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#短編小説
ルーシー、鍵を開けて【小説】
ルーシー、鍵を開けて
一つの展示物のように、真四角の白い家は立っている。
彼女の家にはあらゆる人が訪れる。知恵をあてに、情報がほしくて、アイディアを求めて、好奇心によって。ルーシーはいつも、広い、真白なダイニングで、迎え入れる。
ルーシーはミニマリストで、家具はほとんど置いていない。廊下はなく、扉を開いた瞬間、がらんとした白いダイニングがあり、真ん中に色のないテーブルを挟んで向かい合う
渦のなか uzunonaka
狭いところは落ち着く。水音のする場所は絶対領域だ。目を瞑って、密着する金属質の壁に身を預ける。日差しはあまり強くない方が良くて、僕は裸のままがいい。
服を着ていることが煩わしい。何も着ないままで生きてはいけないだろうか。中学くらいから思っていた。母に相談してみたが、「無理に決まってるでしょ。この日本で。世間体を考えなさい」というので、どうやら僕を日本から出す気はないらしい。僕も、そもそも考