見出し画像

サラリーマンからの引退を考える

こんな相談を頂きました。
相談:48歳のサラリーマンです。この年でサラリーマン引退を考えていますが踏み切れません。

①サラリーマンの引退

サラリーマンから引退を考えているが踏み切ることが出来ないとの相談を頂きました。ここで引退という言葉使われている所に、何かポイントがあるかもしれません。まず、いつものように引退という言葉の定義を見てみましょう。

引退とは「役職や地位から身を退くこと。スポーツなどで現役から退くこと」

大辞林 第3版

ご相談者は、サラリーマンという働き方を辞め、そこから退くことを考えているという事です。ということは、転職ではなく、何かしら違う働き方をしたいと考えているのですね。しかし、そこに踏み切る決心がつかない。この場合、ご相談者の心理的には、二つの葛藤が考えられます。

1.相談はしたものの、本当は辞めなくていい理由が欲しい
2.本当に辞めたいので、辞める正当な後押しが欲しい

このような相談の場合多くは、相反する心の葛藤が起こっていると考えられます。この相反する気持ちに折り合いつけたいという事かと思います。

②相談はしたものの、本当は辞めなくていい理由が欲しい

引退したいとの相談なのに、どうして「引退しない理由が欲しい」のか?という点を説明致します。そもそも、悩むという行為は、結論が出せなくて苦しんでいる状態です。そこには、サラリーマンを引退したいけれど、それを止める何かがあるわけです。その何かの為に、結論が出せず、苦しんでいる状態です。この場合、このような問いに答えてみてください・

問:サラリーマンから引退を考えているあなたを止めているものは何ですか?
問:引退を考えているあなたを止めているのものが、ハッキリすれば解決出来ますか?
問:引退を止めている原因を解決すれば、スッキリ引退できますか?

最初は、ハッキリしないかもしれませんが、真剣に答えてみてください。キーワード等が頭に浮かんだら、紙に書き出すのもいいかもしれません。ある程度答えが出たら、その障害となっている事柄の解決方法をみつけ、実行すれば、ある程度答えが出てくるかと思います。

③本当に辞めたいので、辞める正当な後押しが欲しい

前②とは違い、実は引退を止めていた障壁も特になく、単に外に飛び出す勇気がないので、その背中を押して欲しいという心理がこれです。この場合は、次の問い答えてみてください。

問:あなたがサラリーマンを辞めず、このまま続けるとしたら、あなたはどうですか?
問:あなたがサラリーマンを辞めず、このまま続けるメリットは何ですか?
問:あなたがサラリーマンを辞めず、このまま続けるデメリットは何ですか?

あなたの心は既に決まっているが、ここまで続けてきたサラリーマンという社会から出るのが怖い。これは、いわゆる人間が持っている現状維持メカニズムが強く働いているからです。

本来、人間の司令塔である「脳」は、その生命を維持する為に、現状を徹底的に維持するよう作られています。つまり、変化を嫌い、とことん現状維持を実行するのが人間という存在なのです。

例えば、幼い頃、学校でクラスの席替えをするだけでも、相当に心がざわついた経験をあなたも持っていると思います。これは、脳の現状維持メカニズムによる、変化への恐れです。席替えをする程度の環境変化でさえ、その変化に違和感を感じてしまうのが人間という生き物だという事です。

ましてや、サラリーマンを引退し、新しい道へ進むというような大きな決心に、葛藤が生じないわけがありません。今回の問いではっきり答えがでたら幸いです。

➃生きる道は沢山ある

どんな生き方でもそうですが、その生き方に違和感を抱いたり、限界を感じることは多々あると思います。その理由は様々ですが、そんな時は、次のステージへの何等かの変化が起きている時なのかもしれません。

先程も書いたように、人間は変化が大嫌いです。しかし、変化無くして成長することが出来ないことは歴史が証明しています。その時は、これまでの視点を外すチャンスでもあり、大きく変化出来る可能性の時でもあるかもしれません。

人生80年と考えても、まだまだ時間はあるものです。生きる道も、考え方も無数にあるはずです。ある意味、サラリーマンという職を引退するという考え方も悪くないかもしれません。

そのうえで一度自分の人生を俯瞰してみましょう。
大きな視点から自分を眺めてみると、長い人生での「今」を超客観的に見ることが出来ます。
そこに何か新しい見方が出てきたらしめたものです。

さて、どうでしょう?こんな風に、サラリーマンを引退するを考えている自分は?

このようなご相談を頂いたということは、もしかしたら相当否定的になっているかも知れません。でも今申し上げたように、潜在的なあなたはまだまだ進歩したいわけです。だから悩んでいる。

まだまだ捨てたもんじゃありません。

⑤今日も名言―

「人生には、いくつもの区切りがある。だが、そこで今までの経験やその価値がなくなるわけではない。それを活かすことができるか否かは、自分次第。」~野村克也


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?