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2022/12/12週|『マッキンゼー 勝ち続ける組織の10の法則』からの3つの学び

今週は『マッキンゼー 勝ち続ける組織の10の法則』を読んで心に残ったところの備忘録メモです。
特に印象だった3つを記載しておきます。これ以外にも金言たくさんだったので是非ご一読ください。

【目次】
第1編 人材とチーム
・第1章 秀でた人材を獲得し、定着させるには?
・第2章 勝つために必要な人材を育てるには?
・第3章 潜在能力をフルに引き出すためには、どのようにパフォーマンスを管理すればよいか?
・第4章 どのように最高のパフォーマンスを上げる経営トップチームを創ればよいか?

第2編 意思決定と組織設計
・第5章 意思決定の質とスピードを高めるには?
・第6章 大きな価値をより速く創出するために必要な組織再編の方法は?
・第7章 間接費を持続的に削減するには?

第3編 組織文化と変化
・第8章 組織文化を競争力にするには?
・第9章 どうしたら組織全体を変革できるのか?
・第10章 リーダーの移行を成功させるには?

マッキンゼー 勝ち続ける組織の10の法則:目次

❶チームワークは才能を凌駕する

第4章の「どのように最高のパフォーマンスを上げる経営トップチームを創ればよいか?」に出てくる一説。

有能なスタートアップ投資家は、チームの質と創業メンバー間の相性といったところを、ビジネスコンセプトそのものよりも重要視している
新規公開株式を評価する際に、90%の投資家が、経営陣の質を非財務的な指標として最も重要視しているのだ。また、経営陣が共通のビジョンを持って協力し合っているチームは、平均的な企業の財務実績よりも高い成果を出す確率が1.9倍も高い
ビジネスの成功にとって重要な分野において、チームが個人の能力を凌駕することは社会心理学によっても裏付けられている。例えば、米国心理学会(APA)は、「複雑な問題解決において、3人以上のグループの方が、同じ人数のバラバラの個人のベストよりも優れたパフォーマンスを発揮する」と報告している。
リンクドインの共同創業者であるリード・ホフマンは、「どんなに優れた頭脳や戦略を持っていても、一人でゲームをしていれば、必ずチームに負ける」と断言している。マイケル・ジョーダンは、「個人の才能でも試合には勝てる。だが、チームムワークとインテリジェンスがあればチャンピョンシップで優勝することができる」と言っている。

勝ち続ける組織の10の法則 (Japanese Edition) (p.146)

最高のパフォーマンスを上げるチームは
・共通の目標を持ち
・お互いに才能を補完し合いながら
・優れた業績を達成する
(オールスターレベルの個人が集まるだけでは勝てない。全員が力を合わせてオールスターになるチームであれ)


「❶チームワークは才能を凌駕する」については別記事ですがちょうど読んでいた下記の記事も似たようなことを言及しており、自分の強みでチームを補完できるようなポイントをもう少し考えてみる契機になりそうです。

❷組織のビジネス上の意思決定の質は人材の定着度に影響し、意思決定にはデータよりも対話が重要

まず、組織の意思決定には3つのタイプがある。

▶︎Aタイプ:
企業全体に影響を与える、不定期、かつ一か八かの意思決定(例:大規模なM&A、新技術への 投資、新しいCEOの採用など) このような意思決定には、正確なデータを収集し、オープンな対話と議論を行い、すべての利害関係者の声を可能な限り反映させる、統制のとれた意思決定プロセスが必要だ。(後略)
▶︎Bタイプ:
個人やチームに委任可能な反復的な決定(地域・国ごとのマーケティングプロモーション、工場ごとの製造オペレーションの調整、自転車置き場をどの色に塗るか、など) このような意思決定は、明確かつ透明性の高い説明責任のもと、可能な限り下位の者に委ねられるべきである。意思決定そのものと共 に、相談すべき相手(あくまで意見を述べるのみ)も自身で選択してもらう。加えて、重要性やリスクに応 じて追加承認が必要となる仕組みなどを整える必要がある。
▶︎Cタイプ:
反復的、横断的な意思決定(複数の部門に影響を与えるもの、例えば、製品/地域間の予算配 分、販売・業務計画、新製品開発など)
これらの決定は、実際には1つの決定ではなく、部門の境界を越えて調整され、連携されなければならない小さな決定の集大成のようなものだ。
そのため、特に重要な部門を跨ぐものについて、明確な意思決定のプロセスを、システム全体に導入する必要がある。またフィードバックの仕組みを組み込み、時間の経過とともにプロセスを体系的に改善できるよ うにする。

・5年間、多様な業種にわたり1048件の重要な意思決定(新製品投資、M&A、設備投資など)を対象とした調査を行った。
データ分析の質と粒度(詳細な財務モデル、感度分析など)、対話の堅牢性(適切な参加者による質の高い議論への関与など)をマネージャー陣から収集
・この情報をパフォーマンス指標と組み合わせて分析した結果、対話のほうがデータの6倍相関性があった
・このことは、データが重要でないということではなく、むしろ質の高い分析は、解釈し、評価し、意味を引き出す「質の高い対話」なしには、本来の価値に比べると意味がなくなることを意味している。


そのため、質の高い対話を行うためにバイアスを回避する方法などを導入しながら対策を行う必要がある。

❸強い文化は他社に模倣が困難

組織文化は本質的にコピーしづらいもの。自転車に乗るように、文化は読むだけでは意味がなく、体験する必要がある。
強い文化がmoatになりうる。
他の資産(戦略や技術的な強み)は時間と資金があれば模倣される。

「組織文化は戦略を簡単に打ち負かす」(ピータードラッカー)

従業員エンゲージメント調査も必要だが、それ以上に組織文化に目を向けよう。
900以上の学術研究から、業績向上をもたらすことが証明された組織の文化的要素は以下。

▶︎DIRECTION(方向性):全従業員にとって意味のある、組織の方向性とそこへ到達するための明確な意識
▶︎LEADERSHIP(リーダーシップ):メンバーがリーダーの行動からどの程度触発されて行動を変えられているかの度合い
▶︎WORK ENVIRONMENT(組織風土):組織内および組織間の相互作用の質▶︎ACCOUNTABILITY(役割・権限・責任):個人が自分に何が期待されているかを理解し、それを実行するための十分な権限を持ち、結果を出すことに責任を持つ度合い
▶︎COORDINATION AND CONTROL(業績・リスク管理):組織のパフォーマンスとリスクを正しく評価し、問題やチャンスが生じたときに協力して対処する能力
▶︎CAPABILITIES(組織スキル):戦略を実行し、競争優位を生み出すために必要な制度的スキルや才能の存在
▶︎MOTIVATION(モチベーション):従業員が並々ならぬ努力をし、結果を出そうとする熱意の表れ
▶︎EXTERNAL ORIENTATION(外部志向):顧客、サプライヤー、パートナーなど外部のステークホルダーと価値を高めるための協力関係の質
▶︎INNOVATION AND LEARNING(イノベーション・学習能力):新しいアイデアの質とその発展、および必要に応じて自らを適応させ形成される組織の能力

勝ち続ける組織の10の法則 (Japanese Edition) (pp.300-301)



「❸強い文化は他社に模倣が困難」について、バリュー(行動規範)へのフィット感を採用面接などでも見ていますが、模倣のしにくく、競争力の源泉になる最たる例というのがなぜかというのが読み進める中での事例等でよくわかりました。


何度か読み直して咀嚼していきたい、そんな名著です。

それでは今週はこの辺で。

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです。


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