鬱病の果て(2)

産業医からドクターストップをかけられ休職となり、翌日病院へ向かった。
休職手続きもよくわからないまま、とりあえず診断書を貰いに行った。まだ上司にも伝えていなかったため、診断書を渡しに行くと同時に引き継ぎ案件をできる限り伝えようと考えていた。
医者からは、診断書は郵送で送りこのまま休むようにと指示された。そんな無礼な話があるものかと思ったが、医者の表情と言い放つ言葉から私は事の重大さに気づいた。
週明けの早朝に上司へ連絡し、診断書は言われた通りに郵送することになった。医者は私が会社へ行くことで、余計に責任を感じて仕事をすることを防いだのだ。
私は病院を後にして薬局前にある近くのベンチで呆然としていたが、ぽろぽろと涙が溢れてきて、その場で拳を強く握りしめて号泣した。悔しさと責任感で心が押し潰されそうだった。次は心配してくれていた家族や近くの友人、更には内定者時代から共に苦難を乗り越え毎日電話する程仲の良い一人の同期にも伝えなければならないという難題も出て来た。
頭が働かず携帯で家族や友人への病気の伝え方を検索結果の全ページを読み切ってしまうほど調べていた。

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