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なぜ、有酸素運動は20分しないといけないのか?

こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂きありがとうございます。

いきなりですが、こんな疑問を持ったことはありませんか?

「有酸素運動をするなら20分以上はするようにしましょう」

このような内容の文章を読んだことがありませんか?ダイエットをするにおいて有酸素運動を行うことは大事なのは、なんとなく分かっているという方が多いと思います。

でも、よく考えるとここで1つの疑問が生じませんか?

「なんで20分以上しないといけないのか」

というものです。ダイエット指導者の中にも「有酸素運動は20分以上しないと意味がないです」というような方もいらっしゃいます。果たしてそうなのでしょうか?

○結論

今回は先に結論を申し上げます。

有酸素運動は20分以上しなくてもOKです。

20分を超えると燃焼効率は良くなりますが、たとえ5分でも10分でも脂肪燃焼効果はあると言われていて、それほど大差ないのです。

また、1回10分の運動を3回に分けて行っても、1回30分の運動と同じ効果があることが最近の研究では分かってきています。

・20分もウォーキングやランニングをする時間なんて作りたくない!
・運動嫌いだから正直やりたくない!
・できるなら運動せずに痩せたい!

このようなことを思っている方からすれば、朗報かもしれません。ダイエットを成功したいのであれば、必ずしも20分以上の有酸素運動しないといけないわけではないのです。

・歯磨きをしながらかかとの上げ下げ運動をする
・通勤で1駅分歩いてみる
・エスカレーターの代わりに階段を使う
・上り階段を一段飛ばしにする
・家事は運動だと思ってこまめにする

などなど、このようなことを日々の生活で取り入れるだけでも十分なのです。


さてさて。

この先は、専門的な用語を交えて解説をしていきます。脂肪燃焼のメカニズムについて話をしていくことにします。ご興味がある方のみ読んで頂けると嬉しいです。

○有酸素運動と無酸素運動

そもそも、有酸素運動とはなんでしょうか?そして、無酸素運動とはなんでしょうか?

・有酸素運動

継続的かつ比較的弱い力が筋肉にかかり続ける運動です。体内に蓄えられている糖質、脂質をエネルギー源とします。燃焼するときには酸素が必要です。
ex.ウォーキング、ランニング、スイミング、サイクリング

・無酸素運動

瞬間的に強い力を使う運動です。筋肉に貯めておいたグリコーゲンをエネルギー源とします。燃焼するときは酸素を使いません。
ex.筋トレ、短距離走

○遊離脂肪酸

身体の中に入っていった脂質は膵臓から分泌される消化酵素リパーゼが本格的に分解を始めます。分解された脂質(中性脂肪)は脂肪酸モノグリセリド(グリセロールに脂肪酸が1つくっついている状態)に分解されます。

そして、その脂肪酸が血中は放出されたものを【遊離脂肪酸】といいます。

⾷事をしていないと⾎糖値が下がってきます。これは、エネルギーに利⽤するグルコースが少なくなっていくということなので、貯蔵されているグリコーゲンの他に脂肪を分解してエネルギーを作り出します。

遊離脂肪酸は主に「エネルギー源」として使われます。放出された遊離脂肪酸は全て使われるとは限りません。使い切れなかった遊離脂肪酸は肝臓に戻されて中性脂肪に合成されます。

こうならないようにするためには、体脂肪がどのような形で分解・燃焼プロセスを経るのか知っておく必要がある。

○ミトコンドリア

遊離脂肪酸が辿り着く場所は、細胞内にある【ミトコンドリア】です。ここで消費され運動のエネルギーとして代謝されます。ちなみに、脂肪酸をミトコンドリアがエネルギーとして利⽤する場合は、 膨⼤な酸素が必要です。これが脂肪燃焼に有酸素運動が有効である理由に繋がります。

この記事でミトコンドリアやLカルニチンについてお伝えしています。

Lカルニチンは、アミノ酸の⼀種で、体内では、必須アミノ酸のリジンとメチオニンを材料に、肝臓で合成されます。

Lカルニチンは、細胞内に⼊った遊離脂肪酸をミトコンドリアまで運ぶ役割を担っていて、筋⾁細胞にそのほどんどが存在しています。筋⾁細胞内でミトコンドリアに脂肪酸を運搬しているのです。

ちなみに、Lカルニチンそのものが脂肪燃焼させる働きをもっているわけではありません。Lカルニチンは遊離脂肪酸をミトコンドリアへと運ぶ「運び屋さん」です。 Lカルニチンが不⾜してしまうと、燃焼されずに残った脂肪が蓄積されて、肥満につながる可能性があります。

ダイエットを効率的に進めていくためには、
① 体脂肪の分解
② ミトコンドリアでの燃焼

この2つを意識することが⼤事になってきます。

注意すべきことは、分解された遊離脂肪酸も細胞内のミトコンドリアで使われなかった分は再び体脂肪として再合成されます。 なので、体脂肪に戻ってしまう前に運動によって燃焼させる必要があります。

⽇中活動している時間は、出来る限り脂肪酸を燃やしてやるような活動できな⽣活を意識することが⼤切です。これも上の例であげています。必ずしも有酸素運動を20分以上しなければいけないわけではありませんが、ミトコンドリアでエネルギーとして燃焼されるためには、ミトコンドリアで燃焼できる遊離脂肪酸まで分解されなければならないということは知っておいて損はない情報です。 体脂肪のままでは脂肪が運動のエネルギーとして使われない
のです。

○グルカゴン

体脂肪を分解するための助けになるものとして「グルカゴン」というホルモンを紹介させてください。

⾎糖値が下がると、膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されるホルモンです。グルカゴンが分泌されると血糖値を上昇します。

これが分泌されることでなぜ体脂肪を分解するための助けになるのかを、もう少し踏み込んでいきます。

体内では、余分なグルコースは肝臓で取り込まれてグリコーゲンに合成されて蓄えられます。体内でグルコースが必要になったら、グリコーゲンを分解して⾎糖に戻します。肝臓のグリコーゲン分解を促進し、⾎糖のグリコーゲン合成を抑制すれば⾎糖が上昇します。

体内で⾎糖が必要になったら逆に体脂肪を分解して⾎糖に戻す。肝臓の体脂肪分解を促進すれば⾎糖が上昇します。そう、お気づきかもしれませんが、これは【インスリン】とほぼ逆の働きをしているのです。インスリンが「肥満を促進するホルモン」に対し、グルカゴンが分泌されることで体脂肪分解を促進させることにつながるのです。これが理解すると、ダイエット中はいかにしてインスリン値を下げる必要があるかということを深く理解することができるはずです。

また、グルカゴンは「ホルモン感受性リパーゼ」に働きかけ、脂肪分解を促進させる働きもします。「⾎糖値低下➡インスリン低下」の後に上昇するので、 その間はどうしても空腹という状態が発⽣してしまいます。この間を我慢すれば、グルカゴンは上昇しますので、やはりインスリンが⾼いと全てが無駄になるということになります。

○空腹時の運動のポイント

では、今回の最後となりますが、空腹時の運動のポイントをお伝えして終わることにします。

体脂肪を分解させるタイミングは
①空腹時
②運動をしているとき

この2つがベストだと言われています。

ただ、体脂肪の燃焼を進めるためには、まずは体脂肪を分解しなければ筋⾁や⾝体の各器官で燃焼させることができません。なので、体脂肪の分解と燃焼を進めるためには、上記のタイミングを逃さないように運動を取り⼊れることも必要です。

空腹時は糖質のエネルギーが⾝体に不⾜している代わりに、体脂肪を運動のエネルギーとして利⽤する場合が増えます。なので、空腹時には⾝体が体脂肪の分解を進め、⾎液中に運動のエネルギーとして使える遊離脂肪酸をたくさん放出することになります。これはダイエットのための良い循環となります。

ただし、ここで注意すべきポイントがあります。

空腹時の運動は、エネルギーとして体脂肪が中⼼に燃やされるからといって 強度が⾼く激しい運動や⻑時間の運動はお勧めできません。なぜならば、体脂肪は分解スピードに限界があり、激しい運動のエネルギーを全ての体脂肪の分解から作り出すことができないからです。

肝臓や筋⾁内にグリコーゲンが豊富にあるときは、激しい運動を⾏うためのエネルギーは賄うことができます。⾎液中や肝臓、筋⾁内に蓄えられている糖質のエネルギーは、運動のエネルギーとして使われやすく即効性があるからです。

というわけで
糖質:運動のエネルギーになりやすい
脂質:運動のエネルギーになりにくい (=エネルギー供給のための分解スピードが遅い)
と覚えておくと良いのではないでしょうか。

まとめると
・空腹時には体脂肪の分解が進み、⾎液中に遊離脂肪酸が多く放出され、体脂肪を運動のエネルギーとして使うことのできるタイミングであること

・体脂肪の分解から得られるエネルギーは、エネルギー供給の供給スピードが遅いため激しい運動には向いていないということ

・空腹時の運動はウォーキングやゆっくりのジョギング、並びに上で挙げた「ながら運動」的なものが良いこと

ということになります。


今回は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございます。

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