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Z級映画の金字塔がいよいよ東京上陸!「悪魔の毒々モンスター 東京へ行く」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(534日目)

「悪魔の毒々モンスター 東京へ行く」(1988)
ロイド・カウフマン監督

◆あらすじ
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平和なトロマヴィルを核廃棄物貯蔵地にしようと企むアポカリプス社が計画の邪魔になる毒々モンスターを殺そうとするが失敗する。そこで日本支社が開発したアンチトロマトンで毒々モンスターを倒すため、彼の父親が東京にいるという情報を流し毒々モンスターを日本へ向かわす。(Wikipediaより引用)
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Z級映画の帝王•ロイド・カウフマンとマイケル・ハーツが設立し、数々の悪名高きZ級映画を生み出しているトロマ・エンターテインメントの作品です。

現在U-NEXTで配信中の他、私は浜田山のTSUTAYAにてレンタルさせてもらいました。

ロイド・カウフマン氏(映画.comより引用)

◇有毒廃棄物を全身に浴びたことでモンスターになってしまった青年が正義に目覚め、悪と戦う

というZ級一直線のストーリーと清々しいまでの低予算を隠す気のないスタイルで他作品と一線を画し、未だにZ級映画の金字塔として君臨する「悪魔の毒々モンスター」シリーズの第二弾です。

一作目はこちらから↓

◇前作でトロマヴィルから悪を根絶し、町のヒーローとなった毒々モンスター•メルヴィンは恋人•クレアと共に盲人センターで働きながら平穏に暮らすも、心の何処かでは「悪と戦わない自分には存在価値がないのでは?」と悩んでいました。

主人公のメルヴィン
(moviewalker.jpより引用)

そんなある日、トロマヴィルを有毒物質貯蔵庫区にしようとやって来たアポカリプス社は計画の邪魔になるメルヴィンを排除しようと画策。

まずは日々悩むメルヴィンが信頼を置く精神科医を買収、メルヴィンの父親は実は日本人で、そんな父親に会いさえすれば悩みなど吹き飛ぶと唆します。
しかし実のところ、メルヴィンの中にある悪を感知する生化学分子•トロマトンを消滅させるアンチ•トロマトンを開発した日本に行かせるのが真の目的でした。

そんなこんなで日本の東京を訪れたメルヴィンは暴漢に襲われていた日本人女性•マサミを救い、父親であるビッグ•マック•ブンコを求めて珍道中を繰り広げる。

moviewalker.jpより引用

といった内容です。

東京パートは実際に東京の各地で撮影しており、東京タワー、歌舞伎座、浅草浅草寺、ニッポン放送などを訪れるメルヴィンの姿はかなりシュールで、路上での撮影はゲリラ的に行っている部分もあるのか、振り返る人や物珍しさにニヤニヤする通行人の姿が見受けられます。

関根さんや安岡力也さんの姿も見受けられます。
(映画.comより引用)

関根勤さんは本作の大ファンを公言しており、それを知ったロイド・カウフマン氏が直々にオファーをして、出演が実現しました。ニッポン放送で関根さんのラジオにメルヴィンが乱入するシーンは関根さんのご厚意により可能になったそうです。

ちなみに歌舞伎座に関しては配給元が松竹だったため許可されたそうです。

鼻をたい焼きにされてしまうチンピラ
相当インパクトがありました。(moviewalker.jpより引用)

その後、東京で再開を果たした父•ビッグ•マック•ブンコ(安岡力也氏)は表向きは魚の卸業を営みながら裏では薬物を売りさばく悪人でした。メルヴィンのトロマトンが反応し、悲しき親子対決となり、直接ではないにしろ、メルヴィンは父を殺めてしまいます。

moviewalker.jpより引用

このあたりも本当にシュールで、突如力士の格好をした父と肉弾戦の末、投げ飛ばされた父は余所見をしていた魚屋に細切れにされてそのまま店頭に並べられてしまいます。

そんな父がなぜか開発していたアンチ•トロマトン(原料は魚の油)を浴びてしまったメルヴィンでしたが、『相撲が原因なので、治すには古代相撲同毒療法、相撲探求、相撲運動の3つだ』というもはや意味不明の謎すぎる理論の元、なぜかマサミに力士たちのもとに連れて行かれます。

そこで四股を踏み、力水を口に含み、塩を撒き、そして相撲を取ったメルヴィンは我慢と辛抱、そして忍耐を学び、廻しを締めてもらったことでメルヴィンの中のトロマトンが復活します。

故郷トロマヴィルはメルヴィンのいない間にすっかり荒れてしまい、治安最悪の町と化し、アポカリプス社に牛耳られていました。

メルヴィンの帰還後、なんやかんやありながら、悪を一掃し、再び町には平和が訪れ、本物の父親たも再開を果たします。

この帰還後もやたら長いです。カーチェイスとか爆破とかもうお腹いっぱいなのにめちゃくちゃ長いです。

メルヴィンと恋人のクレア
(moviewalker.jpより引用)

前作よりも戦闘シーンがかなり多く、アポカリプス社が送り込む刺客がトロマヴィルでも東京でもメルヴィンに襲いかかります。

刺客はギャング風やチンピラ風のまともな見た目のヤツもいれば、インディアン、犬人間、女装おじさん、歌舞伎男、忍者、セーラー服おじさんなどバラエティに富んでおり面白いですし、びっくりするくらいグロかったりします。

車椅子ごと折りたたまれる敵
(moviewalker.jpより引用)
このあと小さく畳まれてバスケットボールにされてしまいます。(moviewalker.jpより引用)

ちなみに中盤で登場するツインブラザースという敵との戦闘シーンでは、撮影日が2日にまたがってしまったため、カット毎に晴れだったり雨だったりします。日本側のスタッフがこれに意見すると、カウフマン氏は「この映画はこれで良いのだ!」と意に介さなかったそうです。

ストーリー自体はシンプルなんですけど、一つ一つのシーンがしつこいくらいに長いので疲れます(笑)

それがZ級映画と呼ばれる所以でしょう。

DVDの特典映像には高田純次さんとマサミ役の桂木麻也子さんの対談(おそらく日本のテレビ番組の切り抜き)、不謹慎極まりない放射能マーチ、トロマ・エンターテインメント作品の紹介などが収録されています。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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