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今では主演クラスの俳優が揃い踏み!有名お化け屋敷“戦慄迷宮”のメディアミックス3D映画「戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(656日目)

「戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH」(2009)
清水崇監督

◆あらすじ
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ある遊園地の巨大なお化け屋敷で行方不明になった少女・ユキ。10年後の雨の夜、彼女は突然帰ってきた。ケンをはじめとした仲間たちは、痙攣する彼女を病院へと連れていく。だがたどりついた病院は姿を変え、まるで巨大廃墟のような不気味な空間に変貌する。(Filmarksより引用)
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アジア圏初のデジタル3D実写長編映画として2009年に公開された作品であり、監督を務めたのは日本を代表する映画監督である清水崇氏です。

タイトルからなんとなくお気づきの方もいらっしゃると思いますが、富士急ハイランドで現在も営業中の「世界最長のお化け屋敷」としてギネスにも認定されている有名なお化け屋敷『戦慄迷宮』とのメディアミックス作品となります。

戦慄迷宮の外観(fujiq.jpより引用)

戦慄迷宮は1999年の7月に富士急ハイランドに設立され、その時から『30年以上前に廃業となった総合病院』をテーマにしております。

元々はイベントとして行っていたアトラクションでしたが、好評を博し、2003年に「超•戦慄迷宮」として常設されました。数年おきにリニューアルされ、現在は所要時間50分以上、歩行距離は900mととてつもないボリュームになっているようです。いつか訪れてみたいものです。

中はこんな感じになっているようです。
(fujiq.jpより引用)

メディア•ミックス作品だし、映画の内容自体は大した事ないのではと思われてしまいそうなところですが、そこは我らが清水崇監督です。そんな小手先の置きに行ったボールのような映画は作りません。随所にしっかりと清水崇節が炸裂しており、『10年前、昨日、そして今日という三つの時系列が複雑に絡み合うしっとりジメジメなジャパニーズホラー』に仕上がっております。

余談ですが、2015年には「お化け屋敷で体験できる恐怖を本物のお化け屋敷以上に体感できる映画」と銘打って製作された『お化け屋敷列伝』の第1弾として、今作と同じ戦慄迷宮を題材に「お化け屋敷列伝 戦慄迷宮MAX」という作品も存在しますが、もちろん今作とは無関係です。(こちらに関しては現在U-NEXT、hulu、Leminoにて視聴可能なようです。)

こちらの作品はお化け屋敷列伝の第1弾となっておりますが、いくら調べても第2弾以降の作品が見当たりません。企画自体が頓挫してしまったのでしょうか。

そして!

今作で主演を務めているのは当時まだ19歳の柳楽優弥さんです。現在は二枚目から三枚目、飛び道具でも何でもござれの圧倒的な存在感で日本を代表する俳優のお一人ですが、当時は「誰も知らない」(’04)で主演を務めていた元子役というイメージの方がまだ強かったのかもしれません。

本編や上記の記事の画像を見ていただければ分かる通り、今よりも大分ふっくらしております。本人曰く食べ過ぎとのことですが、ストレスによるものもあったのではないでしょうか。この後、一度だけ会った十八代目中村勘三郎さんから「君は見栄えが悪いから俳優を辞めなさい」と言われたことでダイエットを決意したそうです。

現在U-NEXTにて配信中です。私は例によって浜田山のTSUTAYAを利用させていただきました。いつもお世話になっております。

映画.comより引用

『主人公ケンの少年時代の回想から始まり、なぜか大人になったケンが警察に連行され、取り調べを受けている』

という風に「どういうこと?」と視聴者を巧みに引き付ける導入が素晴らしかったです。

映像自体はそこまでお金が掛かっている感じではありませんが、物語自体が面白いですし、何よりもキャストがとんでもなく豪華です。主人公のケン役は柳楽優弥さんですし、刑事役も松尾スズキさんと山中崇さんの激シブコンビです。ケンの友人役には蓮佛美沙子さん、勝地涼さん、前田愛さん、水野絵梨奈さんと今ならば余裕で主役を張れるレベルの俳優さんばかりです。15年近く前だからこそ実現した奇跡的なキャストで、これも中々に凄いことだと思います。

画像左から蓮佛美沙子さん、柳楽優弥さん、勝地涼さん
余談ですが勝地さんが朝ドラ「あまちゃん」の前髪クネ男役で大バズりするのはここからおよそ4年後の出来事です。
(映画.comより引用)

先述したように、柳楽優弥さんが今よりもふっくらしているんですけども、それによって普通の青年感が良い意味で増しており、すごくリアルな人間に見えました。そして、物語のキーパーソンでもあるユキを演じた蓮佛美沙子さんも透明感があって非常に良かったです。蓮佛さんはあさのあつこさん原作の「バッテリー」(’06)のヒロインや、実写版「鋼の錬金術師」シリーズ(’17、’22)のホークアイ中尉、朝ドラ「べっぴんさん」等、どの作品でも唯一無二の存在感を放っており、私も大好きな俳優さんの一人です。

映画.comより引用

そして先程の導入から、なぜケンは取り調べを受けているの、なぜ逮捕されたのか、そもそもなぜあんな場所にいたのか等が順序立てて描かれていきます。

◇10年前に遊園地のお化け屋敷に忍び込み行方不明となったはずのユキが突如ケンたちの前に現れる。ぐったりとしているユキをとりあえずは病院に運ぼうと皆で近くの病院に連れて行くも、なぜか人っ子一人いない。そんな無人の病院でケンたちの身に次々と不可解な現象が起こる…

という風に、戦慄迷宮とのタイアップであるため、廃病院で繰り広げられる惨劇をテーマにした大筋の中で物語が展開されていきます。突如現れる子どもたちの存在や、落下シーンの繰り返し、そして時系列を織り交ぜる独特の演出によって、謎が明らかにされていくミステリー要素があってかなり楽しめると思います。

映画.comより引用

そして、冒頭でも述べたように今作は記念すべきアジア圏初のデジタル3D実写長編映画です。

3D映画と言えば、プラスチック製の少々ちゃちな専用のメガネを掛けて鑑賞するスタイルが一般的だと思います(今はもう少し進化しているかもですが)。例えば爆発するシーンでは爆風やガラスの破片等が自分に向かって飛んでくるように見えたりと、まるで自分の目の前でその映画の出来事が起こっているかのような臨場感が味わえるのが醍醐味ではないでしょうか。

配信やDVDではもちろん2Dなので、おそらくこれが飛び出してくるんだろうなというおおよその検討しかつかないのであくまで私の予想で話を進めますが、今作もその例に漏れず、落下してくる少女(ユキ)や宙に浮いた人形の腹を割いて中からユキがぬっと現れるシーンが3Dで飛び出してくるのだと思われます。2Dでもかなりゾッとする演出が多く、これだけ鳥肌が立つのだから、映画館の大きなスクリーンで、しかも3Dで見たら相当怖いんじゃないでしょうか。

映画.comより引用

こういった3Dの特性を活かした怖がらせ方もありつつ、中には、不自然に人形を画面に向かって投げ捨てたり、同じシーンを繰り返したりと“3Dで飛び出すポイントをなんとかしてもっと作らねば”という作り手側の苦労が垣間見えました。清水監督としても3D映画は初の試みであり、おそらくはかなり試行錯誤したのではないでしょうか。3Dと謳っている以上は飛び出さないといけませんし、参考資料となるものがほとんどない手探り状態でこれだけのものを作り上げた清水監督、そしてスタッフの皆様にただただ脱帽です。

メインキャスト5名と清水崇監督(画像左)
oricon.co.jpより引用

そこまで派手さのある作品ではありませんが、有名お化け屋敷とのタイアップ、“3D”というまだまだ未知の領域だった分野への挑戦、さらには若き日のスターたちの豪華共演など、あらゆる点で貴重な映像作品になっていると思います。

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もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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