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大島康正 實存倫理の歴史的境位-神人と人神- 創文社 昭和三十一年 白ページ

一九五八年二月十一日. 二十七歳の誕生日に.
空はただの蒼さだった。窓をあけ、朝の冷やかな空氣を入れ、田園の曲を聽きながら、こゝでやっとキルケゴールが讀めるまでになった と思い、書架に三年前から、ちりをあびていた選集をとり出して、瞬間と書かれた表紙をつくゞくと眺めた。私は幸福だった。

白ページ 筆記より


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