親友の隠れ家的なバーは、隠れたままにしておく理由。
15年近く仲良くさせてもらっている親友がいるのですが、彼女は外見も中身も生粋のお嬢様です。だから、彼女側の知り合いの一部から、
「なぜ、(庶民の)シイラさんといるのですか?(一緒にいないほうがいいですよ)」
と、暗に付き合いを止められることがあります。実は、彼女とわたしには根っこの部分で共通点が多いのですが、その一つに、
これ以上入ってきてほしくない領域には、絶対、踏み込まない
というものがあります。たとえば、彼女が何気なく、
「数年来、お気に入りのバーがあって、ときたま一人で飲みに行く」
と言ったりします。そんなときのわたしの返事は、
「あー、そうなんだ」
以上。これで終わります。
まったく興味がないわけじゃありません。きっと「仕事に疲れた女性が一人でしっぽり飲むのに、雰囲気が良くて素敵な空間なんだろうな」と思います。そんなバーに行って、飲んでみたいです。
と同時に、そんな素敵な空間を、たとえ親友であってもズカズカ踏み込んではいけないと思うのです。
彼女もわたしに行き付けのバーの話をしたのは、なにも「一緒に行こう」と誘っているわけではありません。
ふと何気なく言ってみただけです。そもそも親友ですから、一緒に行きたかったら、はっきりそう言ってます。
あるとき、彼女が職場の同僚に、うっかり、そのバーの存在を話してしまったそうです。すると、
「連れて行って!」
「場所を教えて!」
と連呼されて、断るのが大変だったそうです。
だから、結局、わたしとばかりツルムことになります。そんなことを決して言わないわたしといるのが、とても楽だからです。
でも、親友だからこそ、決して踏み込まない領域があることを、なかなか理解できない人がいます。
「親友は互いのすべてを知っているべき」
と。わたしは、15年近く一緒にいる親友のすべてを知りません。
逆に、すべてを知りたくありません。
すべてを知る必要が感じられないのです。
謎は謎のままでいいのです。
すべてを知ってしまったら、きっと、つまらないです。
知らない部分があるから、神秘的だから、この先もずっと、彼女と一緒にいたいのです。
そんな彼女がモデルの一人になっているコメディ調の小説は、上のマガジンに収められています。よろしければ、お読みください。
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