世間の評価に惑わされるな!自分の目で見て確かめよう!「ひぐらしのなく頃に」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(603日目)
「ひぐらしのなく頃に」(2008)
及川中監督
◆あらすじ
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昭和58年初夏。 昼にはセミの、夕暮れにはひぐらしの声が鳴り響く山奥の寒村・雛見沢(ひなみざわ)。東京から引っ越してきた少年・前原圭一は、小さな分校で、クラスメイトたちに囲まれ、のどかで楽しい毎日を過ごしていた。しかし、その幸せは長くは続かなかった。村の祭りの夜、圭一が遭遇した事件。それを境に、彼らの運命は誰もが予想できない方向へと突き進んでいく。(Filmarksより引用)
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超人気コンテンツ「ひぐらしのなく頃に」。元々は同人サークル「07th Expansion」によって2002年に製作されたサウンドノベルのコンピューターゲームで、対応機種がWindows 95/98/Me/XPというところに時代を感じられます。
その後、口コミで話題となり、爆発的な人気を博した本作は同作で監督•脚本•キャラクターデザイン•CGを担当したサークルの代表者である竜騎士07氏の原作•原案の下シリーズ化し、漫画やアニメ、小説など様々な媒体でメディア展開し、今なお多くのファンから愛されております。
私はアニメシリーズ(無印、解、業、卒)しか見ていないライトユーザーではありますが、一切先が読めない深すぎる物語に絶望的なシーンの数々、えげつない残酷描写のオンパレードに心を掴まれており、今でも大好きなアニメ作品の一つです。
そして今作は2008年に及川中氏が監督•脚本を務めた満を持しての実写化であり、まだアニメすら見ていなかった当時の私でも、「ひぐらしが実写化するぞ!」という話でクラスの一部が盛り上がっているのを覚えています。
しかし!
いざ蓋を開けてみるとその再現度の低さや似ても似つかないキャストの面々、滲み出る低予算感などで酷評されていることが多く、どの映画サイトでも評価が芳しくありません。
多くの人がそういったネガティブな感想を見ただけで「ひぐらしの実写版クソらしいよ」と噂を広めることでさらに評判が下がっていくのでしょう。
悲しいことです。
自分の目で見て確かめることが大事なのに。
少し話は逸れますが、私は漫画やアニメ原作のいわゆる実写化作品がホラー映画と同じくらいに大好物でして、映画館まで赴くこともしばしばです。
多くの場合、人気アニメや漫画の実写化が決定すると、まだキャストも何も発表されていない段階から否定的な意見が多く、いざ映画が公開されても「原作と全然違う」、「キャラと似てない」、「見る価値がない」等とボロクソに言われてしまう場合がほとんどです。
ここで私はいつも疑問に思うのですが
なぜお客さんは原作そのままの良さを実写に求めるのでしょうか?
再現度さえ高ければそれで良いのでしょうか?
実写ならではのオリジナリティ大いに結構じゃないですか。
『原作は原作、実写は実写』それぞれの良さがあっていいと私は思いますし、ファン以外の層にも理解できるようなライトな内容にすることで裾野を広げ、新規のファンを増やすことができるというメリットもあると思います。
もちろん中には『原作人気だし、売れてる俳優出しときゃ客入るだろ』みたいに原作や俳優の人気に胡座をかいて、何の熱意も無く、金儲けのために製作したのが見て取れてしまう実写作品もあるため、それに関しては私も好きではありません。原作者やファンに失礼だと思いますし、最近あった「セクシー田中さん」の件のように原作者の気持ちを踏みにじるようなことはあってはなりません。
ですが個人的には「20世紀少年」、「ミスミソウ」、「銀魂」、「るろうに剣心」、「DEATH NOTE」、「テルマエ・ロマエ」、「ピンポン」etc…、TVドラマでは「ROOKIES」、「のだめカンタービレ」、「GTO」(反町隆史さんの方)等など面白かった作品もたくさんあります。
逆に「デビルマン」や「地獄堂霊界通信」も一周回って面白いと思える日が必ず来ます!私はある意味好きですよ。
そんなこんなであまり評判がよろしくない今作を実際に見て、自分なりの感想を書いていきたいと思います!(ジャンルとしてはミステリーやサスペンスに分類されがちですが多目にみてください)
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大まかな流れとしては
『とある事情で山奥にある雛見沢という村に引っ越してきた高校生の前原圭一。転校先となる分校のクラスメイトとともすぐに打ち解け、のどかで楽しい日々を送っていた。しかし、過去にその村で起きた凄惨な殺人事件やいなくなったとある生徒のことを口にすると誰しもが口をつぐむ。そして年に一度開催される伝統行事「綿流し」の日に圭一が遭遇した事件をきっかけにクラスメイトたちの様子が徐々におかしくなっていく。』
という大筋を抑えておくとある程度は見やすくなると思います。
基本的な流れとしてはアニメ版第1シリーズの『鬼隠し編』(1~4話)を原作としていますが、ところどころ端折っているので原作を知らないと『いま何が起きているのか』や『なぜこうなったのか』の流れが分かりにくかったです。
霜降り明星さんのYouTubeで粗品さんが原作の概要や魅力を語っており、これがすごくわかりやすかったです。
原作では「鬼隠し編」や「綿流し編」など数話ごとに区切っており、各編ごとに毎回悲惨なバッドエンドを迎え、新しい編になると「また圭一が引っ越してきた日に戻る」というある意味無限ループのような構造になっており、話が進んでいくに連れて徐々にこの村に隠されている謎が明らかになったり、新たな展開があったりととにかく先が読めません。
視聴者からすると「頼むから今度こそハッピーエンドになってくれ!」と願わずにはいられないほどに毎回最悪過ぎる終わり方を迎えますし、可愛らしい女の子たちが刃物でズタズタにされたり、爪を剥がされたりする様子は相当メンタルがやられます。よくこれを地上波で放送できましたね。
キャラクターの再現度に関しては
見比べていただければ分かる通り、ほとんど原作には寄せていませんし、各キャラクターの特徴的な喋り方などもほぼありません。
でも、緑やオレンジ色の髪や「〜ですわ」や「〜なのです」のような2次元っぽい喋り方は、よっぽと再現度の高い役者さんでない限りはちょっとキツそうなのでこれに関しては仕方がないように思います。原作のキャラの魅力や設定に関しては原作で補うほうが良いかもです。
おそらくなんですけど、かなり予算が限られていたのかめちゃくちゃ売れっ子というよりかは若手中心で揃えたキャストのように感じましたが、個人的にはこのキャストはかなり良いなと思いました。再現度という点ではあんまりかもしれませんが、ビジュアルも良いですし、それぞれに個性があって原作とはまた違った良さがありました。
逆にいえば、「これだけの人気コンテンツなのに、なぜもっと予算が下りなかったのか?」と疑問に感じました。お金を掛けたらより面白くなっていたと思います。
この「鬼隠し編」の面白いところは、日常っぽい楽しい雰囲気が徐々に崩壊していき、圭一の身に降りかかる恐ろしい出来事が現実なのかそれとも妄想なのか分からなくなっていくところだと思っているのですが、そこに関してはある程度抑えていたと思います。
超有名なおはぎのシーン(「ひぐらしのなく頃に おはぎ」で検索すると分かると思います)なんかは針が唇を貫通する描写が非常に痛々しく目を見張るものがありました。
ただカメラワークに関してはちょっとだけ気になってしまいました。登場人物が何かショックを受けるシーンではその俳優の顔にズームするだけだったり、ヒロインの竜宮レナの名セリフ「嘘だ!」を言うシーンも演出込みであまり好みではなかったです。このシーンに関してはYouTubeなどにもあがっています。
一応最後に補足しておくと、あまり評判がよろしくなかったとされる今作ですがWikipediaによると
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公開開始から池袋シネマサンシャインでは、2日間合計で動員3532名・興収514万2500円(土日2日間充足率=101%)、全国18スクリーンでは、2日間合計で動員1万6085名・興収2301万6500円(土日2日間スクリーンアベレージ=127万6894円)をあげ、東京単館(ミニシアター)で観客動員数2週連続1位を記録し、14映画館でしか上映されていなかったのが33映画館で追加上映が決定した。最終的に60館で公開され、単館系作品としては異例の興行収入2億円を突破した。(ひぐらしのなく頃にWikipediaより引用)
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とのことで、決してお客さんが入らなかったわけではなかったようです。もっと予算を掛けて大規模に公開して欲しかったですね。
というわけで評判ほどの酷さはまったく感じられず、むしろ個人的にはこれはこれでありなんじゃないかとすら思います。
しかも!なんと続編があります!明日はそちらを見させてもらおうと思います。今から楽しみです。
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もしよかったら覗いてやってください。
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