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「好きなヘアスタイルにしたらいいんだよ」の美容師の言葉に救われた。約12年ぶりに似合うヘアスタイルにしたら良いことだらけだった。

以前働いていた職場で、ある美容師さんと知り合ったとき、ヘアドネーション(31㎝以上の髪の毛の寄付)について話したら、もの凄く興味を示してくれました。

それで、ヘアドネーションでは31㎝以上の髪の束がいちばん重要なのですが、切らずに残った髪のスタイルについて相談しました。

それは、次のヘアドネーションを考えて、いつも髪の毛をパッツンと切ったままにします。言い換えると、髪の毛を一切すかないんです。

髪の毛をすく行為は、ヘアドネーションでは、ヘアカラーやパーマをするよりもずっとずっと比べものにならないくらいダメな行為なのです。

理由は、髪の毛をすくと、あたり前ですが大半の髪の毛が短くなります。本人は31㎝以上髪の毛が伸びたと思ってヘアドネーションしますが、その送った髪の毛の束からたった2本しか31㎝以上に達していなかった事例もあるそうです。

それで、いつもヘアドネーションするときは、アゴのあたりで髪の毛をパッツンして、一切すかないのですが、このヘアスタイルがクソ似合わないんです。

どのくらい似合わないかと言うと、接客しているとき、いつもスタッフの対応にツッコミを入れるクレイマーぎみのおじ様がいました。

そのおじ様がヘアドネーションために髪の毛をパッツンしたとは知らずに

「そのヘアスタイル似合わないよ。ロングの方が良かった」

と言いました。わたしは心の中で

(おめぇの目の保養のためにヘアスタイル決めていねぇし! 病気や事故で髪の毛を失った子どもたちのためだし!)

と毒づきましたが、表情って正直ですね。自分では、そのおじ様の言葉に作り笑いで対応にしていたつもりですが、5分後

「さっきは酷いことを言ってごめんね」

と、あのクレイマーぎみのおじ様が初めてスタッフに謝ってきました。このエピソードを先ほどの美容師さんに伝え

「だれがなんと言おうが、ヘアスタイルが似合わなかろうが、パッツンヘアスタイルを貫く!」

と言ったところ

「好きなヘアスタイルにしたらいいんだよ」

と静かに言い出しました。その美容師さんは、普段わたしに歯に衣着せずに厳しいダメ出しもズケズケ言ってくる人なんですが、そのときはもの凄く優しい口調でした。その言葉でなんだか肩の荷がおりた気がしました。

病気や事故で髪の毛を失った子どもたちのために、1本でも多く髪の毛を寄付することも大切だと思いますが、わたしがどこか無理して似合わないヘアスタイルを10年以上続けていることを見抜いていたんだと思います。

その美容師さんは、美容室で働いていなかったので、別の美容師さんに4回目のヘアドネーションを頼みましたが、そのときはやはり髪の毛をパッツンにしてしまいました(というか、どんなヘアスタイルにするかの相談がなく、パッツンにされたままヘアカットを終えた)。

今回、5回目のヘアドネーションでは、ヘアドネーション後に人生初めてのヘアカラーという自分史上最大のイベントがありましたが、自分に似合うヘアスタイルを約12年ぶりくらいにするというイベントもありました。

今回は、6回目のヘアドネーションをするかどうか未定なので、思いきっていっぱい髪の毛をすいてもらいました。

気が変わって、またヘアドネーションしたくなれば40㎝以上伸ばせばいいわけですし、それは、異常なくらい髪の毛が伸びるのが早いわたしからすれば、たった2年半で済むのですから。

美容室に行った翌日、ヘアドネーションのことも、人生初めてのヘアカラーも、約12年ぶりの似合うヘアスタイルも、なにもかも一切事情を知らない人から

「ショート似合ってる。ロングよりずっといい!」

の言葉をいただけました。それは、ヘアドネーション5回目にして初めてのお褒めの言葉でした。

しかも、本日、新しい職場に初出勤したら、面接のとき以来、初めて再会した経営者から開口一番

「髪の毛、ありがとう」

と言われました。その経営者は、就業のいちばんの条件として、白髪を染めてくることを挙げていたからです。

人生で一度も髪の毛を染めていないことは言っていなかったのに、新しい経営者はきっとなにかを感じとって、気にされていたのでしょう。

ヘアドネーションでどこかの子どもが笑顔になり、ヘアカラーでわたしも経営者も幸せになり、白髪がなくなったことでお客様に不安感を与えず、似合うヘアスタイルで自分の気持ちが明るくなり、良いことづくめとなりました。

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