されているのだが、簡潔なわかりやすい文章と、たくさんのもの、もの、もの。
見てるだけで楽しい。
知らなかったことを知るのって楽しい。
世界にはたく

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The Citi exhibition Manga

大英博物館。
世界でもっとも有名かつ素晴らしい博物館の1つ。そう言われている。
博物館大好きな私としては、行きたい気持ちはある。きっと素晴らしいんだろうな、とわかっている。
ただ、判官びいきで大英帝国を嫌悪している私は、『でもその素晴らしい展示品たち、他国からかっさらってきたやつでしょ?』そんな意地の悪い考えが頭に響いていた。
そんなわけで、行きたいけど行きたくない大英博物館に、マンガ展をきっかけ

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