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世代が結束する理由:YUIが好きな理由


それこそ思春期真っ只中ではずっと音楽を聴いていた。布団の中でもイヤホンをつけて、誰かに教えてもらったばかりの曲を聴きながら眠るというなんとも効率の悪い就寝方法をとっていたのは、今となっては面白可笑しくて笑えちゃう。


「世代」という言葉はあまり好きではないけれど、どうしても横の結束力が生まれてしまうのは似たような環境で育ち学び、流行を過ごしてきたからだ。その中には「音楽」が大きく影響しているだろう。私は好きなアーティストにYUIの名前をあげる人とは仲良くなれる気しかしない。そんな根拠のない自信が芽生えてしまうほど彼女の曲を何万回と聴いてきた。そして今でも、ふとYUIの曲が流れると嫌でも10代前半を思い出してしまう。本当は永遠と思い出したくないはずなのに。


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個々の力が強くなり皆んながギラギラしている雰囲気の中で、当たり前として生活することがとにかく苦痛だった。でもそのしんどさを悟られないように私自身も強気で校内を必死に大股で歩いていた。コミュニケーションが難しくなり始め疎外感を強く持つようになっていく過程でYUIのアルバムを中古ショップで買い、当時はパソコンからウォークマンへ移行し、それを右手で握りながら過ごしていた。

彼女の声は他の歌手と少し異なって、よく聴く大人の声とは違っているように感じていた。年齢は離れているのに同世代と錯覚してしまう子供のような声質だからこその説得力。「頑張ろうよ」と無責任に背中を押すというよりも、抱えている悲しみをそっと包んで守ってくれるような安心感がいつだってあった。


特によく聴いていたのは「How crazy」。

知恵をつけなさい 将来負けないように
説得したいのに うまく話せない
そんなんじゃダメ 納得もできない 神様 ちょっと不公平だって思うよ


あの頃も、今も、これからも生きていくのは苦しさとの共存だけど、それを励ますんじゃなくて理解してくれるような歌が大好きだからこそ憎らしかったし嫉妬をしていた。


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今彼女の曲を聴くと少し辛くなってしまうのは、あの頃の記憶は綺麗なものではなくてそれが丸ごと呼び起こされてしまうからだ。それでもあの時の経験を無駄だと思ったことはない。そこから学ぶことが多くあって、だからこそ今私は人を大切にしたい気持ちが強く持てていると理解しているからだ。


彼女の曲に何度も心を守ってもらった。

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きっと誰にでも特別な歌手入る。その中で私はYUIがとにかく大好きなのである。


今日は天気が悪い。懐かしい曲をたくさん聴いてみようと思う。


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