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白濱の白の白
2022年11月10日 00:25
冬を見た。朝の微睡に。日の短さに。押入れから出したニットの匂いに。灰色の世界に。切れるような喉の痛みに。水色の作業着を着た、落ち葉の清掃員に。駆り立てられるように過ぎる時間に。珈琲を入れたとき、部屋いっぱいに広がる香りに。刺すように響くオルゴールの音に。煙草の匂いが染み込んだ暖房に。水気のない肌に。そして昨日は、枯れた薔薇に。買ってすぐ、薔薇は枯れた。枯れてしまった。乾燥した室内で、すぐに萎
2022年11月11日 00:37
この週末、立て続けに古い友人たちとあった。長い時間をともにしてきたわけではなく、お互いの半生を深く共有しているわけでもないのだが、ある一面において、価値観と情報量が釣り合っているのだろうか、定期的に会ってはつらつらと話し、時間がくると次に会う日どりも決めずに解散する関係。芸術における文学の独自性について話をする友人もいれば、年相応の色気とは何かについて言いあう友人もいる。その一点においてのみ、彼ら