「ほんものの泉」奇妙で不思議な5分ショートショート短編 vol.3 (6/7)
夜があけて、男はこのビジネスを入れ知恵してくれた金持ち仲間のところへいき、彼の息子の作るくだらない像をひとつ購入した。そして、その像をほんものの神様の像といれかえた。
いれかえるとき、像がなにか文句でもいうのではないかと思っていたが、特にそういうこともなかった。あれは幻聴だったのだろうか。そうだな、神様なんかいるわけがない。夢でもみていたんだろう。男は少しほっとした。しかしまた、いつあの像が話しかけてこないともかぎらない。念のため、このやっかいな像がおとなしくしているうちに