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#衝撃のラスト
「うわさのくすり」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.1 (4/7)
捜索隊はおそるおそる、はしごをおりて行った。
はしごをおりはじめてから、ずいぶんとたったが、まだ底はみえない。もう地下五階分くらいは、おりたのではなかろうか。
足を踏みはずしたらと思うとぞっとする。また、こうしている間に、犯人に穴がふさがれ、出れなくなってしまう可能性もある。
穴の深さを不気味に感じはじめた頃、やっと足が地面に触れた。すると、まわりの壁が光りだした。
そこはキューブ型の小部
「うわさのくすり」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.1 (5/7)
むかしむかし、ジャングルの奥に小さな村があった。
ある日、村人のひとりが森へいくと、しげみのかげに赤い猿が倒れているのをみつけた。だいぶ弱っているが、まだ死んでいない。
村人は、猿を看病しようとつれてかえったが、間もなく死んでしまった。
それから数年後、猿のことなど忘れていた頃、その村に赤鬼があらわれた。
そして赤鬼は、村に火をはなち、村人もろともすべて焼きはらってしまったという。
「ど
「うわさのくすり」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.1 (6/7)
男の話を要約すると、こういうことだった。
そのジャングルでは大昔、猿を感染源とした、あるウィルス性の病気が蔓延した。そのウィルスは感染しても、一見無害に見える。しかし、ある日突然、発病する。発病したら最後、数時間後には、死亡する。
これを聞いて、刑事は反論した。
「なるほど、謎の伝染病は実在したというんだな。しかし、それでは赤鬼の説明に、なっていないではないか」
「ええ、そうですね。ところ
「うわさのくすり」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.1 (7/7)
赤鬼病の真相を知った研究者は、大いそぎでジャングルからもどった。
まずは彼を雇っていた製薬会社に、ウィルスが世界に広まったら大変であること、そしてその病気がこの社会にひろまってしまう前に、新薬を開発しなければならないことを熱心に説明した。
しかし、今後ひろまるかどうかもわからない謎の病気の研究に、企業がぽいと大金を投じてくれるはずもなかった。
それでも研究者はあきらめず、あらゆる会社にでむき