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食育を学びながら、とれたての魚をさばく!漁師さんから教わる漁業体験

季節に応じた三浦半島の楽しみ方を企画・創造する「シテコベ」は、農業・漁業・酪農・里山自然体験などの体験を通して地域の資源を発見していきます。

直接交流をすることで生産者の想いに触れながら、環境教育や食育、SDGsなども楽しく学ぶことができるほか、普段の生活にはない非日常の体験を味わえるのもシテコベならではの魅力です。

今回は3月30日に長井漁港で開催された【魚さばき体験 & 市場・漁船見学】の様子を紹介します。

▼農業体験のイベント動画 ・レポートはこちら

地域の魅力発見体験サイト「シテコベ」

「シテコベ」は長井の漁師さんの方言で「やってみよう(してこべぇ)」という意味。自然環境豊かな三浦半島で「漁業・農業体験などを通して、地域資源や魅力に触れてもらいたい」と思い、体験プログラムを企画する事業をスタートさせました。

「田舎だからこそたくさんの魅力がある」。"体験"を通して地域の付加価値を高めていきます。

▼シテコベ代表・嘉山の想いはこちらから確認できます

とれたてのイワシをさばき、漁業についての知識を深める

房竹丸・宮川さん

今回の体験拠点となったのは、神奈川県でも屈指の水揚げ高を誇る長井漁港です。海の潮風がほんのり香るなか、漁師さん指導のもと、とれたてのイワシをさばく体験、市場や漁船見学を開催しました。

団体向けに開催された体験プログラムでは、小学校1年生〜3年生までの子どもたちが参加し、元気いっぱいの挨拶からイベントがスタート!

房竹丸・渡辺さん

漁業体験をおこなってくれたのは、房竹丸(ふさたけまる)の宮川さんと渡辺さんの2人。魚の収穫だけではなく、さばいた魚を加工したり販売したりと、6次産業にも積極的に取り組んでいる房竹丸の2人から、普段は聞けない漁業の話を聞くことができました。

シテコベで開催した、タコづくし体験の様子

房竹丸では魚をさばく体験以外にも、タコのさばき方や美味しい加工の仕方などをレクチャーする「タコづくし体験」、とれたての生ワカメを食べる「ワカメの加工体験」など、季節に合った漁業体験をシテコベで開催しています。

▼房竹丸のTwitterもぜひチェックしてみてください!

食育とSDGsを学びながら、命と向き合う時間

漁業体験でさばくのは朝とれたばかりのマイワシ。宮川さんからレクチャーを受けてイワシをさばいていき、そのあとは実際に生きている魚を見るために市場や漁船を見学しました。

まずはイワシをさばく前に宮川さんから魚について学んでいきます。

長井漁港ではマイワシのほかに、カタクチイワシ、ウルメイワシ、ハダカイワシなどの種類がとれます。イワシは年に2回子どもを産みますが、その子どもとなるシラスは12月31日〜3月10日まで、神奈川県では禁漁になります。

こちらのマイワシをさばいていきました

なぜ禁漁になるかを聞かれた子どもたちは、「魚をとりすぎてしまうから」と答えます。実は禁漁期間はイワシの産卵期にあたるため、シラスが少しでも大きくなるように禁漁する時期を設定しているそう。

魚をとらない時期はSGDsの目標の一つでもある「海の豊かさを守ろう」にもつながってきます。その時期はほかの魚をとって漁師さんは生活していると話す宮川さん。

今回は包丁を使わずに親指と人差し指を使ってイワシをさばいていきます。子どもたちは魚をさばく姿に興味津々で、楽しそうに宮川さんの話に耳を傾けていました。

イワシをさばく工程は次の6ステップ!

  1. エラを開いてカマを取る

  2. お腹を開ける

  3. 親指を使って骨に沿って開く

  4. 指包丁で背中まで開く

  5. 1枚おろせたら骨の下に指を入れて骨を外すと3枚おろしの完成

  6. ペーパーを敷いて血を優しく拭き取り、皮をはがす

実際にさばいたイワシ

さばいている途中、たくさん血が出てくると思いますが、水で洗わずにキッチンペーパーで拭いてください。魚は塩水にいるから、真水につけてしまうと新鮮さが保てず美味しくなくなってしまいます。でも、毒を持っている魚もいるので、食べる前には必ず真水で1度洗うようにしましょう。

さばくときのポイントをレクチャーする宮川さんに対して、目を輝かせながら子どもたちが質問する姿が印象に残りました。魚をさばく姿を見ながら命と向き合う大切さを学んでいきます。

普段口にしている魚がどのような過程で食卓に届いているのかわからないこともあります。直接漁師さんと交流しながら漁業について知ることで理解も深まり、魚を食べるときにふとこの日の体験を思い出す。シテコベでは生産者さんとの交流を通して学びを深めていきます。

いざ実践!イワシを手でさばく体験

イワシのさばき方をレクチャーした後は実践タイム!宮川さんから聞いた話を思い出しながら、子どもたちは1人ずつイワシをさばいていきます。

イワシは漢字だと「弱い魚」と書きます。身がボロボロになりやすいので優しく扱ってあげてね。

そう話す宮川さんの言葉を受けて、イワシを優しく丁寧に扱いながらさばいていく姿が垣間見れました。最初は「どうすればいいかわからない」と困惑気味だった子どもたちですが、宮川さんや渡辺さんに積極的に質問しながら、徐々に楽しそうな表情を浮かべたり、真剣な顔つきになったり。

職人並みの手つきで1人で4匹さばいたり、自分のペースでゆっくりさばいたり、友達と一緒に喋りながら楽しくさばいている姿も。

さばき終わったら魚を食べていきます。「おいしい!もっと食べたい」と表情豊かな子どもたち。命の重みを感じながら食べることでより美味しく味わえたのではないでしょうか。

みんなで手を合わせていただきます

とれたての魚を自分でさばくことは、とても価値のある体験になったのではないかと、子どもたちの表情からも感じ取ることができました。

市場 & 漁船見学

続いては、実際に漁師さんがとった魚を見学するため、漁船に向かいます。生きている魚を見て「うわー!すごい」と興奮する子どもたち。身を乗り出しながら魚を覗いていきます。

これはスズキ目ヒメジ科の「オジサン」という魚

市場では当日とれた魚を宮川さんが説明していきます。普段立ち入ることがない漁業の現場を見て、終始楽しそうな表情を浮かべなる子どもたち。

最初は魚をさばくことに抵抗があったものの、少しずつ顔つきが変わっていき、「もう1匹さばきたい!もっとやりたい!」という声も聞こえ、普段とは違った体験にワクワクしているように感じました。

魚の知識や食育について漁師さんから学び、自分でも体験してみる。普段の生活にはない非日常の体験が、記憶に残る時間となっていきます。

シテコベでは季節に応じた三浦半島の楽しみ方を企画しています

今後もシテコベではさまざまな体験プログラムを通して、地域の魅力の発掘や新たな学びを深める活動をおこなっていきます。日常生活の慌ただしい時間から少し離れて、自然と向き合いながら記憶に残る体験をしてみませんか?

最新情報やプログラムの詳細はHPやSNSでぜひチェックしてみてください!
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