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メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問

<はじめに>

「メタ」
あるものを一つ上の視点から客観的に見てみること。
「メタ認知」
視野を広げて自分を客観視するために必須の姿勢。

本書より

様々な物事を「一つ上の視点から」考えてみることが重要。
=本書で伝えたいメッセージ。

本書を手に取った人。
➜自分が「気づいていない」ことに「気づいた」人。

※あるべき姿や理想の社会を実現するための方策を考えたい人におくる本。

🐾メタ認知が必要な理由

①「気づき」
自分がいかに知らないか。
自分がいかに気づいていないか。
➜認識することが知的成長への第一歩。

気づいていない。
➜教育
=時間の無駄。

②「思い込みや思考の癖から脱する」
「思い込み」
「自分(の考え方)が正しくて当たり前だ」

成長するための考え方。
=「自分は間違っているかもしれない」
➜常に自分自身の価値観を疑ってみることが重要。

「思考の癖」
無意識に持っている「視野の狭さ」「思考の盲点」

「視野の狭さ」の最大の落とし穴。
=自分が気づいていないこと。

③「創造的な発想」
➜①②で得られた気づきや発想の広がりを基にしたもの。
「なぜ?」
➜メタの視点に上がって新しい方法を考え出す。
「遠くの世界から借りてくる」
➜斬新なアイデアを生み出すアナロジー思考。

🐾メタ思考が苦手な人のイメージ

本書より

・感情にまかせて行動する人。
・思い込みが激しい(ことに気づいていない)人。
・常に具体的でわかりやすいものを求める人。
・(根拠のない)自信満々の人。
・他人の話を聞かずに一方的に話す人。
・「自分(の置かれた環境)は特別だ」という意識が強い人。
など。

往々にして行動力がある。
➜それなりの実績を上げている。
=地位の高い人が多い。

メタ思考不能の状態に拍車がかかっている。
➜メタの視点で考えるのはほぼす可能。
=本書を手に取らない。

気づいていない。
=視野の狭さに気づくことはない。

🐾本書で出される演習問題

➜メタ思考をトレーニングするための問題。
例)
・上司から「ドローンについて調べて報告して」と言われたら、次に取るべきアクションは何か?
・お寿司以外の「回転〇〇」を考えよ。
・「昔ながらの喫茶店」の競合はどこか?
・「信号機」と「特急の停車駅」の共通点は?
・「経理業務」と「スポーツ審判」の仕事上の共通点は?
・「コピー機」と「エレベーター」の共通点は?
・「タクシー」と「土産物屋」の共通点は?
など。

問題を考えながら読む。
➜自分の答えと解説を比較する。
➜応用問題でさらに考え方を定着させる。

「無知の無知」思考停止。
➜「一つ上から見てみる」
=成長の機会が増える。

🐾3つのトレーニングツール

①思考停止度のチェック
➜「メタのレベルに上がる」というイメージをつかむ。
②「なぜ?」
➜メタに上がるための合言葉。
③「アナロジー思考」
2つ以上の物事の間にある共通点に着目し、考えている課題に応用する思考法。
➜創造的な発想を生み出す。

演習問題を考える。
➜誰にでもある程度再現可能というイメージをつかむ。

本書の演習問題
➜唯一絶対の「正解」があるタイプではない。

解説で示される「考え方」から解答例を上回る解答を考え出す。
=「考える」トレーニング。
➜これまでと違った世界の見方をするイメージがつかめる。

<第1章 ウォームアップ編>

🐾「自分勝手さ」を思い知ろう

無意識の自己中心的なバイアスを知る。
例)
・「貸した金」はいつまでも覚えているが、「借りた金」はすぐに忘れる。
・「いまの若い人」は頼りなく見える。
・「自分だけが損をしている」「あの人だけが得をしている」とよく思う。
・他人のことは安易に一般化するが、自分は特殊だと思う。
・他人の失敗は「実力がないから当然だ」と思うが、自分の失敗は「運が悪かった」と思う。
・他人に対しては「一部分だけを見て正論を吐くな」と思うのに、自分は一部分しか見ない(ことに気づいていない)で他人に正論を吐く。
・「上司の短所」はいくらでもあげられるが、自分は「良い上司」だと思っている。
など。
➜自分にも周囲の人にも必ず当てはまる。

メタの視点に上がる。
➜自分の特殊性を排除する。
=自らを客観視する。

🐾「自己矛盾」を探してみよう

「自分勝手さ」の最もたるもの。
➜発言や行動における「自己矛盾」

自己矛盾メタの視点ではじめて気づける。

「言っていること」と「やっていること」が違う。
「言っていること」「自分が見ている世界」
「やっていること」「他人から見えている世界」

自分自身を離れた上から見ている人ほど差が小さくなる。
➜実際は自分のことはよく見えていない。

「自己矛盾」
例)
・「批判する人って生産的じゃないよね」という批判。
・「他人の悪口をネットで言っているやつは許せない」というネットの悪口。
・「代案を出さずに反対するのはやめろ!」という反対意見。
・「人の話を聞くのが大事だ!」という一方的な押し付け。
・「マニュアル通りにやるな!」というマニュアル。
・「私にはポリシーがありません!」というポリシー。
・「抽象化・一般化なんて無意味だ」という一般化。
・「人の言うことは鵜呑みにするな!」というアドバイス。
・「傾聴力が大事だ」という一方的講演。
・「うちの部下はできないのを他人のせいにするんだよ」という上司。

「非メタ思考の権化」
=年配者の「近頃の若いものは不甲斐ない」
理由)
・自分の若いときのことは棚にあげている。
・その構図はいつの時代でも一緒なのに、「今の」と自分たちの時代だけ特殊視している。
・そういう若い世代を作ったのは自分たちの世代だということに気づいていない。
➜メタ認知できていないことのオンパレード。
=自分自身は気づいていない。

🐾「メタ視点」の応用トレーニング

【演習問題】
「顧客の気持ちになれない職業」とは?
例)
・男性の産婦人科。
・凶悪犯担当の弁護士。

【応用問題】
「相手の立場に(構造的に)なれない職業」を探してみる。
➜病気や犯罪を対象とする職業に多い。

🐾「無知の知」を実践しよう

「気づいていないことに気づいていない」
=「無知の無知」状態。
➜他人の力では絶対に脱せない。

※「無知の無知」の人は本を読まない。
=本書を読んている時点で第一ステップはクリア。

本を読む人。
➜知的好奇心がる人。
=未知への探究心がある人。

「無知の知」を実践する。
自分の価値観と反する事象に遭遇したとき。
「相手がおかしい」
➜「なにか自分の理解できない世界がある」

※「相手を変えようとする」か「自分を変えようとする」かの違い。

【実習問題】
「理解できない価値観」に出会った経緯を思い出す。
・どのようにしたら理解できるのか?
・新しいアイデアが生まれないか?
➜考えてみる。

例)
「世代間ギャップ」
「異文化ギャップ」
など。

【解説】
病欠などの業務連絡をLINEでしてくる。
➜世代間ギャップ。

上司➜「非常識だ」
部下➜「何が悪いのかわからない」

電話➜メールという「世代交代時」にも同様のことがあった。

手間がかかる昔ながらの方法。
=フォーマルで丁寧。
VS
効率的な新しい方法。
=インフォーマルで失礼。
という構図。
➜昔から繰り返されてきている。

新しい価値観。
➜自分の凝り固まった思考に気づくのに有効な手段。

「わかっていないのは自分のほうかもしれない」
➜気づきへとつなげる。

【応用問題】
「理解できない行動」を理解する。
➜自分の常識のほうを疑ってみる。
他にないか考えてみる。

●メタのレベルで考えるとは?

本書より

メタ思考に上がるための準備
=「そもそもの心構え」

メタ思考のための二つの方法
「上位目的を考える」
「抽象化する」
➜能動的かつ創造的なアイデアの創出。

<第2章 Why型思考のトレーニング>

🐾「なぜ?」だけが特別な理由

「考えることを考える」
➜メタ思考のためには「基本中の基本」
=日常生活の中で常に意識できるかが重要。

●基本編
思考回路(の癖)を確認する。
【演習問題】
(上司やお客様から)「ドローンについて調べて報告して」と言われました。次に取るべきアクションを一分間でなるべく多くあげてください。
(目安:十項目)

例)
・インターネットで検索する。
・(社内でよく知ってそうな)〇〇さんに聞いてみる。
・関連書籍を買う。

【解説】
①「ドローンについて調べる」
➜「具体的に」「実行するか」
例)
・アメリカの導入例をネットで調べる。
・海外の入門書の電子書籍を読む。
・試しに安いドローンを自分で購入してみる。

②「なぜドローンについて調べる必要があるのか?」
➜問題そのものに対する疑問。
=依頼のそもそもの目的を確認するため。
例)
・「その調査結果を何に使うのか」を依頼主に確認してみる。
・調査目的が何かの仮説を立てる。

①➜具体性、実行重視のHow志向。
②➜目的重視のWhy志向。

メタ思考に近いのは②
➜「問題そのものについて」考える。
=問題そのものを上から見る。

本書より

「そもそもこの問題で良いのか?」

問題ありきの考え。
「問題の外側」
「他にもやるべき問題がある」
➜気づけない。

🐾「上位目的」に上がるとは?

本書より

「上に上がって」考える。
➜別の手段が出てくる。

本書より

下に向かうための疑問詞。
5W1(n)HからWhyとWhatを引いたもの。
・When?
・Who?
・Where?
・How(***)?

「Why?」➜目的を問う。
➜ほかの問題(What)が導き出される。

Why以外の疑問詞「具体化」のための疑問詞
➜「与えられた問題をどのように解くか」

Why
➜「そもそも問題は違うところにある」

🐾上位目的を考えることの二つの意味

1.「そもそもの問題を定義し直してしまうこと」
2.「その問題の解決の仕方を示唆してくれる」
(部分、方向性など)

本書より

ドローンの例
・技術的なことを調べるべきか
・ビジネスへの用途を考えるべきか
➜Howのやり方を教えてくれる。

「上流」にさかのぼる。
➜考える土俵を変えてしまう。
=メタ思考としてのWhy型思考。

●Whyは二つの方向で「時間を超える」
Why?「なぜ?」
➜過去に向けて「なぜ?」と問う。
=「因果関係」を探ることができる。

未来に対して問いかける。
➜手段に対する目的を問うことができる。

本書より
本書より

Why?「なぜ?」をくり返す。
➜メタのレベルが一つずつ上がっていく。

メタ思考➜Why型思考
デメリット)
・時間がかかる。
・相手を不快にさせる。
➜Why型思考の「使用上の注意」

🐾そのままやらずに「押し返す」演習

実践編
【演習問題】
①「そのまま」対応したらどういう解決策が考えられるか?
②依頼主の「心の声」(Why上位目的)はなんだったのか?
③Whyに応えるためのより良い解決策は何か?

本書より

【問題1】
「この前の飲み会、時間が短かったね」
①「そのまま」対応したらどういう解決策が考えられるか?
「時間が短かった」
➜「次回はもっと時間を長くしよう」

問題提起者本人が意識的に別の表現をしていることもある。
➜本人自身も真意に気づいていないこともある。

※真の問題に対しては何の解決策にもなっていない可能性もある。

本書より

②依頼主の「心の声」(Why上位目的)はなんだったのか?
➜どういうときに「時間が短い」と感じるか考える。
=「なぜ?」「時間が短かった」と言ったのか。

真意や背景を考える。
・「楽しかった」ことの表現として「短かった」
・特定の話したい人と十分な話ができなかった。
・飲みたりなかった
・途中のイベントが尻切れになってしまった。
など。

③Whyに応えるためのより良い解決策は何か?
真意が「楽しかった」の場合。
➜前回と同じような楽しさをキープする。
=特に大きく方針は変えなくてもよい。

「短かった」ほめ言葉
➜「長かった」なら完全にアウト。

真意が「特定の話したい人と十分な話ができなかった」の場合。
➜別のコミュニケーションの場を特定のメンバーで設ける。

※「時間を長くする」こととセットで行うことも可能。
➜必ずしも相容れないわけではない。

【問題2】
「交際費を部門別にまとめてください」
①「そのまま」対応したらどういう解決策が考えられるか?
「データを集めてください」
➜「集めました」
=コンピュータに取って代わられていく。

※データを集めること自体が目的であることはほぼありえない。

②依頼主の「心の声」(Why上位目的)はなんだったのか?
「集めた情報をどう使うのか?」
➜先の目的があるはず。

※与えられた情報で上位目的の仮説を複数考えることが重要。

「結果としてのアクション」を基にする。
➜いくつかのシナリオを想定してみる。
例)
・経費に対しての「次のアクション」
➜削減の検討。

ヒント➜「部門別に」
=それらの間で大きな差があるという仮説。
➜特定部門の交際費が突出しているなど。

「部門毎に削減目標を決めるための検討をしたい」
➜次のアクションとして考えられるもの。

③Whyに応えるためのより良い解決策は何か?
・部門別にばらつく原因を考える。
・さらに顧客別にまとめる。
・地域別、月別にまとめる。
➜対策の仮説まで考えた上でまとめてみる。

「相手側の立場に立って」
「次のアクションを想定した上で」
➜依頼された内容に取り組む。
=相手のニーズに応えられる確率が上がる。

仕事の段取りの力も向上していく。

🐾「手段の目的化」の発見トレーニング

「手段の目的化」思考停止
➜習慣化してしまった行動に対して目的を問うていく姿勢が求められる。

停滞して活力のない組織。
➜「定例会議」「ルーチンワーク」が増えていく。

「ルーチンワーク」
目的を問わずに、とにかく同じやり方で速く実行することが求められる仕事。

ルーチンワークが多い仕事。
=考える必要がない仕事。
➜変化が起こらす、組織の活力も奪われていく。

「手段の目的化」な会議。
➜「会議を聞くこと」が目的になっている。
=意味のない非効率な会議。

「会議の目的を考える会議」
➜本末転倒な状況。

会議の目的
「意思決定」
「情報の共有」
➜上位の目的は何なのか?
=生産性や出席者のモチベーションが大きく変わる。

●【演習問題】
調査、分析、調整、レビューなど。
➜本来は手段。

「上位目的」は何かを考えてみる。
➜目的の仮説を各々2つ以上考えてみる。

方向性例)
・「その先」に何があるのか?
(調査や分析などの「その先の作業」)
・「その先のさらに先」の最終目的はなんなのか?
(「なぜのなぜ?」)
・ToDo(アクション)の上位目的は、その先のToBe(状態)を実現すること。
・ICT等のツールが手段なら、その上の目的はなんらかの業務。
(利益、売上、コストなど)
・業務の上位目的は、経営上の目的。
(利益、売上、コストなど)
・「上司」からの依頼の上位目的は、さらにその上の「上司の上司」
・お客様からの依頼の上位目的は、さらにその先の「お客様のお客様」
➜「なぜ?」「なぜのなぜ?」を問うてみる。

本書より

「上位の目的を考えるテーマ」
・「調査」「分析」「調整」
➜そのものが目的であることはない。
=その先の結果を何に使うのか?
・「レビュー」
➜その後どうするのか?
・「管理」
➜「管理が目的化」していないか?
=そもそもなんのための管理なのか?
・「システム導入」
➜手段の目的化でプロジェクトが迷走する。
=本当に「当初の目的に対して」成功したのか失敗したのか?
・「統合」
➜統合そのものが目的になっているプロジェクトが死ぬほどある。
・「見える化」
➜「見える化」していったいどうしたいのか?

【解説】
「手段であって目的ではない」
➜常に肝に銘じておくべき。
=基本中の基本

🐾「土俵を変える」演習

メタの世界で考えている人。
非メタの世界で考えている人。
➜世界が違って見えている。

「業界」という線引きの場合。

本書より

目に見える線引き
➜不特定多数の人に対する共通認識として運用される。
=思考を硬直化させ、変革への障害となる。

目に見える線引の典型例。
・法律
・規制
・会社の規則
など。
➜誰にでもわかるもの。
=仕組みを運用するのに必須のもの。

変革に対しては障害要因になる。

メタのレベルに上がる。
「そもそもその線引きは何のためだったのか?」
=Why

●「線を引き直す」メタ思考トレーニング
「自分の製品や会社の競合はどこか?」

非メタのレベル
➜同種の製品、サービス。
=「同じ業界内」の会社。

メタのレベル
例)
吉野家の牛丼の場合。
選択肢)
松屋の牛丼
すき家の牛丼
➜同じ業界内で選択しているのか?

牛丼チェーンで食べようとしている人。
「時間がないので早くそれなりのもので済ませたい」
選択肢)
「立ち食いそば屋」
「カウンター席のみのカレー屋」
=競合相手

目的を考える。
➜競合相手が変わってくる。

●【演習問題】
「昔ながらの喫茶店」の競合はどこか?
・検討ステップ①
目的を列挙してみる。
例)
コーヒーを飲む、ヒマを潰すなど。

・検証ステップ②
目的の仮説に対して「別の手段」がないか?
➜喫茶店業界以外の選択肢を考えてみる。
例)
「コーヒーを飲む」に対して。
・コンビニで買う。
・自販機で買う。
・家で自分で作る。
・オフィスのコーヒーマシンで作る。
など。

【解説】
「顧客ニーズが変化する」
➜上位目的は簡単に変化するものではない。

メタ思考で考える。
➜「簡単に変わらないもの」に立ち戻って代替手段を考えられる。

本書より

【応用問題】
・「若年層に車が売れなくなった」ことの「競合」は何だったか?
・時代の変化とともに「同じ目的を満たす他の手段」が出てこなかったか?
・車を所有することの上位目的はなんだったか?
➜別の手段で満たしていることがないか?
(若者の「お金の行き先」がどう変わったか)

<第3章 アナロジー思考のトレーニング>

🐾アナロジーとは?

類推「類似のものから推論する」こと。
➜似ているものから「借りてくる」とこ。

パクリとアナロジーの違い。

本書より

大きな違い抽象度の違い。

パクリ抽象度が低い。
➜具体的なレベルでのマネ。

アナロジー抽象度が高い。
➜目に見えない類似性を用いる。

アナロジー思考の基本抽象化
「抽象化」
複数の具体的な事象に高次の共通点を見つけて一般化すること。

「高次の」「メタ」の視点

共通点を基にする。
➜一見まったく異なるように見えるものをつなげる。
=新しい発想を生み出す。

アイデアの豊富さ。
➜いかにアイデアを異なる世界から借りてくるかに依存する。
=なるべく遠くに目を向ける必要がある。

パクリ具体➜具体
=非メタ思考
アナロジー具体➜抽象化➜具体化
=メタ思考

🐾アナロジーは「抽象化」+「具体化」

抽象化のレベルが上がる。
=メタのレベルが上がる。
➜汎用性が上がり、遠くの世界が一緒に見えてくる。

アナロジー「パターン認識」の能力。
「パターン認識」
複数の個別事象に共通点を見出すこと(抽象化)
共通点から過去の経験や知識と結びつける。
➜新しい分野における知見を得る(具体化)こと。

本書より

合わせて読むのにオススメの本。

●アナロジーの重要性
➜「不連続な」発想を生み出すことができるから。
=「論理思考」の対局。

「論理(ロジック)」
一貫性や連続性「飛躍がない」ことを目的としたもの。

アナロジー「飛躍を起こす」ためのもの。

ビジネスで必要な理由。
1.現状にとらわれない新しい発想ができること。
➜ICT化の進展した現代のビジネス環境で重要。

変化が激しい。
➜これまでの経験の賞味期限が短くなっている。
=成功体験が通用しない。

2.業界を超える選択肢が多くなってきている。
例)
「オンデマンドマッチングモデル」
「シェアモデル」
「サブスクリプション」
➜抽象度が高く、一般化された戦略オプション。
=業界を超えた展開が容易に可能。

3.抽象化によって新しい概念を理解することができる。
例)
・ICT(情報処理および通信技術を総称する用語)
・Fintech(金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語)
➜抽象度の高い概念。
=理解するためにアナロジーが必要。

なにかに例える。
➜理解を容易にできる。

4.複雑な事象を他者に簡単に説明できる。
自分の理解に役立てられる。
=他者への説明にも有効。

🐾アナロジーの「弱点」

あるいは「使用上の注意」

アナロジー「飛躍がある(起こせる)」
➜長所であり短所。
=良くも悪くも「発想の飛躍」が起こせるところ。

あらっぽく、大雑把な議論になりがち。
➜だからこそ大胆な仮説を立てるときに役立つ。

アナロジー
・「ザックリと」理解する。
・大きな方向性を考える。
・仮説を立てる。
➜向いている思考法。

※厳密な証明を論理的に積み上げるのに向いている思考法ではない。
➜「状況証拠」であって「物的証拠」ではない。

AとBが似ている。
「なぜそれらが似ているのか」
➜言及しながら推論を進めることが必要。

🐾アナロジーに必要なのは「意訳力」

【演習問題】
①子供の頃に自転車の乗り方を覚えたときの経験や教訓を、なるべく具体的に(自転車ならではの言葉や固有名詞で)リストアップしてみる。
②経験や教訓を、他の学び(英会話や簿記、料理などの習い事)に応用できないか考えてみる。

【解説】
アナロジー思考のイメージをつかむためのもの。

アナロジーに必要な物「翻訳」
➜考え方自体がアナロジー思考の産物。

翻訳の種類直訳と意訳
「直訳」
文字通りの訳
➜単語をそのまま一対一で置き換えたもの。
=抽象度の低い変換。

「意訳」
アナロジーに相当する。
➜言葉の持つ「概念」をとらえて異なる言葉で翻訳すること。
例)
”silver bullet”
直訳「銀の弾」
➜意味するところは「難題を簡単に解決できる道具」

日本語への「意訳」
➜「特効薬」

本書より

①の自転車の経験の場合。
・父親に支えてもらった。
・補助輪を1つずつ外していった。
・はじめはゆるい下り坂から始めて、続いて平らな道に進み、最後は上り坂で練習した。
・ブレーキの使い方を間違えて転んだ。
など。

なるべく具体的に書くことが重要。
「他の人に」➜「父親に」
「道具の助けを借りて」➜「補助輪を使って」

良いアナロジー思考。
➜具体と抽象の「ギャップ」が大きいこと。
=アイデアの源は徹底的に具体的に捉えることが重要。

例)
「補助輪」
=自転車でしか当てはまらない言葉。

「左右のバランスを調整する」
「はじめは付いていて、片方ずつ取っていくことができる」
➜補助輪ならではの特徴を抽象化した状態で抜き出すことができる。

英会話の学びに適用する。
「左右のバランス」
➜「スピーキングとリスニング」
=「翻訳」

「段階的に補助輪を外していく」の場合。
個人の左右のバランスの癖を考慮する。
(話すのが得意か聴くのが得意か)
➜サポートするためのアプリや教材を段階的に「外していく」
=「翻訳」

「サポートツールがあったほうがよい」の場合。
抽象度が高い言葉。
➜あらゆる学びに適用できる。
=一般的すぎる。
➜「面白くない」アイデアしか出てこない。

「下り坂➜平らな道➜上り坂」の場合。
➜「ヒアリングを0.5倍速➜平常速➜倍速で練習していく」

「元の言葉の特徴」を一般化しすぎない。
➜具体的に抽出しながら思い切って抽象化する。
=アイデアの利用先ならではの言葉で具体化する。

具体➜抽象➜具体の往復を思い切って行う。
➜優秀な意訳に通ずる。

🐾アナロジーと謎かけ

アナロジーを習得する。
➜「共通点を探す」

●【演習問題】
①「相撲」と掛けて「花見」と解く。その心は?
②「無重力」と掛けて「満腹」と解く。その心は?
③「お好み焼き」と掛けて「ダイエット」と解く。その心は?

【解説】
解答)
①「せきとり(関取・席取り)が必要。
②「くうき(空気・食う気)」がない。
③「へらない(ヘラない・減らない)」と困る。

謎かけのプロセスの類似性。
➜関係性の類似点。

Aと掛けてBと解くその心は・・・C
➜「共通点を探す」
=アナロジー思考回路と同じ。

AとBは別世界のもの同士。
➜Cが共通点。

【応用問題1】
「プロセス」を改めてたどりながら考える。
①「インフルエンザ」と掛けて「嫌いなチームの試合」と解く。その心は?
②「うちわ」と掛けて「信号機」と解く。その心は?

【応用問題2】
自分で謎かけの問題を作って、他人に出題してみる。

🐾二通りのプロセス

①「具体➜抽象」「抽象➜具体」という二段階のもの。
②「抽象➜具体」の一段階のもの。

本書より

●【演習問題】
回転寿司以外に、何かを回転させる「回転〇〇」のアイデアを考える。
「なぜ〇〇なのか?」
「その成功要因は何か?」
➜考察してみる。

・演習のポイント1
類似の食べ物からはじまって、どこまで「遠くに」この業態の特徴を飛ばして膨らませることができたか?

・演習のポイント2
回転の仕方も回転寿司スタイルからはじまってどこまで抽象化して別の形態まで考えることができたか?

・演習のポイント3
成功要因について、どこまで抽象化しつつ「寿司ならでは」の特徴まで抽出することができたか?

・演習のポイント4
成功要因について、顧客側の視点のみならず提供者側の視点も出すことができたか?

【解説】
アイデアの抽出。
➜類似の食品を考えるのが考えやすいアプローチ。
=手当たり次第に組み合わせてみる。

例)
・牛丼
・カレー
・ポテトチップス
・アイスクリーム
・おにぎり
・おでん
・焼肉
・カップラーメン
・居酒屋のおつまみ類
など。
➜様々な「思考実験」をしてみる。
=なんでも「回せばよい」というものではないことがわかる。

どういう食べ物がスタイルに馴染むのか?それはなぜか?
➜「成功要因を抽出する」
=「ただの思いつき」とアナロジーとの違い。

「成功要因の抽出」抽象化

回転寿司の特徴。
「少量ずつ小分けになっている」
「いろいろな味を試せる」
「各々の種類に多様性がある」

回転寿司ならではのメリット。
「意外な出会いがある」
➜今まで食べなかったものに興味が向く。

「生産設備」としての回転寿司。
「受注生産」と「見込み生産」を絶妙のタイミングで組み合わせられる。
お昼➜需要が大きい。
=「見込み生産」で在庫を多量に乗せておく。

閑散時間帯➜需要が小さい。
=「受注生産」で対応する。
➜「賞味期限が短い」寿司には絶好のスタイル。

回転寿司
「受益者側(顧客)」
「提供者側(お店)」
➜成功要因を巧妙に満たしている。
=回転寿司が広く普及した要因。

要素を満たした成功例。
タイでチェーン展開している「回転しゃぶしゃぶ」

【応用問題】
・「ポテトチップスやスナック菓子」はうまくいきそうか?
➜いかないとしたらなぜか?どうすればよいか?
・「ケーキ」はうまくいきそうか?
➜いかないとしたらなぜか?どうすればよいか?
(ケーキは「バイキング」の形をとるのか?)
・「ピザ」はうまくいきそうか?
➜いかないとしたらなぜか?どうすればよいか?
・「おでん」はうまくいきそうか?
➜いかないとしたらなぜか?どうすればよいか?
・「焼肉」はうまくいきそうか?
➜いかないとしたらなぜか?どうすればよいか?

食べ物以外はどうか?
「選択肢を小分けにして顧客に提供する」
➜スタイルが適用できないか?

ヴァーチャルな世界ではどうか?
➜何かを「回転させる」ことができないか?

🐾「構造的類似」を探そう

「構造」
関係性の1種。
本書では3つ以上の関係性を組み合わせたもののこと。

●【演習問題】

本書より
本書より

【解説】
1つ目のパズル問題。
上の3つの四角形。
➜時計回りに90度ずつ回っている。
=影の部分も移動している。

法則をもとにするとCが当てはまる。

2つ目のパズル問題。
BとD、AとEは、大小の円をそれぞれ小と大に変えれば一致する。

仲間はずれはC。

問題で問われているのは「関係性のパターン認識」
➜関係性が複雑になるほど難しくなる。

ある程度複雑な関係性「構造」

「目に見えない関係性や構造」を日常、ビジネスの中で見出す。
➜パターン化する。
=アナロジー思考

「関係性や構造」
➜メタの視点から眺めることで見えてくる。

🐾身の回りの構造を抽象化するトレーニング①

●【演習問題】
「信号機」と「特急の停車駅」の共通点は?
➜「関係性」に着目して考える。

「関係性」
➜各々の世界における、なんらかの関係性。
例)
信号機➜信号機と何かの関係性。

【解説】
アナロジー的な回答。
「増えることはあっても減ることはない」
(増やすのは簡単だが、減らすのはよほどの覚悟でやらなければできない)

時系列の関係性という「構造」
身の回りの例)
・会社のルール
・家電の機能
・スマホのアプリのアイコン
➜明らかな規則性が存在する。

規則性を知っておく。
➜仕事の上でも何がおきるのか予測ができる。

※構造のメカニズムを把握することで先を読むことができる。
➜アナロジー思考の大きなメリット。

法則性を見つける。
➜「なぜ」そのような法則が成り立つのか考える。
=メタ思考のためのWhy型思考。

「なぜ増えるのは簡単でも減らすのは難しいか」
・あれば便利。
➜メリットがわかりやすく即効的。
=「自然に」増えていく。

・何かあったらどうしよう。
➜減らすのには「勇気」が必要。
=なくすことによる効率化よりもはるかに大きい。

アナロジーで考える。
「職場におけるルールやチェックリストはなぜ増えることはあっても減ることはないのか」
➜メカニズムを考える。
=対策を考えるときの参考になる。

🐾身の回りの構造を抽象化するトレーニング②

構造の抽象化をビジネスのアイデアに繋がりそうなもので考える。

●【演習問題】
「ポイントカード」と「パスワード」の共通点は?
「知らない間に増えていって管理ができなくなる」以外の特徴。

【解説】
「ポイントカード」と「パスワード」の類似点。
・放っておくと増加する。
・どれがどれだったか訳がわからなくなる。
・肝心なときに取り(思い)出せない。

原因から考える。
➜構造的に「よくある」こと。
=2つのアイテムならではの特徴も見えてくる。

特徴)
「提供者側視点で、利用者の視点が無視されている」こと。
➜増やそうとするのは提供者側。
=迷惑を被っていくのは利用者側。

🐾「〇〇化」で借りてくる

抽象化された特徴を再び具体化する。
➜「下向きの矢印」の基本動作の演習。

●【演習問題】
①バイキング料理とは「要するに」どういう特徴があるのか、その特徴を表現してください。
②このような業態はなぜ成立するのか、利用者側にとってのメリット、提供者側にとってのメリットをあげてください。
③上記を考慮の上で、他にも「バイキング化」(定額〇〇放題)できるものがないか考えてください。

【解説】
①「要するに」の特徴。
・定額で
・一定制限時間内に
・多様な料理を自由に選択して(質的要素)
・好きなだけ食べられる(量的要素)

②-1:お客にとってのメリット。
金額を気にせず好きなものを好きなだけ好きなタイミングで食べられる。
②-2:お店にとってのメリット。
・配膳係の人が少なくてすむ。
・需要と供給を同期させることなく「見込み生産」できる。
➜厨房の負担を平準化できる。
・顧客のメリットを満たしているので、集客が期待できる。
・会計が楽。

③他にも「バイキング化」できないか?
➜定額(+一定時間で)〇〇放題ということ。

アナロジー思考の1つのアプローチ方法。
・遠くのものをランダムに上げる。
・抽象化された成功要因と照らし合わせる。
➜「筋の良さ」をチェックする。

例)
・食べ物類
(ケーキ、ピザ、スナック菓子、カップラーメンなど)
➜ある程度単価があるもののほうが「食べ放題」のメリットを感じられる。
=スナック菓子はNG

基本的に利用者側からだとデメリットがほとんどない。
=ほとんどのものは「悪くない」

お店側の視点。
・配膳の手間がもともと多いもの。
・比較的作るのに時間がかかるもの。
・在庫が聴くもの。
(すぐに食べなくてもよいもの➜「ラーメン」はNG)

本書より

🐾折り曲げの法則

「両極は実は紙一重である」という構図。
例)
人間の長所は短所になり、短所は長所になる。
・慎重➜優柔不断
・決めるのが速い➜思慮が足りない
・人付き合いがうまい➜八方美人
・自分の意思を貫く➜協調性がない
など。

本書より

成功と失敗
➜折り曲げると「同じ」
=対局は「何もしていない」

不満が多い人とアイデアマン
➜折り曲げると「現状に満足していない」
=対局は「現状に満足している」

【応用問題】
「折り曲げの法則」が当てはまるものがないか考えてみる。
(両極端は実は同じ)

<第4章 ビジネスアナロジーのトレーニング>

ビジネスにアナロジーを使うメリット。
・新しい商品やアイデアを生み出す。
・トレンドをいち早くつかみ、それを展開する。

🐾新聞と百科事典の共通点は?

【演習問題】
「新聞」と「百科事典」の共通点は?

【解説】
両方とも「紙が電子に取って代わられようとしている」
➜「有料が当たり前だったものが無料になりつつある」

新聞記事➜インターネット記事
百科事典➜Wikipediaなど

【応用問題1】
・他にも「有料が当たり前➜無料化」という流れのものがないか?
・同じように「有料➜無料」になっていくものは何か?
・可能性があるものはどういう特徴を持っているのか?

【応用問題2】
「ミネラルウォーター」と「テレビ番組」の共通点は?

【応用問題3】
・「NHK」と「ケーブルテレビ」との共通点は?
(非広告モデルで受信料や視聴料を月次で支払うモデル)
・他にも、広告モデルと利用料モデルが混在している商品やサービスはないか?

🐾コピー機とエレベーターの共通点は?

ヒントは時系列で見た売り上げのパターン。
【演習問題】
「コピー機」と「エレベーター」の共通点は?

【解説】
本体を安く提供してその後の消耗品やメンテナンスで収益を上げるビジネスモデル。
「替え刃モデル」「エサで釣るモデル」と呼ばれる収益の上げ方パターン。

【演習問題】
・このモデルの成功要因は何でしょうか?
(どういう性質をもった商品やサービスがこの売り方になじむか)
・なぜ「自動車とガソリン」との間ではこのモデルが成立しないのか?

【解説】
モデルを利用するために。
・「売り切り型」の商品では不可能。
➜本体購入後に繰り返し(定期的に)「追加購入」が発生するものが必要。

コピー機➜消耗品(トナー)
エレベーター➜スペアパーツ「メンテナンス」

「自動車とガソリン」の場合。
ガソリン➜どこでも「ほとんど同じもの」が買える。
=「消耗品で利益を稼ぐ」モデルとは真逆。

モデルの重要な成立要件。
・「本体」と「消耗品」の間に特殊な関係が存在する。
・特定の消耗品でなければ使えない。
(顧客に他の選択肢がない)
➜高く売れる源泉。

※「顧客にとって他の選択肢がない」状況をいかに作れるかが成功要因となる。

「スイッチングコストが高い」
外からの参入障壁を高くして、顧客の「心変わり」を防ぐという戦略。

その後のビジネス。
「サードパーティ」
➜消耗品やメンテナンスのみに特化した会社。
=「おいしいところだけ」に参入し、高利益を上げる。

本家の課題。
消耗品やメンテナンスの特殊性を上げる。
➜参入障壁を築く。

【応用問題】
・他の「替え刃モデル」がすでに適用されている商品、サービス、今後可能性のある商品、サービスはないか?
・従来の商品、サービスが先述の「必要要件」を満たしていない場合に、商品側のほうを変えることによって替え刃モデル型にできないか?

例)
・ミネラルウォーター
➜ウォーターサーバー
・インスタントコーヒー
➜コーヒーマシン

🐾タクシーと土産物屋の共通点は?

料金体系や売り上げパターンの後は、別の切り口でのアナロジーを考えてみる。

【演習問題】
タクシーと土産物屋の共通点は?
ヒント:「顧客構成」

【解説】
「構造」を読み解く上での着眼点
➜「構成比」

「構成比」
構成要素の「関係性」を示すもの。
➜類似しているものを探す。
=アナロジー思考

タクシーと土産物屋の共通点
=「一見さんが圧倒的多数を占める」こと。

ビジネスの成功要因
=いかに一見さんをつかまえるか。

サービスや製品の品質を上げてリピーターを増やすことではない。

成功要因例
・「立地」
(タクシーでは「乗り場で待つ」や「流しのルート」)
・「派手な宣伝」

新規既存の顧客構成比に着目する。
➜全く違う業界や商品から学ぶことも大きい。

【応用問題】
・逆に「常連さん」が大部分の商売を列挙する。
➜共通する成功要因を考えてみる。
・「ほとんど一見さん」という顧客構成のビジネスと比べて、どのような成功要因の違いがあるか?

🐾リモコンとデジタルカメラの共通点は?

【解説】
「ボタンが多すぎる割に使わないものがたくさんある」
➜「増えていく一方」の別バージョン。

例)
デジカメの画素数➜「増えていく一方」

リモコンのボタン、デジカメの画素数。
➜初期は「多いほど歓迎される」状態。

はじめのうちは機能の追加がユーザーの利便性の向上になった。
=歓迎された。

歓迎度合いが飽和する。
➜「使わない機能が増えていく一方」
例)
携帯電話

本書より

技術者
➜黎明期に機能増強でユーザーを満足させた。
=成功体験

機能がニーズを追い越した後。
➜「技術でユーザーを驚かせよう」
=成功体験から抜け出せない。

一つの世界しか経験していない人。
➜構図に気づけない。
=「職人のこだわり」

こだわりユーザーの満足度には関係ない。
➜「競合の目」「自己満足」を重視するようになる。
=必要以上にコストをかけた「高品質」化

製品、サービスの成功要因。
➜「ユーザーの使い勝手」

【応用問題】
「ある時点から機能を増やすことにユーザーにとっての意味がなくなっていくもの」が他にないか?

🐾「常識を打破する」ためのアナロジー

【演習問題】
「水」と「安全」の共通点は何でしょう?

【解説】
数十年前の日本
「水と安全はタダ」

有料ミネラルウォーターの普及。
➜「水はタダ」という常識が崩れた。

ホームセキュリティ、サイバーセキュリティ産業。
➜「安全はタダ」という常識が崩れた。

※「常識」というのは、簡単に常識でなくなる。

常識が破れるパターン。
➜特定の地域、業界などの限られた世界で特殊だと思われていること。

「常識を打破せよ」が難しい理由。
「事情通」によって「常識の打破」がつぶされていく。
例)
海外の飲料会社が50年前の日本人にリサーチした場合。
「日本人は水にお金を払わない」
➜有料ミネラルウォーターは相手にもされない。

自分が出したアイデアを少なくとも一回は人に笑われるようでなければ、独創的な発想をしているとはいえない。

ビル・ゲイツの言葉

「常識の打破」「人に笑われること」

「破壊的イノベーション」が起こり始めたとき。
➜「あんなものは〇〇ではない」
=旧来の世界の主流の人たちの意見。
例)
インターネット➜「あんなものは通信ではない」
デジカメ➜「あんなものはカメラではない」
電子書籍➜「あんなものは本ではない」
ソーシャルゲーム➜「あんなものはゲームではない」
など。

【応用問題】
・今は「常識」だと思っていることが常識でなくなっている世界を考えてみる。
(周囲の人に「笑われる」ぐらいのことを考えてみる)
例)
・週末といえば土日でない。
・1日が24時間でない。

・「あんなものは〇〇ではない」と、いま言われているもの、それが崩れつつあるものを探してみる。
(ヒント:UberやAribnbといったサービスの裏で、どんなことが言われているか?)

🐾異業界をアナロジーで結びつける

「アナロジー謎かけ」を業界と業界の間でやってみる。

必要な着眼点。
=抽象化された類似性。

「業界」
扱っている製品やサービスが同じ会社の集団のこと。
例)
自動車を扱っている自動車業界
電気機器を扱っている電機業界

「業界単位で考える」
➜視野を必要以上に狭めている。

扱っている商品、サービスで見る。
=「非メタ」の視点。

「要するに・・・」
➜ビジネスの成功要因、成功の秘訣を見る。
=抽象化した特徴を見る「メタ」の視点。
例)
・リピート顧客を増やすこと。
・とにかく最初に市場にサービスを提供し始めること。
・顧客からのクレームをいかに速く処理するか。
など。

顧客特性
・法人顧客中心か個人顧客か
(意思決定が論理重視か感情重視か)
・新規顧客(一見さん)中心かリピート顧客中心か
・有料顧客と無料ユーザーとの比率

バリューチェーン特性
・どこが差別化ポイントか
(R&D、生産、物流、販売等)

商品・サービス特性
・ライフサイクルの長さ。
・ライフサイクル中のステージ
(黎明期、成長期、成熟期等)

財務特性
・固定費中心か変動費中心か。

エコシステム
・階層構造かネットワーク型か。

●【演習問題】
「SI(システムインテグレーション)業界」と「建築業界」との共通点は?

【解説】
エコシステム(業界に属する会社の取引関係の集合体)の階層構造。
➜重要な共通点。

SI業界の大規模の会社
➜「ITゼネコン」
=仕事の分担や会社間の「力関係」も類似している。

「上流から下流へ」という仕事の流れも類似性が見られる。
例)
「建築家」が基本的な構想を考える。
➜具体化する。
➜様々な役割に専門分化。
➜役割が明確になる。
➜関与する人数も数千のオーダーに増える。
➜「建築物」ができあがる。
=ほとんど同じ流れ。

必要なスキルや構成要因も上流から下流に向けて変化していく。

元請業者の成功要因
➜「プロジェクトマネジメント」
=類似性が高い。

【応用問題】
今後ドローンの数が増えていくと、ドローン同士や人間との衝突、落下事故など、様々な危険が飛躍的に増えていくことが考えられます。このような将来の課題に対して、「自動車」や「飛行機」がいかに対応してきたのかを参考に、どのようなことが起こりうるのかをいくつかのシナリオで考えてみる。

合わせて読むのにオススメの本。

🐾メタ思考を鍛えるために

①自分に「突っ込み」を入れる。
メタ思考➜「もう一人の自分の視点」
「本当に自分はできているのか?」
➜自問自答してみる。

気をつけるべき状況
・熱中しているとき。
・感情的になっているとき。

例)
メタ思考になりやすい状況。
「話しているとき」 「聞いているとき」

突っ込みを入れる。
➜冷静に対象物を観察する。
=話を聞く必要がある。

②性格悪くなる。
Why型思考の原点。
➜「疑ってかかる」こと。
=「相手の言うことを容易には信じない」ということ。

Why型思考回路を持った人。
➜基本的に他人に合わせることや群れることを好まない。
=「性格が悪い人」

メタのレベルで物事を見る。
➜「覚悟」が必要。

自分で性格が悪いと思っている。
職場で「浮いている」
=チャンス。

「上司やお客様に気に入られる」タイプの人。
=メタ思考を得るためには危機感を持つ必要がある。

③共通点探しのために
アナロジー思考の基本。
=共通点を探すこと。

※人間はみな自分自身(の仕事や業界)のことを必要以上に特殊であるという意識になりがち。

「自分は特殊だ病」
➜脱却することがメタ思考への第一歩。

自分だけが特殊だ。
➜視点が低い証拠。

安易な一般化も避ける。
「離れていながらも共通で、しかもあまり他のものには当てはまらない共通点」を探すことが大切。
➜微妙かつ最適な抽象レベルの選択が重要。

<終わりに>

人間が一切働く必要がない時代。
「上位目的を考えてよりよい手段を考え出す能力」
➜必要なくなることは考えにくい。
(少なくともあって困ることはないと考えてよい)

※どんな時代がやってこようと、メタ思考は「永遠に不滅」のはず。

例)
メタ思考の最後の使い道。
「暇つぶしのために自分で仕事を作って自分で実行する」
=「仕事づくりゲーム」

知ることだけでは十分ではない、それを使わないといけない。やる気だけでは十分ではない、実行しないといけない。

ゲーテの言葉

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