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日々の断片的記憶・詩集

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日々思いついた詩を書いています。詩が好きなのは祖母譲りです。
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#ショートショート

【タワマン文学】会社の同期と行った高級店の話をします。

【タワマン文学】会社の同期と行った高級店の話をします。

※これは創作です。

「この日本料理屋が気になってるんだけど」

Netflixを見ていると唐突にLINEが来た。

研修で同じチームだった子達のLINE。

あれから数年が経ち、連絡の頻度はめっきり減っていた。

人付合いだ。

仕方がない。

そう思いながら日程調整の表に記入した。

「値段は10,000円です!」

そう言われ、「!?!?」となった。

何故早く言わないのか、何故そんな高い店

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今日も東京の構成員やってます。

今日も東京の構成員やってます。

電車の中、私はボックス席に座りながら帰路についていた。
窓から見える無数のマンション。
無数の扉、無数の窓。
薄暗い曇り空がよりマンションのコンクリートの質感を際立たせていた。
一つ一つのビルが細胞のように思える。
ビル自体がそれぞれ個性のあるクリーチャーでそこに格納されている人達。
自分もその一つ一つの細胞の構成員でしかない。
そしてこの無数の人達も自分と同じようにご飯を食べて毎朝ゴミを出す。

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東京に期待しすぎていた。期待したものはなかった。

東京に期待しすぎていた。期待したものはなかった。

昨日、豊洲周辺を歩いて夜景を見たが、何故か虚しくて一人ぼっちであることを再認識しただけだった。

夏の夜風は気持ちよくもあり、まだまだ熱気を含んでいた。

私は北海道の田舎から大学卒業を期に上京した。

彼氏作れよと周りから茶化され、期待を胸に上京した。

満員電車に揺られ、けたたましく電子音が鳴り響く地下街を歩く。

東京は人工的に作られた音が多い。

最初は渋谷や銀座を散歩してはしゃいでいた。

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