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大学入試/進路指導関連

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私が書いた入試や進路関係の記事のまとめ。九州の受験事情も。
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#共通テスト

筑波大学の入試改革こそが社会構造の変化に沿ったモデルケースになるべき

筑波大学の入試改革こそが社会構造の変化に沿ったモデルケースになるべき

センター試験が共通テストに変わり、高校では新教育課程がスタートしています。

新しい学力観が問われて久しくなりますが、従来型の受験勉強強者を評価する入試制度はなかなか変化を見せません。

その理由の一つは、国公立大学が従来型の入試制度をあくまでも主軸に設定しているからです。

そんな状況を打破する取り組みを打ち出したのが筑波大学です。

共通テストで学力を測る代わりに、面接や小論文を重視するスタイ

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不本意入学の是非と、「ダメ元での出願」に関する雑感

不本意入学の是非と、「ダメ元での出願」に関する雑感

共通テストの追試験も終了し、今週末には国公立大学の出願期間が終了します。

今年は数学の平均点の上昇や、生物の続落からの得点調整など波乱の多い一次試験となりました。

国公立大学の試験は、基本的には共通テストの得点と、2月末に行う記述試験の結果を合計して合否が決定することになります。

九州は本人、保護者ともに国公立大学への進学を希望する率が高いため、多くの教員は国公立大学への出願指導を行っていま

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大学入学共通テストの「これぐらいは大丈夫」が不正行為になる恐怖

大学入学共通テストの「これぐらいは大丈夫」が不正行為になる恐怖

今週末は大学入学共通テストが実施されます。

受験予定の方は落ち着かない日々を過ごしていることでしょう。

私も今年は高校3年生の担任を受け持っており、なんとなくそわそわした感覚でここ数週間を送っています。

試験における「不正行為」の存在さて、試験と切っても切れないのが「不正行為」に関してです。

韓国の大学修学能力試験(修能)では試験会場の外からイヤホン越しに答えを教えるなどの事例で摘発された

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「共通テスト試作問題」公開

「共通テスト試作問題」公開

昨日、11月9日に共通テストの試作問題が公開されました。

私の担当する数学やそれ以外にも大きな変更点があり、かなり話題になっています。

数学Ⅰ・A数学Ⅰ・Aに関しては大きな変更点はなさそうです。

というのも、共通テストに名前が変わった2020年から時間が70分に延長、文章読解型の応用問題形式に変更しているため、今回の変更はそれほど無いように感じます。

ただ、整数が範囲から外れたことで選択問

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「入試制度」や「教育カリキュラム」を「一度に大幅な改定」を行う理由

「入試制度」や「教育カリキュラム」を「一度に大幅な改定」を行う理由

一昨年度から大学入学センター試験が大学入学共通テストの名前を変え、その試験の形式や内容が大幅に変更となったことは教育業界の人間ならば誰しもが知るところでしょう。

また、本年度からは学習指導要領が高校でも改訂され、新しい指導要領による教育カリキュラムがスタートしています。

さて、ではどうして制度を改定するのでしょうか。私個人の考察を書いていきたいと思います。

学習指導要領を改訂する目的当然なが

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