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仲の悪い姉妹

姉のことが嫌いだった。今でも正直苦手で滅多なことがない限り連絡を取り合わないし、おそらく姉も私が苦手だ。小さい時はよく遊んでもらっていた。いつも姉の後ろを歩き、姉が友達の家に行くとなれば私も一緒について行った。じゃあどうして、いつから姉を嫌いと思う様になったのか。今まで誰にも言う事なく、そもそも姉の存在すら話すことがなかったけど、今日はここで敢えて触れてみようと思う。

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4歳離れた姉に苦手意識を持ち始めたのは私が小学6年生の頃。高校生の姉の反抗期は凄まじいもので、怒鳴り散らし物に当たり、とにかく近くにいることが怖かった。朝起きてこない姉を起こしに行くと怒り、ご飯の準備が出来たから呼びに行くと怒り、「おかえり」を舌打ちで返される妹の気持ちを全くもって考えてほしかった。

でも何よりも許せなかったのは、母親に暴言を吐くことだった。朝から夜寝る直前まで母を罵倒する言葉を聞き続け、私はそれに対して強く怒り喧嘩になる。その都度私自身強い言葉を言われたけれども、そんな事はどうでもよかった。

そんな姉のことを嫌い、恥だと思い、中学生以降にできた友人達には姉がいることを黙って生きてきた。姉は通信制高校へ編入しそこを卒業するとあっさりと家を出て結婚してしまった。小さい頃に平穏と感じていた日々はいつの間にか姉という台風に巻き込まれて、私や両親をひどく傷つけた。それが今でも心に残り、いつまで姉を避けてしまっているのだと思う。

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もちろん、私の受け答えとして悪かった部分もあるのだと思う。それに若くして結婚して現在子供を二人育てている姿は私にはできないことだから尊敬している。それでもあの時よりも丸くなった姉だけど、やっぱりちょっとしたことでのイライラを周囲に振りまく姿は健在だ。怒ってお茶碗をテーブルに置く時、わざわざ大きな音を立て、「分かってるってば」が口癖の様なそんな人で、性格っていうのは根本的には変わらないのだろう。皮肉にもありがたいことに、私はその姿をそばで見てきて疑問に思ってきたからこそ、自分はこうなりたくない・絶対にならないと強い気持ちで自己制御ができる様になったのだと思う。


辛辣な言葉だけど、ただ姉妹である以上縁を切る事はできない。両親に何かあった時は連携しないといけない。そしていつまでも私が苦手と意地を張っていたら距離が縮まらないことも本当は分かっている。


仲の良い姉妹関係に憧れていたのは遥昔のこと。それでも私から何かきっかけを作り、連絡の取り合える関係をこれからは意識して作りたいと思う。そうしなきゃいけないんだと思う。


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